高気密高断熱住宅は全館空調が低コストで実現できる
さらぽか空調(床冷暖房+除加湿)の家に住んでみて梅雨を含めて誰にでも低湿度な快適な空間が作れるなと感心しました。さらぽか空調は非常にお薦めなオプションなのですが初期費用とランニングコストが高いところが難点ですね。
ここではより初期投資と消費電力をセーブして家中を除湿する方法である家庭用の壁掛けエアコンを使った全館冷房について述べますが、全館冷房の方法は一条工務店に聞いても答えてくれませんから自己責任であることをご承知ください。
また、一条工務店では床暖房が標準ではない商品があります。一条工務店の床暖房については非常に快適ですが過剰な設備であるとか将来の修理代が心配といった話もありますから、実際にi-cubeで実施したエアコンのみでの全館暖房も併せてご紹介します。
実際に一条工務店の家はどの商品でも多少のノウハウが必要ですが小型エアコンが2台あれば全館冷暖房が可能な性能があります。将来、床暖房やさらぽか空調が壊れた時のためにエアコン全館冷暖房を考慮しておいても良いと思います。
エアコン全館冷暖房の利点
- 家庭用の壁掛けエアコンで実現可能。高額なダクト用のエアコンやダクトも不要であるためコスト的には最強。
- エアコンの設置台数が減らせる・・・イニシャル&更新コストの低減。
- 真夏のランニングコストはほぼ同じ・・・高性能な家では24時間運転連続も間欠運転も消費電力がほぼ同じ。
- 快適性が向上・・・熱帯夜やヒートショックのない家になります。
- ダニの発生が予防できる・・・1年中、相対湿度60%以下に保つ事で主要なアレルゲンを撲滅。
- 花粉症の方にお勧め・・・窓を開けなくても生活できる。
- クローゼットの防虫剤や乾燥剤が不要になる。
- 洗濯物が24時間乾く・・・家事負担が減り、天気を気にしない生活が可能になります。
24時間エアコンを運転したら早く壊れるんじゃないの?
旧宅では6年間エアコンで全館冷暖房をしましたがエアコンは壊れませんでした。我が家は二階のエアコン(8畳用)は夏冬で年に8か月24時間稼働、一階のエアコン(6畳用)は冬季とその前後の6か月間運転24時間稼働してこの2台を使って全館冷暖房をしていました。
エアコンはON・OFFを繰り返す方が負担が掛かると思います。ずっと運転していると急激に冷暖房する必要がないため、エアコンが常時余裕をもった運転をしています。少ないエネルギーで24時間運転することで建物本体の温度を維持できます。
家庭用のエアコン1台での全館暖房は無理とか24時間エアコンを運転すると業務用じゃないから壊れる等、常識的な発想は実際はにやってみて間違いである事が分かりました。家庭用のエアコンはもっと高性能で耐久性のあるものだったのです。
何事も先入観があるので新しい事は怖いと思うでしょうが、挑戦しなければ成功もないという事ではないでしょうか。もちろん、工夫が足りないと失敗しますが、高気密高断熱住宅を使いこなすには常識を覆す発想が成功への入口でしょう。
全館冷暖房の四季
実際に地場ビルダーが建設したQ値1.0Wの住宅に何年も生活してみて分かった事です。一条工務店の家や高気密高断熱住宅と一口にいっても設計次第で生活方法が変わります。
春・秋
春や秋といった中間期に暑くなって窓を開けなくてはならない高気密高断熱住宅は、窓の日射制御が足りてない家という事になります。春には太陽高度が上昇し、南側よりも東西からの日射量が多くなります。
窓の日射制御をするには窓を少なく小さくするか窓の外に日除けをしっかり設置します。窓の日射制御ができている家は中間期はエアコンを使わなくても窓を閉めると外気温が低くても室内は内部発熱で程よく暖かくて快適な温湿度になります。
気密性と熱損失を減らすために窓を全部小さくFIX窓にすれば良いのかと言うとそれは無理で、計画換気がなされていても建築基準法の換気用の窓が必要になりますし、万が一火災の時などのための脱出口は用意しておいた方が良いでしょう。
