エアコン1台全館冷房(除湿)

エアコン全館冷房のメリット

  • カビやダニの発生を抑えられる(押し入れの除湿剤、防虫剤などが不要になる)
  • 室内の空気がきれい(窓を開けないため花粉症やPM2.5対策になる)
  • 家中が快適(トイレの中も暑くない)
  • 冷房病の予防(人から離れた位置にエアコンを付けるため寒くない)
  • 熱帯夜、熱中症の予防(24時間温湿度が安定している)
  • エアコン内部にカビが生えにくい(間欠運転をしているエアコンはカビの発生機になる)
  • お風呂のカビ予防になる(室内の湿度が低いため)
  • 洗濯物が部屋干しで乾く(時間や天気を気にしないで洗濯が可能、バルコニーは不要)
  • 布団を干さなくて良くなる(シーツは交換してください)
  • 掃除が楽になる(窓をあけないためほこりが少ない)
  • 省エネ(エアコンはつけっぱなしでも大した電気代の増加になりません)
  • 建築時のコストカットが可能(エアコンの設置台数削減、網戸やバルコニーは不要)

上記のように同じ一条ハウスであっても、エアコン1台を二階に階段ホール等へ設置するかしないかの差で、180度生活スタイルが変わり、全館冷房を採用すればカビやダニの発生しない健康的で快適な生活が送れるようになります。

また、冬の床暖房の快適さと同様に、夏に熱中症や熱帯夜のない生活を経験するともうそれ以外の生活はできなくなると思います。

全館冷房の何より良い点は家事が楽になることです。家の外に布団や洗濯物を干さなくてよくなりますから、天気や時間を気にせずに家事ができるため、家事に追われる生活から解放されます。

また、エアコン1台全館冷房により、エアコンの設置台数の削減や網戸やバルコニーが不要になるなど、コスト面のメリットも大きいことから建築時の予算が苦しい方はぜひエアコン1台全館冷房を検討してください。

一条工務店のエアコン全館冷房へのスタンス

さらぽか空調を提供している一条工務店からすれば、エアコン1台全館冷房は施主が自己責任で行う保証のできない空調方式となります。

また、設計士さんによっては検討もせずに最初からできないと言う方もいて、そもそも稟議が絡む案件を含めて面倒なことには関わりたくないという設計士さんもいるでしょう。

1階と2階の壁がそろってないとエアコンの配管が回せないとか、私からみるとなんで?と思うことや、代案をださないの?という状態です。こういう不親切な設計士さんはアンケートの評価を下げてあげてください(笑)

さらぽか空調が高額で手が出ないとしても、夏季に家の中の湿度を60%以下に保てなければダニやカビが発生する家になってしまうので、設計士さんも事の重大性を認識して欲しいものです。

施主においても、エアコンの設置場所は1箇所しかないと思い込んでしまい、設計士さんにダメと言われると諦めてしまう方が多いと思いますが、ここが正念場なので他にも設置できる方法がないかよく検討してください。

エアコン1台全館冷房をやりたい方は、まず契約前などの早い段階で一条ハウスでのエアコン1台で全館冷房の事例を営業さんに見せて営業さんを理解者にした上で設計に臨まれてはと思います。

大手ハウスメーカーの設計さんは変わった事をすると後でクレームになると思って嫌がりますから、施主においても「自己責任で結構」と言って押し切らないと全館冷房の実現は難しいかもしれません。

一方で、展示場によっては一条工務店の坪単価上昇やさらぽか空調のオプション設定は客離れにつながると判断しているのか、展示場の外の立て看板に「エアコン1台で家中涼しくなります」と書いてある展示場もあります。

中には私のブログや電子書籍をお客さんに見せている営業マンもいることが分かっており、私のブログや電子書籍は一条工務店の販促ツールとして利用して頂いて結構だと思っています

一条工務店の社内においても、エアコン1台全館冷房を柔軟に受け入れる人とそうでない人が混在している状況のようですし、未だにエアコン1台で全館冷房なんてできる訳がないと思っている社員の方も多いでしょう。

でも、よく考えてください。Q値が1.0Wを切るような住宅を提供しておいて、昔ながらのエアコンのサイズのまま各部屋ごとに冷房を考えるなんてこと自体が何かおかしいと思いませんか?

盛夏のエアコン全館冷房は3プランが想定される

必ずしも1台のエアコンでの全館冷房に拘る必要はありません。ただ、40坪程度までの家であればエアコンの取り付け位置が良く、窓の日射制御ができていれば二階に付けたエアコン1台で一階と二階の両方が冷房できるため機器代金が安く上がります。

室温が低い梅雨については超断熱の一条ハウスでは冷房運転では室内が冷えすぎてしまうため、二階に設置したエアコンに再熱除湿機能が付いていれば快適に全館を除湿することができます。

そして、盛夏は外気温の上昇と共に室温が上昇するため冷房運転を使っても室温が下がりすぎないことから、電気代の高い再熱除湿を利用せずとも冷房運転で快適な状態になります。

以下は全館冷房の方法別に消費電力のイメージを記載しています。私は再熱除湿を全く利用せずに全館冷房をしていますが、梅雨は冷房運転だと多少寒いため再熱除湿の付いたエアコンの設置をお勧めします。

  • 消費電力(高) さらぽか空調 + 二階エアコン冷房除湿
  • 消費電力(中) 二階エアコン冷房除湿 + 一階エアコン再熱除湿
  • 消費電力(低) 二階エアコン冷房除湿 + 一階エアコンは夜間が猛暑日の場合のみ利用

(参考)私が測定した消費電力は以下のような感じでした。

さらぽか空調 400~700W/h+床冷房250W/h
エアコン再熱除湿運転 300~400W/h
エアコン冷房運転 150~250W/h

二階建ての場合、二階のエアコンの設置場所と一階のリビングの距離が近いと上記の梅プランのように二階の小型エアコン1台での全館冷房が可能となりますが、距離が遠いと一階と二階のエアコンの運転が必要になります。

再熱除湿を使えば室内が冷えすぎずに低湿度にできるため非常に快適ですが、冷房した空気を再度加熱するため消費電力が増えますから、贅沢なプランとも言えます。

通常のエアコン設置方法としては、一条工務店の床暖房に標準でついてくるRAYエアコン(現在は再熱機能なし)を一階の補助冷房として設置して、二階に別途再熱除湿機能のついたエアコンを設置してください

ただし、階段ホールには消防法により火災報知器を設置する必要があり、エアコンから1.5m離す必要があります。火災報知器の設置位置については地元の消防署にお問い合わせください。エアコンの風が火災報知器に当たらなければ厳密に1.5mの距離を求められない場合もあります。

間取りとしては吹き抜けがあると全館冷房はやりやすいですが、吹き抜けなしのボックス階段でも全館冷房は可能です。ただし、北側に階段があってリビングが一階の南側の場合、二階に設置したエアコンの冷気が一階のリビングまで届かない場合がありますので、一階にも補助冷房としてエアコンを1台設置することをお勧めします。

エアコン1台での運転に拘る事が目的ではないため、床面積が広い場合やエアコンとリビングが遠い場合などは最初から再熱エアコン2台を設置した運用を考えてください。

実はエアコンを一階と二階に各1台上手に設置すると床暖房を使わないエアコン全館暖房までできてしまうため、床暖房よりも省エネ性能の高いエアコンを利用した電気代の削減を目指すことも可能になります。

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