家は三軒建てないと満足しないの本当のところ

家づくり知識

施主がもっと家作りの勉強をしないと「いい家」は建たない

本日はこれから家を建てる施主にとっては耳の痛い話ですが、一軒目からいい家を建てるためのアドバイスだと思ってご容赦ください。

注文住宅を四軒建てた経験者である私から言えることは、一軒目から満足できる家を建てたいのであれば、ブログやSNSなどに含まれる多くの誤った情報や考慮が足りない情報に惑わされないことです。

「家作り」の前に、ブレずに本質を見極める「自分作り」が必要だと思います。

家は三軒建てないと満足しないの本当の意味

結論から言うと、一軒目の家作りでは間取り作りやインテリアを考えることまでで精一杯で、高気密高断熱住宅の四季の移り変わりまでを考慮した設計方法には気が付けないと思います。

高性能な一条ハウスは小型のエアコン1台で全館冷房が可能ということを知ってビックリしたという人は、やっと高気密高断熱住宅という奥が深い世界の入口に気が付いたという状態でしょう。

さて、世間では家は三軒建てないと満足しないと言われていますが、インターネットが発達した現代では、情報収集が容易であるため、家を三軒建てる必要はないと考える方も多いでしょう。

ただ、先輩施主のブログでは、多くの方が一軒の家しか建てたことがないため、住んでから起きる問題に対して、その家の間取り等の問題なのか、高気密高断熱住宅の特性の問題なのかを切り分けできていない場合が多いです。

日本家屋はこれまで千年以上行われてきた風通しによるカビ対策から、高気密な家の性能を使って家中を除湿するというカビ対策へと移り変わる大きな転換点にありますから、これから家を建てる方は情報を切り分けて読める知識が必要になります。

何千万円もかける一生に一回の家作り。そして色々なカスタマイズができる注文住宅による家作りですから、厳しい言い方をすれば施主には他人に頼らないで、もっと家作りの勉強をする必要があるでしょう。

ただ、多くの方の家作りの準備期間は1年程度だと思います。家庭の事情などからまったく準備期間がなく注文住宅での家作りに突入してしまう方も多いのではないでしょうか。

正直に言うと、そんな短い準備期間で高温多湿な日本で満足のできる家作りができる訳がありませんから、設計士さんのフルサポートを受けながら何とか家を建てているということが実情でしょう。

設計士さんはプロなんだから、もっと画期的な提案をすべきだと考える方もいると思います。ただ、住宅展示場で家を建てる方の大半は安心を求めて契約しているため、最先端の家作りは提案し難い状況にあります。

常識に囚われずに最先端の家を建てたいのであれば、施主が自ら提案するしかないのです。これは家を何回か建てて、家作りに慣れないと理解できない心境なのだと思います。

家は三軒建てないと満足しないと言われる本当の意味は、施主が家作りを何回か経験し、世間の情報に惑わされることなく自分の目で真実を見て確かめ、自ら最先端の家作りを提案できる状態になるまでに必要な準備期間なのだと私は思います。

昔ながらの家作りが蔓延している

住宅展示場や住まいの資料一括請求などで得られる情報は、風通しを重視した古い日本家屋の間取りである場合、そのまま採用したら温湿度変化に対する考慮が不十分で空調管理ができない家になってしまいます。

また、住まいの専門家が省エネやエアコンの使い方などを解説しているサイトがありますが、引用している基準が何十年も前のものばかりで、まさにカビの生えた情報が蔓延しているのがインターネットの世界です。

施主のブログなどの家作りの情報は間取り作りとインテリアまでが殆どです。梅雨から秋までの湿度の高い期間においても、室内が暑ければ窓を開けてしまうため、湿度のコントロールをしていない方が多数です。

また、地価の高い地域では「家は、性能。」の一条工務店の社員ですら、持ち家比率が低くて実際に高気密高断熱住宅に住んでいるという社員さんは少なく、お客様の声でしか高気密高断熱住宅の事を知りません。

最先端の高気密高断熱住宅の情報かどうかを見極める際に簡単な指標は、「網戸が必要」と書いてあれば古い家作りです。網戸はあっても良いのですが、網戸がないと室温調整ができない家は春から熱帯夜になります。