南側以外の窓は少なく小さくすることが手っ取り早い日射対策ですが、高い位置に窓を設ければ窓は小さくても部屋は明るくなりますし、窓の位置が高いと子供の転落防止や外部からのプライバシー対策にも有効です。
梅雨入り前や秋雨が終わる10月初旬は、窓の日除けの弱い家は室温が夜も28℃程度になるため、窓を開けて20℃程度の外気を取入れるて調整する事になりますが、窓を開け続けると寒いですし、花粉も入り、特に一階は防犯面が心配になります。
そして、一条工務店では窓の網戸はオプションです。高気密高断熱であるためエアコンを少し使えば家が涼しくなるというポリシーなのでしょう。
冬暖かく、夏涼しいというのは、夏にエアコンを使う前提での話ですので、ロスガードがあればエアコンは不要とか誤解されています方もいますが、ロスガードには冷房機能も除湿機能もありません。
ロスガードは室内の熱を回収しているだけですから、室内を冷房しなければロスガードから給気される空気は暑くなります。ただ、春からエアコンを使うことに抵抗がある人が多く、ほとんどの人は網戸を付けて窓を開閉して室温調整をしているようです。
一般的には一条工務店ほどの高気密高断熱住宅であれば、換気装置にバイパス換気機能という外気を熱交換せずに、そのまま取り入れる機能があるのですが、一条工務店のロスガードには二代目のMAX社製以降は無くなってしまったようです。
中間期は浴室やトイレの換気扇を回してフィルターの付いているキッチンの差圧式給気口から涼しい外気を取り入れるという手段もありますが、風の通り道にある場所は涼しくなると思いますが、家全体を涼しくすることは難しいでしょう。
解決策として、窓に日除け付ければ窓を閉めているだけで一日中、室温25℃程度と丁度良い室温になります。花粉症の方が高気密高断熱住宅を建てる時には窓の外で日除けをするかバイパス換気ができる家である事が大切でしょう。
梅雨・秋雨
一番、温湿度調整が難しい時期で、室内の湿度が60%を超えるようになったらエアコンを使い除湿を開始します。梅雨は外気温が低いためエアコンの冷房運転で除湿をすると室内が寒くなるため、窓のカーテンを開けて日射を取り入れて室温を上げます。
除湿をしながら室温低下を防ぐ手立ては、消費電力が少ない順番で言うと以下です。
- エアコンによる冷房除湿+窓からの日射取得・・・それでも少し室内は寒くなります。
- 再熱除湿冷房・・・最も確実で除湿量が多い手段。
- 除湿機・・・廃熱が大きいためお風呂などの局所除湿に有効。
エアコンは必ず再熱除湿機能が付いたエアコンを使用してください。マイコン方式のドライ機能の場合は高気密高断熱住宅では室温が下がってしまうため、除湿が上手にできない現象(サーモオフ)が起きます。
除湿機を使うと湿度が下がる反面、エアコンのように熱を室外に排出できないため室温が上がります。1日10リットル除湿できるような大型の除湿機を利用すると室温が上がり過ぎてしまうと思いますので、除湿機は小型が良いと思います。
梅雨時期は何日も雨が続くと室温が下がり、冷房除湿では室内の相対湿度が60%を若干超えてしまう日があります。数日であれば気にしませんが長続きする場合やエアコンにサーモオフが起きるようであれば再熱除湿運転に切り替えます。
秋になって外気の絶対湿度が14g/m3を切るようになったらエアコンをOFFします。エアコンを切ると室温が上昇するため、10月は窓のシェードなどの日除けを外してしまうと室内がオーバーヒートして熱帯夜になってしまいます。
夏
高気密高断熱住宅の性能を活かして、夏は1台~2台のエアコンで全館を冷房する事により、冷房病のない快適な空間が生まれます。夏はエアコンの設置場所が解放された空間であれば、その周辺の室温が下がらずエアコンにサーモオフが起きない事から冷房除湿で運転が安定します。湿度を60%以下に保てば、主要なアレルゲンであるダニの発生を抑える事ができます。
