エアコン1台全館冷房 成功者からの声

全館冷房

成功した方の声を紹介します

エアコン1台による全館冷房が成功した施主からコメントを複数頂いております。

「梅雨でも洗濯物が部屋干しでよく乾く」、「ベランダは必要なかった」、「今なら網戸は必要ないと断言できる」、「梅雨は冷房23℃設定は寒い」等の共通したご意見が多いです。

湿度管理においてはエアコンによる全館冷房の効果はさらぽか空調とほぼ同じですから、さらぽか空調を採用した方も同じことを感じているでしょう。

ただ、高気密高断熱住宅は窓の日射制御に注意しないと春から室温が上昇してしまうことと、梅雨は逆に室温が低く高湿度になるためエアコンには再熱除湿機能があると良いでしょう。

上記の画像は寒冷地に建つi-smartⅡの温湿度であることから室温が少し低いですが、このようにエアコンから離れたリビングなどの相対湿度が60%を切っていれば全館冷房は成功です。

室温についてはお好みですが私は健康と省エネ面から夏はリビングの室温27℃湿度60%程度で生活していますが、一条施主はもう少し室温を下げて快適性を追う方が多いようです。

私から加えて言わせて頂ければ、湿度管理をすれば浴室の乾燥機や換気扇は使わなくなり、洗濯の頻度にもよりますが部屋干しスペースが広ければ洗濯機の乾燥機能は無くても良いと思います。

そして、成功者の声と共にここが分からなかったのかと私が感じた部分を補足しておきます。

エアコン1台全館冷房の目的は除湿

(出典:エステー株式会社

一条施主の間でもじわじわと浸透してきている夏場の湿度管理。さらぽか空調を採用するかエアコンによる全館冷房を行うことで室内を除湿して低湿度に保つことができます。

湿度を管理すればタンスの防虫剤や下駄箱の除湿剤も必要なくなりますから防虫防カビ剤の経費削減と共に薬剤もなにも使わずに防虫防カビが出来るためこれこそ本当の健康住宅だと言えます。

健康住宅として最も大事なことはダニアレルギーを予防することであり、シックハウス症候群の大半がこのダニアレルギーと言われていますが、ダニは湿度が低いと生きられないのです。

日本の生活習慣である天日干しや窓を開けた風通しと、私が述べている室内の除湿は、目的は同じ衣類害虫やダニやカビの発生の予防であって手段の違いでしかないのです。

そして、天日干しにおいては洗濯物はともかく、昔のようにタタミを干すなんてことをやる人は今はいないでしょうし、ベッドを干している家は見たことがないです。

乾燥していない空気による風通しは効果が低いことと、天日干しは重労働であり天気に左右されるため、簡単に確実に効果を出したいのであれば家中を除湿する方法が良いでしょう。

まだまだ理解されていないエアコン1台全館冷房

戸建て住宅をまるごと低コストに湿度管理することは最先端の技術であり、まだまだ誤解が多く目的や必要性を理解されている方は少ないのではないでしょうか。

まず、エアコンを間欠運転した場合と24時間連続運転した場合のどちらがお得かという話ではなくて、あくまでカビやダニの撲滅のために除湿を24時間実施しているということです。

結果的に気密高断熱住宅の特性を使えば小型のエアコンによる少ない冷房エネルギーで家中を涼しくできることから、電気代はエアコンを間欠運転した場合とそんなに変わりません。

エアコンを二階の階段ホールに設置するなんてクレイジーだと思う営業さんや設計士さんもいます。しかも、設置するエアコンが6畳用とか8畳用なので難色を示す場合があるようです。

一条工務店の社員であっても高気密高断熱住宅に住んでない人が大半ですから、施主から聞いた話を中心に高気密高断熱住宅を理解している社員さんがほとんどです。

小型のエアコン1台で家が冷えるのかという事を心配されると思いますが、それは論点がずれていて、私は2階の1台のエアコンで家中の除湿が行えれば良いと思っています。

2階のエアコンはまずは除湿機だと思ってください。おまけで冷房がされるという感覚であり、結果的には猛暑日が連発しない限りは2階のエアコン1台で家中が涼しくなってしまうだけです。

通常は1階のリビングにもエアコンが1台あると思いますから、暑ければ必要に応じて利用してください。そして、2階のエアコンは除湿機ですから運転方法が少し通常と異なるのです。

24時間空調をするなんて電気代が勿体ないと考えると思いますが、バルコニーや網戸を設置しない、エアコンを一家に2台しか設置しないとすれば逆に24時間空調はコストカットに繋がります。

エアコンはQ値が10W程度の無暖房住宅を基準に能力を畳数で簡易表示していますが、単純にQ値1.0W以下の一条ハウスでは6畳用と表示されているエアコンは60畳用になります。

延床30坪の一条ハウスにおいて間仕切りがなければ6畳用のエアコン1台で冷暖房ができることは理解できると思いますが実際の家には間仕切りがあるため空気を移動させる方法が必要です。

