大工工事

気が付いたことは遠慮せず早めに言いましょう

気が付いた事は早く言った方が手直しの手間が減るため、早めに言うことがお互いのためになります。

上棟が終わり、気密測定が終われば、本格的に大工工事の工程に入ります。一口に大工工事と言っても内部造作だけでなく、一条工務店の場合は、給排水工事、電気工事、石膏ボード工事、内部造作、住宅設備設置など広い範囲の工事を含んだ期間を表しています。

大切なのは設計時点でして、特殊な部位は図面や施工連絡票に指示を落としてもらって、自分で確認しておいた方が、工事での混乱が少なくて済むと思います。図面や施工連絡票は設計士さんに言えばデータをメールで送ってもらえます。

さて、我が家の工事では基本的には1名の棟梁が給排水と電気工事以外を担当し、住宅設備設置に関しては搬入時に棟梁と業者さんが一緒に設置していました。重量物は上棟の時にクレーンで搬入している事が1名での工事を可能にしていると思います。

一条工務店の施工では基本的には棟梁を含めて施工する方々は協力企業の方です。役割としては社員の現場監督が各業者さんとの調整を行っており、棟梁は現場の管理はしていますが、例えば水道業者さんの工事内容のチェックまではしていないと思います。

そして、施主が実際に現場をみて初めて設計時の思い違いや施工の勘違いに気が付く事がありますから、気が付いた事は積極的に現場監督と棟梁に相談しました。リモコンやコンセントの位置、棚の高さなど、初めて現場で気が付く事もあります。

玄関ドアの内側に工程表と共にこんな案内の紙が貼ってあると思います。担当する協力企業の社名が書いてあります。どうでも良いですが、我が家はi-smartじゃなくてi-cubeですよ(笑)。現場ではsmartとcubeは内装の違い程度の認識なんでしょう。

 

工事関係者とのコミュニケーションの取り方がわからない

 

初めて家を建てる方は気が付いた事を誰に言えば良いのか分からなくて困ると思います。単純に工事の相談窓口は現場監督で良いと思いますが、営業さん、設計士さん、そして現場には棟梁もいて最初は役割がわからないと思います。

最初に思ったことは、棟梁は工事全体を管理するのかしないのかという事でした。一条工務店の場合は下請けへの丸投げではないため、管理はあくまで監督さんです。棟梁は現場の安全衛生管理を任された大工さんだと思えば良いと思います。

監督は週に数回、確認のために現場に来るといった感じですが、現場で長く働いているのは棟梁なので、何か現場で認識違いを感じた場合は棟梁の専門外の工事でも、棟梁に一声掛けて相談しておいた方が良いと思います。

修正が必要な場合、棟梁が簡単に直せる部分以外は、ここの修正は監督に相談してみますと棟梁に一声かけて、該当部位の工事を止めてもらい、監督に連絡して監督から現場に指示を出してもらうと良いと思います。

また、施主によっては、玄関ドアの室内側にメモやホワイトボードを設置している人もいます。私は特に必要ありませんでしたが、不特定多数業者さんが来る現場では、例えばココには車を止めないで等、ご近所への配慮も情報共有する事ができます。

我が家の場合は、業者さんとの調整や設計の問題は監督、現場で修正ができる範囲は棟梁という役割だったと思います。ただ、現場を見ていると施主が先に問題を発見してしまう事もありますが、そこは揚足を取らずに冷静に対応しましょう。

すべて棟梁経由で監督に伝える事もできると思いますが、言葉の掛け違いが起きると困るので、監督・棟梁と両方とコミュニケーションをとった方が良いと思います。現場に行けない場合は監督とのメール連絡でした。メールアドレスは名刺に書いてあります。

監督には報告が欲しい部分は写真を撮ってメールで送ってもらいました。監督との連絡はほどんどメールでしたが、CCに営業さんと設計士さんが入ってメールが来る事が多く、私も現場の細かなことまで全員にメールしてました。

他の施主のブログをみるとLINE等で監督と連絡をしている方もいるようですが、メールの方が多人数に情報共有しやすいため、私は急ぐ場合は電話か現地集合で打合せをして、それ以外はメールで足りてました。

なるべく現場に多く行って、早く指摘した方が大工さん達の作業の手戻りが減るため、ありがたいと思います。特殊な造作をした部分は施工する人が施工連絡票から読み取れない場合があるため、早くイメージを実際に施工する人に伝えた方が、お互いに気持ちよく工事が進んでいくと思います。