やはり、冷房費用を抑えるには南以外の方角の窓を小さくすることや窓の外側での日除けが重要でしょう。南側は屋根の軒や庇、南側と同じぐらい日射の入る東西は簾が有効になります。
全館冷房についてはこちらをご覧ください。
”https://fjyocojp.net/technology/air-conditioning-system/cooler/″
冬
室温が高いにも関わらず、暖かいと感じられない家があります。窓や玄関などの断熱が弱い部分からのコールドドラフト(冷気)がその原因となります。
冬季の日射熱を得るために南側の窓は日射制御をした上で、大きくすることを進めしますが冬季は太陽角度が低いため隣家が二階建てなら12メートル以上離れていないと自宅の一階の掃き出し窓の下まで日射が入りません。
都市部では窓を大きくしたけど隣家の影響で窓が日影になったり、人通りが多くてずっとカーテンやハニカムシェードを閉めっぱなしになってしまうなら大きな窓を設置せず壁を増やした方が窓際が冷えずに住み心地が良くなります。
家の中の温度差がコールドドラフトの原因であり、一階と二階の上下方向、同一階の横方向の温度差が3℃以下に収まる様にする必要があります。できれば全館の温度差を1℃前後にすることを目標にしましょう。
二階を温め、一階は玄関などの断熱が弱い部分の床暖房の温度を高くできるように床暖房のエリア分けをすると良いですし、玄関ホールに床暖房のヘッダーボックスを設置すると床暖房の配管が集まるため玄関ホールの冷気対策になります。
室温を上げ過ぎると、相対湿度の低下という過乾燥を招きます。ここで、加湿を大量にすると断熱の弱い窓などで、結露が発生します。室温を上げ過ぎずに暖かいと感じる事が出来れば、結露予防になります。
全館暖房に関してはこちらをご覧ください。
”https://fjyocojp.net/technology/air-conditioning-system/heater/″
エアコン全館冷暖房の設計方法
ここでは概要を述べ、詳細は各項に譲ります。冷たい空気は上昇せず、暖かい空気は容易に降りて来ません。という事は冷房用のエアコンは二階に、暖房用のエアコンは一階の低い位置にという結論になります。
夏冬すべての季節を1台のエアコンで賄うと住み心地を良くするためにダクトや送風機が必要になってくるため、ローコストに押さえるには夏と冬用のエアコンは別々にした方が良いと思います。
全館冷暖房は2台の再熱除湿機能付きエアコンを設置すると上手く行きやすいでしょう。全館冷房はエアコンの設置場所が肝ですので、以下の設置方法が良いでしょう。間取りを作ってから空いてる壁にエアコンを設置するのではなく、最初からエアコンを設置する場所を意識した間取りの設計を行いましょう。
- 二階の全館冷房用エアコンは6~10畳用(詳細はこちら)
- 二階のエアコンのみで一階を含めた全館を冷やす。
- エアコンから一階のリビングが離れすぎているとリビングの温度に満足できない。
- 冬は補助暖房として利用。
- 設置場所は人がいない二階の階段ホールや吹き抜け。
- 再熱除湿機能付きエアコン。
- 風向きの変えられるエアコン(一階と二階に均等に冷気を落とすため)。
- 一階の暖房用エアコンは6畳用(詳細はこちら)
- 床暖房との併用もしくはエアコンだけの全館暖房を前提としています。
- 二階に夏用エアコンがあれば、一階のみの暖房用になるため最小サイズで可。
- 再熱はあった方が良いが補助冷房として一階のエアコンを使うときは超熱帯夜なのでサーモオフは起きないと思う。
- 設置場所は玄関方向からのコールドドラフトを解消できる位置。
- 設置高さは人の顔に温風が当たらないように床上の低い位置が望ましい。
- 各部屋には将来用のエアコン予備穴
- さらぽか空調やエアコン全館冷房の失敗に備えて、各部屋にエアコンの予備穴を用意してください。