高気密高断熱住宅は熱が保温されることはご存知だと思いますが、窓から入る日射熱には無頓着な方が多く、根本的な窓の日射制御をせずに、窓を開けて簡易的に室温調整するために網戸を付ける方が大半です。

「網戸は必須」と感じている方はなぜ必須なのか根本的な理由や対処方法を考えないで説明している場合が多いと感じます。高気密高断熱住宅の春~秋にかけての挙動はまだまだ世間の認知度が低いのでしょう。

冬を過ぎると窓の日射制御をしていない高気密高断熱住宅では、外出して窓を閉めている昼間の間に日射熱が室内に溜め込まれてしまい、帰宅後に窓を開けても室温が下がらず熱帯夜になってしまいます。

梅雨以降については、外気の相対湿度が80%程度まで上がるため、窓を開けても室内はカビやダニが発生する相対湿度である60%以上に当然なってしまいます。窓を閉めて除湿をすることが新しい設計方法です。

つまり、これまでの日本家屋で用いられて来た、日除けのない大きな窓を設置して、室温は窓を開けてコントロールするという方法を止めれば高気密高断熱住宅では温度と湿度がコントロールできるようになるのです。

他にも高気密高断熱住宅でエアコンを使うとすぐ冷えるとか冷房病になるから設定温度を27℃にしていると書いてある場合も同様で、エアコンが家全体でなく個室ごとに計画されている古い設計であると言えます。

同じ一条施主においても、冬の床暖房による快適さのみを考えいる方が多く、春~秋にかけては、窓の日射制御と全館冷房による除湿をするという選択肢がまだ知られていないのだと思います。

ブログやSNSの発達

施主のコミュニティが活発な一条工務店においては、ブログから主戦場がインスタグラムに移ったとも言われていますが、インスタグラムは画像が中心であることから感情の量が多い世界であるとも言えます。

ブログやSNSなどが普及して消費者が情報を発信しやすくなったため企業の消費者重視が高まっている現代の風潮は良い面もありますが、逆にたくさんのクレーマーを生み出したとも言われています。

日本特有の「お客様は神様」、「おもてなし」という消費者重視の観点は企業における接客の過剰なサービスやマニュアル化を促すとともに、消費者側の「やってもらって当たり前」という感覚を招くことでしょう。

問題が起きた際に考えれば当たり前のことであっても消費者によっては「説明を受けてない」と自分で深く考えずに思ってしまい、消費者が思考停止しやすくなっていることも不満の発生原因だと思います。

企業が消費者を軽視したブラック企業化することはあってはならないですが、消費者が過剰なまでに説明を求める家作りのホワイト化は施主の家作りや住み方について学び考える機会を奪っていくでしょう。

一条施主にはブログやSNSなどで他のハウスメーカーに類を見ない大きなコミュニティがありますが、私は一部の不具合を切り出して施主の不安を煽るような場にはなって欲しくないと思っています。

建築初年度や特定の季節の現象や不具合を切り出して高気密高断熱住宅を分析するのは早計です。特にカビ発生については室内に影響のないものまで持ち込んでいる情報が多く見受けられます。

ブログやSNSの情報は非常にインパクトはありますが、深い考察がなされていない情報が大半です。そして、その時点の状況だけで判断せずに、家の経年変化や四季の移り変わりを理解する必要があります。

施主が分からないと言えば、「わからなくて当然」、「ハウスメーカーの説明不足」として慰め合うコミュニティの存在は非常に危険で、施主達の家作りに対する学びの機会を奪い、不安と不満を増大させていくでしょう。

私は高気密高断熱住宅の注文住宅を建てるということ自体が施主に大きな覚悟を求める人生のイベントだと思っています。家作りの不安は施主自身が学ぶことでしか解消はできないでしょう。

厳しく言えば、ブログやSNSの情報に惑わされずに、情報を切り分け、自分の考えをしっかり持つことが一軒目から満足のできる家を建てるために必要なことなのではないかと私は思います。

また、注文住宅というものは難易度の高い建築ですからトラブルは必ず発生すると思って、通常と異なる難しい施工をリクエストした部分については、二段構え三段構えの設計をしておいて、不測の自体に備えるべきでしょう。