お茶出し等はあまり気にしなくて良いと思います。私はぶらっと現場に毎週行っていたので、業者さんが何人いるかわからないので、適当に買って持っていきましたが、飲み切れずに前回のものが残っている場合もあり、毎回持っていく必要はないでしょう。

 

全てがカタログ通りではない

現場を見ると、カタログで表現されている断熱材の厚み等が、実際に建つ家では異なる部位がある事がわかります。カタログは商品を分かりやすく説明するためのものであり、細かな事まで説明していません。

詐欺じゃないかと思うかもしれませんが、これはどのハウスメーカーでも若干あります。自動車のカタログの燃費も実際に走ってみると違いますよね。ただ、ハウスメーカー側もカタログにもう少し注記すべきだと思います。

石膏ボードの中の構造に関しては入居宅訪問では分からないため、心配な方は事前に建築中の家の構造見学をして実物を確認すると良いでしょう。取り合い部分といって家の部品同士が重なる部分はどうしてもカタログ通りにはならない事がわかります。

床には電気ケーブルや床暖の温水管等を通すための穴や切り欠きがありますから、全ての床の部位が構造用合板に覆われている訳ではありません。

ACQ加圧注入に関しては一階のすべての木材が対象ではなく、例えば玄関框、フローリング、造作部位の下地等は加圧注入されていません。一階の外部に接する部分が加圧注入の対象であり、内装や下地は加圧注入材ではない場合が多いです。

天井や壁の断熱材は電源ケーブルやダクトが通る部分は工場で切り欠きがされていますし、床に関しては土台と大引の部分は木材があるため断熱材が入ってません。ただ、断熱材が薄い箇所があるから壁内結露するという訳ではありません。

断熱に拘る方は断熱材の切り欠きや隙間について悩むよりも、家の形に悩んだ方が得策だと思います。Q値に悪影響があるのは家が長細くなる事で、真四角に近い家ほど外壁の面積が減ります。コの字で中庭がある家などはQ値は相当下がってしまいます。

 

気密測定

一条工務店の気密測定は上棟後の中間検査時点で実施されてます。本来は引き渡し前に行うべきですが、この後の工程でエアコンの配管等をしますが、一方で石膏ボードや壁紙も貼られるため、中間時点での気密測定であっても大きな差はないようです。

一条工務店では外注業者さんではなくて、現場監督さんが気密測定をしていました。気密測定前に天井や床の点検口が締まり切っていないというような凡ミスはご愛敬ですが、工法からみて安定して高い気密性能がでると思います。

気密測定に当たっては玄関ドアの下がまだ塞がっていない状態であるため、現場発泡ウレタンで仮に埋めます。一条工務店の工法の場合は、天井・壁・床の合板部分で気密を取っているため、漏気が起きるとすればアンカーボルトの穴や配管穴と玄関ドア廻りの気密処理漏れが想定されます。

我が家のC値は0.5cm2/m2でした。床面積が86m2の小さな家としては立派だと思います。C値は床面積当たりの隙間という意味ですから、床面積の大きい家ほど良く出る傾向にあります。

床面積が広い家は隙間の発生しやすい窓を大きくしても床面積から見ると面積比は少なくなりますし、家の外壁を通る配管は大きな家も小さな家もあまり面積に変わりがないからです。

こちらが気密測定結果です。

 

 

大工工事の模様

ここからは大工工事の模様です。それでは我が家の棟梁の頑張り振りをご覧ください。我が家の場合は棟梁がお若い方だったので一般的に想像される怖そうなおじさんといった感じではありませんでした。

 

上棟後の建物内部

上棟直後はまだ家のパーツが仮設置された状態です。次の工程に使うものがあらかじめ上棟の最中にクレーンで運び込まれています。

これは、一階天井です。色々なものが付いています。天井の石膏ボードの下地となる野縁は、この段階では、まだ天井に仮固定されていますが、後日外されてて設置されます。一条工務店の工法における、梁(ベイマツ)と根太(ツーバイ材)の違いが良く分からないのですが、木材と金物が違うので強度が違うのでしょう。

二階天井です。天井根太に天井の石膏ボードを設置するための天井下地が付いています。ツーバイ工法は縦材が縦枠、横材が横枠と非常に名称がわかりやすいです。ドア(引戸)の上部についている横材はまぐさで、まぐさの下の縦材はまぐさ受けといった感じです。