- 各部屋との通気方法
- 引戸を設置してその開閉で調整する(5cm程度開けておくと廊下側から冷気が入ってくる)。
- ドア上にエアパスファンを設置する。
- ロスガードを用いた各部屋への通気(計画換気量)では風量不足で温湿度が物足りないと思います。
- 各部屋の計画換気量の3倍以上は通気量を確保する必要があると思います。
- 窓に注意
- 窓の日射制御不足の家は春や秋などの中間期に室内が暑くなり、夏の冷房消費電力が上がる。
- 冬に日射を取る南側以外の窓を小さくする。夏は北向きの窓にも陽が回り込んで入ってくる。
- 南側の窓には軒の出と庇、それ以外方角の窓はスダレ掛けを設置。
- 室外機の設置場所は要注意
- 低周波騒音防止のため隣家に向けないようにする。ご年配の方は一階に寝ている場合が多い。
- 温暖地でも気温が0~5℃程度だと霜取り運転が1時間に1回は入るため、室外機が寝室が近いとうるさい。
- 室外機は隠蔽配管をしてでも、隣家・自宅ともに人の居住しない場所への設置をお勧めします。
床暖房に付いてくるRAYエアコンは2018年からの新型からは残念ながら再熱除湿がなくなりました。よって、二階の夏用エアコンは再熱の付いたCOPの良い小型エアコンをお勧めします。
ご注意いただきたいのは一条がオプションで用意しているダイキンと三菱のエアコンにおいて再熱機能が付いているのは三菱のJVXシリーズ1機種だけです(2018年現在)が、一条ハウスの性能ならどこに付けるとしてもJVXの6畳用で良いでしょう。
また、エアコン室内機の設置場所の壁の両方が入隅になっている場合は1マスでは設置できない場合がありますので、壁の実寸を計算して、エアコンの左右に5cm以上(10cmが推奨されてます)のメンテナンススペースが取れるか確認しましょう。
網戸が必要かどうかは設計次第
網戸はあっても良いのですが、私はあえて網戸は付けない事をお勧めします。網戸があると暑かったり湿気っぽい時は窓をあければ良いと安易に考えてしまって高気密高断熱住宅の四季を通じた空調設計が疎かになるからです。それに網戸は後から必要なら付けれます。
折角の超高性能な一条ハウスですから、エアコンの選択と窓の設計に注意して、冬以外の季節にもしっかりとその性能を発揮させて、省エネでダニやカビの発生しない健康的な生活を送って欲しいなと思います。
窓が日除け不足の高気密高断熱住宅は春から家の中が暑くなります。花粉症や熱中症対策として窓を開けなくても生活できる家を設計しておくと良いと思います。現時点で花粉症の方がご家族にいなくても、将来お子さんが発症するかも知れません。
窓の外側に日除けをしっかり装備した家は春は窓を閉めてエアコンで冷房をしなくても丁度良い温湿度になります。さらに夏に全館冷房ができる家であれば四季を通じて窓を開ける必要がなくなります。
私は外の空気の方が花粉や黄砂などで汚れていると思うため、窓を開けて通風すると掃除が大変になる事もあり、外の空気は換気装置のフィルターを通してから入れたいと考えますが、窓を開けたいかどうかは理屈ではなく感性の問題でしょう。
窓を閉めている生活では、埃が少ないため、昔の様に埃をバンバン叩きだすような掃除は必要ありません。お掃除ロボットや小型の掃除機で簡単に掃除するだけです。
室内が暑くなるなら網戸を設置して通風しようという発想は対処療法だと思います。室内が暑くなる原因は窓からの日射熱の侵入ですから、窓の外に日除けを設置するという事が根本対策です。
窓を開けて温度調整する家は温湿度管理が全館冷房の家より煩雑になります。高気密高断熱住宅の性能を活かすのであれば1年を通じて窓は閉める全館空調ができる家を設計すべきです。
窓を開ける生活は網戸から花粉や小バエが入ってきますから私は窓を開けたくありません。そして、防犯や近隣との関係から窓を開けれない場合もありますから、窓を開けない全館空調の生活ができるようにしておいた方が良いと思います。
