改良要望(防蟻)

一条工務店への改良要望:防蟻(追加)

通気層のカンザイシロアリ対策(優先度:高)

現状の通気層の対策には防鼠材がついています。2mm程度の穴径ですから蜂等には有効だと思いますが、カンザイシロアリ対策としては穴径が大きいです。現状では一条オリジナルの防鼠材が工場にて壁パネルに設置されていますが、網戸の網を細長く切ったものを設置してから、防鼠材を設置して欲しいとことです。基礎パッキン部分に使っている防虫網を使うと良いと思います。

 

一条工務店への改良要望:防蟻(2016年12月現在)

他のハウスメーカーよりも一条工務店は防蟻に熱心だと思いますが、工事現場を見てまだできる事があると感じました。

基礎コンクリート底盤の配管(優先順位:低)

一条工務店では積水化学社のエスロン耐震排水キットという基礎底盤に埋設する鞘管を給排水管の接続に採用していると思います。配管の隙間にはそのキットにあるコシシーラーという防蟻シーラーを用いた防蟻対策をしています。

一方で、本来給排水管は品確法の劣化対策基準において、メンテナンスを重視して給排水管は基礎の立上りから抜く事が基本であって、底盤から鞘管(スリーブ)を通す方がイレギュラーなはずです。ただ、世間的には見た目がスッキリする基礎コンクリートの底盤から鞘管で抜く方式が横行していますし、フラット35の工事仕様書にも鞘管方式の記載があります。

鞘管方式の場合、シロアリ被害に遭った場合は床下での処置が必要になり対応が難しくなるため、できれば一条工務店には外部から点検が可能な基礎立上りから抜く方法を基本として、鞘管方式は配管スペースがない場合のみにして欲しいものです。

一条工務店では基礎立ち上がりからの配管も対応していますので、ご希望の方は見た目が悪くなりますが、検討すると良いと思います。

基礎コンクリート立上りの打継(優先順位:中)

基礎巾木の化粧が樹脂塗装の場合は、塗装の塗膜は薄いため基礎打継の隙間からシロアリが侵入する事はないと思いますが、基礎の打継との段差を解消するためにモルタルを使用する場合はシロアリ侵入口になる可能性があります。

基礎コンクリートは底盤と立上りの一体打ちがシロアリ対策としては望ましいですが、対応できる基礎工事業者が限られてくると思いますので、二回打設の場合は打継に止水板を入れるか、見た目は悪いですが打ちっぱなしすると良いと思います。

止水板を入れると水抜き穴が設置できなくなるため、工事中は排水ポンプ等での排水が必要になってくると思います。ただ、そもそも水抜き穴があったとしても基礎に勾配が付いてないため、どのみち水抜き穴だけでは排水は出来ないため水抜き穴はなくても良いと思います。

基礎外周の化粧モルタル(優先順位:高)

基礎の立上りの外周は工事中に土が跳ねたりして汚れるため、引き渡し前に化粧をすると思います。この化粧は一条工務店では樹脂塗装が標準の様ですが、もしモルタルでの化粧の場合は将来的に剥離してシロアリの侵入路となる可能性があります。

樹脂塗装の場合は被膜が薄いためシロアリが被膜と基礎立上りの隙間から侵入する事が難しいようですが、モルタルでの化粧や不陸調整は要注意です。

化粧モルタルに関しては住宅業界全体の問題であり、基礎外周の見栄えを気にする顧客も多い事から化粧モルタルを廃止する事は相当に難しいと思いますから、化粧をするか選択できるようにして頂けるだけで良いと思います。

基礎断熱材の防蟻(優先順位:高)

基礎の断熱材は防蟻処理済とスタンプが押してありますが、薬品のドブ漬けの表面浸透による防蟻処理であり中まで防蟻薬品が練り込まれている訳ではないと思います。

ユニットバス下の基礎断熱を施工する際に現場で断熱材を切り欠いています。配管部分と人通口に被せる断熱材を二等分する施工がそれに該当します。

基礎断熱材は防蟻ではないコーキング剤で基礎に接着されており、配管穴への現場発泡ウレタンも標準施工は防蟻製品ではありませんでした。これに関してはコシシーラーと防蟻ハイプレンフォームを採用して欲しいと思います。

実は断熱材に防蟻処理を施す事よりも、施工時の基礎コンクリート立上りと断熱材の隙間の方が問題だと思ってます。この隙間は基礎コンクリートを打設した際に発生する型枠の段差やバリが原因です。

基礎コンクリートの段差やバリはサンダー等で削らないと断熱材を施工しても不陸があってピタッと密着せず、基礎立上りと断熱材に隙間が発生するため、ここがシロアリの侵入路になる可能性があります。

バリを削り取るか、基礎の立上りを打設する際に断熱材を入れてしまう事が打ち手だと思いますが、面倒なのでそこに拘るよりは基礎の立上りには止水板を設置した方が防蟻が効率的だと思います。

基礎コンクリートのアンカーボルト(優先順位:中)

土台は現場でアンカーボルトの穴を開けてました。という事は加圧注入材が浸透していない部分まで現場で切り欠いている事になります。よって、この切り欠いた部分へ現場で防蟻処理をした方が良いと思います。

ただし、基礎をシロアリが登ってきた際に蟻害される部分であるため、モルタルで基礎を化粧しなければ恐らく加害される事は少ないと思います。

玄関土間と玄関ポーチの接続(優先順位:高)

一条工務店の玄関土間は土で埋め戻す事が基本工法のようです。これ自体は問題はありませんが、玄関土間と玄関ポーチとつなげてしまうと、玄関ドアの下が玄関土間と土でつながっている事になってしまいます。

これは住宅業界全体の問題であり、殆どの家がこの工法で玄関が施工されていますから、現代の住宅ではシロアリ被害と言えば玄関に集中するのはこのためです。ぜひ、一条工務店にはこれを改善する工法を確立して欲しいものです。

玄関土間と玄関ポーチを少し離してしまう事も手ですが、一番簡単なのは玄関ポーチの土間コンクリートを基礎底盤と一体打設してしまいシロアリが地面から侵入する隙間を無くす方法だと思います。この場合は玄関ポーチの一番下は地面に接する部分にモルタルやタイルを施工するとシロアリが侵入する隙間ができるため意味が無くなります。

犬走の縁切り(優先順位:高)

これは外構の絡みになりますが、基礎コンクリートと外構を接続してしまうと、シロアリが地面の上に露出せずに家の基礎コンクリートに到達できてしまいます。ここの化粧モルタルの問題が絡んでくるのです。よって、基礎外周からは外構を最低10センチ程度離して設置する事が重要だと思います。

エコキュートや床暖の室外機の基礎を打設する際の防蟻対策も犬走と同様であり、基礎コンクリートから少し離すか、基礎底盤と一体打設すると良いでしょう。

通気口の防虫網(優先順位:高)

通気層には2mmの穴があるステンレスの防鼠材がついていました。防鼠という観点では良いですが、飛来性害虫対策(カンザイシロアリ、キクイムシ)という観点からはさらに細かい目のものが期待されます。

軒天換気口には網戸の網が設置されておりこれで良いでしょう。また、外壁と軒天井の取り合い部分の隙間にはブチルテープが外壁の天端から折り返すように設置されていました。そして、ハイドロテクトタイルの隙間が大きいコーナー部分の縦方向にはコーキングが施されていました。この対策で良いと思います。

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