 

これは二階のホールダウン金物です。通し柱がない事もあり一階と二階の壁パネルを接合しています。こういった壁に部品が付いている部分は、なるべく断熱欠損にならないように、この部分に嵌める補助的な断熱材が事前に用意されています。

ボルト等の締め付けが終わるまで、二階壁パネルが仮止めされています。カーテンレールをDIYで付ける方は窓周りの下地(木材)がどこにあるか写真を撮っておくと良いと思います。

 

これは、一階根太に65φのダクト配管が通る部分に穴があいています。2×10材なので穴を空けても周囲にまだ余裕がありますが、ロスガードからSAの距離はなるべく短い方がダクトの圧力損失や構造に穴を空ける箇所が減るため好ましいです。

 

これは二階の天井根太です。2×10材(235ミリ)に断熱材が充填されています。この根太のすぐ下の木材(天井下地)に石膏ボードが付くため、二階天井はフトコロが殆どありません。240cm高さの天井が現状では限界でしょう。

 

リコモンの集合場所です。工場から運ばれてくる壁パネルには、コンセントBOXや一部に石膏ボードまで設置されています。コンセントの位置は石膏ボードを貼る前なら下地材を追加して多少は動かせますので、早く確認して棟梁に言った方が良いです。

 

ユニットバスは上棟の時にクレーンで運びこまれていました。ユニットバスの下は床がないため基礎コンクリートの部分で断熱されています。また、湯船はウレタンの断熱材で保温されているようです。

 

さらぽか空調の虫取りのフィルタです。通常のロスガードとは形状が違います。空調設備は大型なので、上棟時にクレーンで家の中に運びこまれてました。

 

 

給排水・電気工事

黒い太い管は二階のトイレから外部に出す排水管、青い細い管は水道です。我が家は外に排水管を出しても目立たない方向であったため、将来のメンテナンスや室内の音の問題から外部に排水管を出すことにしました。寒冷地だと難しいのでしょうか。

 

ねずみ色の管はロスガードからの65φのダクトです。電気ケーブルも壁を閉じる前に施工されます。電気はどの家でも通常は引き渡し前に電力会社の漏電の検査があります。電気のケーブルは中の銅線が太いのでステップルで止めても大丈夫です。

 

これはオプションの22φのCD管です。テレビやLANケーブルなどデリケートな情報線は管に通しておいた方が安心です。将来、線を入れ替えしたりできますしね。電気が微弱にしか通ってないためPF管でなくCD管でも問題はないようです。

 

 

下地工事・石膏ボード工事

上棟後は給排水と電気工事をした後に、壁に石膏ボードを貼るための下地の木材を設置する工事から始まります。

石膏ボードは優れもので、耐震性の向上にも寄与しますが、不燃であると共にボード1枚に約3kgの水を結晶水として含んでいるため、加熱されると水蒸気が発生して火災時の温度上昇を遅らせます。

赤丸の部分の木材は天井の石膏ボードを設置する下地材で上棟の時は仮設置されていた野縁です。一条工務店のツーバイ工法では井の字に天井下地を組まずに、根太のような野縁と部屋の内周に下地材をぐるっと回して石膏ボードを設置していました。

 

壁の石膏ボードです。耐力壁の場合は外周が100ミリピッチ以下、外周が200ミリピッチ以下のルールです、耐力壁でない雑壁の場合は外周と中央は200ミリピッチ以下です。もし、間違っていたらビスを抜かずに増し打ちしてもらってください。

 

 

床暖パネル設置

一条工務店では床の不陸(凸凹)を調整するためにダンボールを挟んでいるそうです。その後にこの銀色の床暖パネルを設置していました。一条施主の間では銀世界と言われる状態ですね。真ん中に写っているのはオプションの防音用グラスウールです。

 

床暖房の給湯管です。我が家の場合はさらぽか空調であるため、夏は冷水が通ります。床暖の区画は北側と南側で分けました。北側は冬季にコールドドラフトが発生するため、北側の温度を少し高くすれば全館が同じ室温になるのではないかと考えています。

 

 

エアコン設置

我が家は床暖房とさらぽか空調が付いているにも関わらず、私の経験から生まれたエアコンによる全館冷暖房システムも設置しています。省エネ性や住み心地など、色々と比較テストしてみたいと思います。