多くの方にとって一生に一度の何千万円もかける家作りですから、ハウスメーカーに丸投げしてお任せするほどリスクの高いものはありません。

もちろん、ハウスメーカー側にもしっかりと説明とサポートはしてもらいたいものですが、注文住宅ですからある程度の認識相違が起きることを折り込んで、施主は事前に家作りの勉強をしておいた方が良いでしょう。

私のブログについて

ブログやSNSに惑わされるなと書いている私ですが、では自分のブログの立ち位置はどうかと言うと、ブログの内容は施主に厳しい内容になっています。それは施主同士の支え方にも種類があると思うからです。

インターネットの住宅情報の多くは流言飛語や四季の移り変わりを考慮していない情報であって、そのような情報にこれから家を建てる人が惑わされないように、私のブログでは警鐘を鳴らしているつもりです。

そして、私は現在44歳ですが、この歳で注文住宅を四軒(内、三軒は高気密住宅)建てた人間はまず日本ではいないのではないかと思います。そんな特殊な経験をした自分は日本のために何ができるのかと考えました。

通常は施主側に寄り添った内容の方がブログのファンが増えるとか、共感が生まれると考えるかもしれませんが、私のブログは施主にいい家を建てるための学びや自覚を求める内容が多いと思います。

施主同士が慰め合うことだけが一条工務店のコニュニティではないと思います。後輩施主にいい家を建てて欲しと思うからこそ、これまでの一条施主達の定説を覆してしまうほどの厳しい内容になっています。

私がブログを書いている目的は日本の家から夏季の熱中症と熱帯夜や冷房病、冬季のヒートショックを無くすことや、カビやダニの発生を撲滅するなど、真の健康住宅を普及することにあります。

日本の家作りはレベルが低くて、未だに気密測定すらしないハウスメーカーが大半で、他にもダニの発生を抑制できない風通しを推奨する健康住宅と言われる家作りが好感を持たれるなど、無茶苦茶な状態です。

私が三軒目の家に一条工務店を選んだ理由は、販売棟数が多いという事と大手ハウスメーカーの中で気密測定をする高気密高断熱住宅を建てていて、日本全国で高性能な家を量産しているという点です。

ただ、自分だけのことを考えれば、設計事務所や地場工務店でもっと安く高気密高断熱住宅を建てていたでしょう。でも、二軒目の時に地場工務店で家を建てたあとに、達成感と共に何か虚しさを覚えたのです。

二軒目を建てる際に物凄く勉強して実際にいい家ができました。でも、当時のブログでエアコン1台での全館冷房の情報を公開しても、見る人が少なすぎて、これでは日本の家作りは変わらないと思ったのです。

つまり、三軒目の家で一条工務店の施主になった理由は、自分との相性の良さと共に、その大きなコミュニティを通じて日本中に比較的コストを抑えた形で、本当の健康住宅を普及したいという想いからなのです。

そのために、エアコン1台での全館冷房のノウハウやQ値計算などを、ブログなどで提供している次第であり、言わば在宅で行っているボランティア活動みたいなものです。

現在、一条工務店は販売棟数が躍進していて、業界では妬まれている状態ですが、さらにエアコン1台全館冷房が施主達の間で普及していきますから、他のハウスメーカーはもう太刀打ちできないと思っています。

そして、私の四軒目の家においては一条工務店の課題(?)であったお洒落面とオプションの選択方法について抜本的な対策をしようと、相当なオプションを採用すると共に社外品を多数取り付けています。

これは私が三軒目の家を一条工務店で建て、ブログで色々とノウハウを公開しても、「家は、性能。」の一条施主ですら、技術的な話にはあまり興味がないという衝撃の事実を知ったからでした。

ただ、郷に入っては郷に従えということで、四軒目の家はお洒落にこだわってみました。きっとお洒落をきっかけに本当の健康住宅について興味を持ってもらえる人が増えるのではないかと期待しています。

もし将来、私の行った活動が日本の家作りに影響を及ぼし、住宅が原因で起こる病気を大きく減らすことができたら、多額のローンを組んだ甲斐があるというものです。

多くの方にとって家作りは一生に一度のチャレンジです。悔いが残らないように人に頼らずに、やり切ったと思えるほどに熱中してみてください。もし、その時に私のブログが皆さんの傍にあって何かの役に立つことができたのであれば幸いです。

本日は以上でございます。

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