よって、窓の日除けをしっかりしている家は網戸は無くても良いと思いますが、必要最低限の窓だけに設置するか汎用の網戸を売っているショップがありますので、後からDIY等で必要な窓に網戸を取り付けるという事も選択肢ではないでしょうか。
洗濯物は部屋干しの方が良く乾く
全館冷暖房をしている高気密高断熱の家では、一般的な布団等の日干しと洗濯物の乾燥は姿を変えていくと思います。気分的には外に干した方が殺菌できると考えると思いますが、実はそうではないのです。
特に生乾き臭が気になる夏に関しては全館冷房=全館除湿ですから、家中に除湿機が掛かっていると考えて頂ければ、高湿度な室外に洗濯物を干す方が生乾きの時間が長くなって雑菌が繁殖しやすくなるという事が分かると思います。
- 布団の日干しは不要になる
- 湿度が常時60%以下であればダニは生きられない(布団は常時乾燥している)
- そもそも布団に日光に当ててもダニは殺せない(ダニは布団の裏側に逃げるだけ)
- そもそもクリーニング屋さんは日干しはしていない(シーツや布団は丸洗い)
- カビ予防のために朝起きたら布団はめくっておきましょう
- 洗濯物を外に干さなくなる
- 室外の方が湿気が少ないため匂いの元となる生乾きになりにくい(外に干すと乾くまでに時間がかかる)
- 部屋干しであれば、時間や天気に捉われず洗濯ができ、外に干すより早く乾く
- 部屋干しは冬の加湿対策になる
- 外に干すと、花粉や黄砂等が洗濯物に付着する
全館冷暖房の生活に慣れるとその内に洗濯物は外に干さなくなると思いますので、設計時に室内に洗濯物を干す場所を確保しておいてください。布団は本当に綺麗にしたいなら外干しではなく丸洗いのクリーニングに出す必要があるでしょう。
我がi-cubeでは、もはや洗濯物を干すためのバルコニーは不要と判断してバルコニーは造りませんでした。二階の窓下に洗濯金物だけを設置していますが使う事はないでしょう。バルコニーは雨漏りの発生原因になる箇所なので設置しない方が良いです。
平屋はそもそもバルコニーはないため、二階建てにはバルコニーが必要という考え方は変えても良いと思います。バルコニーにはエアコンの室外機を置く役目もあると思いますが、エアコン全館冷房では二階の居室外にエアコンを設置するため、バルコニーとエアコンの距離は遠くなると思いますから、一階に室外機を置いても同じだと思います。
窓を開けて換気するという先祖返りをしない
多くの方は高気密高断熱住宅において、カビが発生した場合、「気密性が高いとカビが生えやすいから、やっぱり窓を開けた換気が重要なんだ」と早合点して窓を開けた換気に先祖返りしてしまうと思います。
つまり、高気密高断熱住宅においても冬以外は窓を開けた方が良いのだと誤解してしまう方が大半で、この考え方の違いは低コストに除湿をする手段を知っているかいないかで別れるでしょう。
実際に私のところに全館冷房によりカビやダニを根本的に発生しないようにしたいという相談が多数ありましたから、エアコン1台を使った全館冷房による除湿を魅力的に捉える方もかなりいるようです。
夏季の外気が高温多湿な日本では、窓を開けた換気の方法はカビの発生をある程度抑制するものの、全館冷房のように家を丸ごと除湿をするわけではないので、抜本的な対策にならないのです。
過去の日本家屋では、窓を開けて換気することしか、カビを抑制する方法がなかったため、低気密住宅であれば窓開け換気は正しいですが、高気密高断熱住宅にはさらに有効な除湿という手段があるのです。
折角の高気密な性能を使って、根本的にカビが発生しない家を作ることが可能であるにも関わらず、窓を開けて換気するといった日本家屋の風習を持ち込んでしまうのは、本当に勿体ないなと思います。
高気密な家の性能を利用して家中を丸ごと除湿をすることこそ、高温多湿な日本に合致した家作りであり、高断熱な家の性能がそれを安い電気代で実現してくれます。