一階のエアコン設置場所です。下の黒い棒のようなものがエアコンの室外機と接続する冷媒管です。一階の床から基礎抜きで室外機と接続します。FFストーブのような低い設置位置ですが、2.2kWの小型壁掛けエアコンを床上エアコンとして設置します。

 

これは二階の階段ホールに設置されるエアコンの冷媒管です。2.2kW(6畳用)のエアコン1台で全館冷房を実現します。Q値から計算すると小さい我が家は温度だけなら、この半分の能力で足りてしまいますから、一条ハウスの断熱性能恐るべしです。

2018年の春から床暖房に付いてくるRAYエアコンに再熱除湿機能がなくなってしまいました。2016年当時はRAYエアコンをカットしても減額されなかったため一階のリビングの壁上に鎮座しており、リビングにエアコンが2台付いてしまってます。

エアコンについては二階と一階に小型エアコンを各一台設置してください。必ず二階のエアコンには梅雨に備えて再熱除湿機能のあるエアコンを設置するように強くお薦めします。

 

 

造作工事・床板設置

階段のホールの造作が始まりました。この後手摺等がつきます。この腰壁の上に二階のエアコンが付いてます。一般的な家だと階段部分の腰壁は室内の壁と同じ厚みだと思いますが、一条工務店の場合は階段の幅を広くするためか腰壁が薄いです。

 

フローリングが到着しています。このi-cube標準の高耐久フローリングはキズや凹みに強いです。

 

フローリング設置後に床が養生された状態です。コーナーの巾木は45度の留め切りの仕上げではなくて、コーナーキャップが付いてます。こういった手間の掛かる部分の合理化は昔の大工さんから見れば手抜きに見えるのでしょうね。

 

引戸が付きました。クローゼットは完成した箱の状態で上棟の時に運び込まれていました。

 

 

住宅設備・フリーカウンター

洗面台が入りました。

 

キッチンが入りました。我が家はi-cube標準のキッチンです。吊り戸が無料で付いてきます。吊り戸の高さは70・80・90センチで選べたと思いますが、欲張って90センチを選んだら開口部が少し狭くなってしまいました。

 

キッチンの反対側はフリーカウンターが2段になってます。上のフリーカウンターはオプションですが、下の方は標準キッチンに付いてきました。自在棚を設置するので、棚板が沢山積まれています。壁は壁紙を貼るためにパテで平らにされています。

フリーカウンターについては壁の入隅に接する端を斜めにカットするのは無料です。下から電気ケーブル等を通したいと後で考えるかも知れませんから、カウンターは壁との間に少し隙間を空ける、端をカットする、穴を空けることができます。

 

 

予備配管

将来なにがあるか分かりませんから、家の外から通線できるように予備の穴を2個設置しています。また、基礎コンクリートにも予備穴を1個設置しておきました。こういう逃げ道を作っておくと何かあった場合に対応できると思います。

玄関やサニタリーは湿気や温度低下がしやすい場所ですから、別途対策はしているのですが、念には念をいれてエアコンを設置できるように、配管を通してあります。

一階の土間収納内の下の方にエアコンの予備配管穴があります。玄関が冷えるようなら土間収納内にエアコンを設置する事も可能です。除湿器をここで運転して結露水をここから外に捨てても良いかもですが、現在は除湿器を使う予定はないです。

 

我が家は脱衣所にブレーカーが付きます。念のためブレーカーに将来何かを接続する事を考慮してエアコンの将来用の配管を付けてます。夏に浴室や洗濯物を乾燥させるために、ここにエアコンを設置しても空間が狭いので冷房運転ではサーモオフが起き、電気代の掛かる再熱除湿でないと除湿できないと思います。ここは単純に他の区画から大量の空気を送り込んだ方が良いでしょう。

コンセントに関しても多めに設けた方が良いと思います。テレビの配線はいまのところ無線化されていませんが、LANに関しては無線が低価格になったため各部屋全てに有線LANケーブルを引かなくても良いと思います。

ただ、無線の場合は二階の床暖パネルのアルミシートがLANの電波を跳ね返すため、無線のアクセスポイントを階段ホールに設置できるように、壁の石膏ボードに簡単に付けられる棚板が売っていますから、コンセントを傍に設けておくと良いでしょう。

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