実はこの方法は誰もが知っていて、冷たい空気は下降し暖かい空気は上昇するということなのですが、これを実際にどう利用するのか分からないというだけなのです。

一方で設計士さん中にはエアコンのサーモオフについても理解している人もいてエアコン1台での全館冷房に理解を示してくれる方もいますが、きっと社外の情報にも目を向けているのでしょう。

一条工務店の外の世界に目を向ければ、高気密高断熱住宅が得意な設計事務所などではエアコン1台全館冷房はここ数年でもう当たり前になってきています。

インターネットで「エアコン1台 全館冷房」等で画像検索してみると事例が沢山出てきますが、最近は、私がエアコン全館冷房を紹介したこともあって一条施主の事例が増えています。

ただ、単純にエアコンを24時間運転しているだけあったり、エアコンの設定温度が27℃以上と高い運転方法は私の述べている除湿をメインとした全館冷房とは異なるものです。

最初はエアコンの設定に戸惑う方もいます

上記はエアコンの吹き出し口に設置したみはりん坊Wですが、除湿によって絶対湿度が10グラムという非常に乾燥した空気がエアコンから出ていることが分かります。

エアコン全館冷房は慣れると操作は簡単なのですが、成功への一番の近道はみはりん坊Wという絶対湿度が測定できる温湿度計を最低2個購入することです。

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エー・アンド・デイ(A&D)

簡単にいうと、エアコン吹き出し口に設置したみはりん坊Wの絶対湿度が12グラム以下になっていて、リビングなどの相対湿度が60%以下なら全館冷房は完成です。

まず、エアコンを24時間連続運転するにはエアコンの冷気が人に直撃しない場所にエアコンが設置されていなければ難しいでしょう。

設計時点で全館冷房を考慮していなかった方が全館冷房を行おうとすると、エアコンのある部屋を空き部屋(部屋干しスペース)に変えるなどの対策が必要になるかもしれません。

そして、冷気を上昇させることは難しいため、二階建ての家であれば必然的に二階の階段ホールや吹き抜けに面した廊下に全館冷房用のエアコンを設置することになります。

さらぽか空調を設置する予算はないが、見よう見まねで再熱除湿の付いたエアコンを二階の階段ホールに設置してみたという方がいますが、エアコンの運転方法が最初は分からないようです。

エアコンの設定が決まらないという人は基準をもって設定を詰めていきましょう。考え方に軸が持てなくて当てずっぽうで設定を変えてしまうと全館冷房の迷子になってしまうでしょう。

相対湿度と絶対湿度

エアコンでの全館冷房を成功させるには絶対湿度というものを理解する必要があるでしょう。

湿度には相対湿度と絶対湿度の2つがあり、一般的な湿度計の場合は%で表す相対湿度しか計測できませんが、みはりん坊Wは相対湿度と絶対湿度(容積絶対湿度g/m3)の両方が測定可能です。

細かく言うと絶対湿度にも2種類あって1m3の空気の中の水蒸気量を表す容積絶対湿度(単位g/m3)と乾燥空気1kgの中の水蒸気量を表す重量絶対湿度(単位g/kg)があります。

みはりん坊Wの表示は容積絶対湿度で、空調の世界で通常使われる重量絶対湿度とは単位が違うのですが、ここは深く考えずにみはりん坊Wの容積絶対湿度をご利用頂ければ結構です。

相対湿度は空気が含むことができる水蒸気量を100%とすると現在何%含んでいるかという意味ですが、空気が含むことができる水蒸気量は温度で変化するため基準として使いにくいのです。

一方、絶対湿度は空気の温度が変わっても変化しないため、エアコンから吹き出される空気に含まれる水蒸気の量を把握して除湿の状況を理解するための基準として非常に便利なのです。

そういった意味で絶対湿度を測れるみはりん坊Wは2000円前後とお手頃価格であり、測定精度も高く、高気密高断熱住宅をコントロールするには画期的なアイテムなのです。

みはりん坊Wの設置方法

私は針金でみはりん坊Wを引っ掛けてエアコンの吹き出し口に設置しています。みはりん坊Wは裏面のスイッチを一番左側の乾燥指数モードにすることで絶対湿度が表示されます。

 

あまり好ましくない設置方法としては以下のようなみはりん坊W付属のストラップを使ってエアコン吹き出し口から離れてみはりん坊Wが設置されている事例です。

上記のような場合、室内の空気の温湿度が測定されてしまい、エアコン内部の温湿度の状態を知るには、吹き出し口近くのエアコンの風がしっかり当たる場所にみはりん坊Wを設置してください。

エアコンの機種によりますが、以下のようにテープでみはりん坊Wを張り付けている方も見受けられます。風向きを上下するフラップと干渉しなのであれば良いでしょう。

エアコンの設定方法の探り方

私は全館冷房を成功させる近道として「冷房運転23℃、風量最小、風向き下」と言い続けています。この状態を基準として設定温度だけを上げ下げするだけで基本的に成功するからです。

この設定でエアコン吹き出し口のみはりん坊Wが12グラムを切っていれば、全館冷房は成功しますが、ダイキンのデシクル制御のエアコンは熱交換器の温度が下がらないため難しいでしょう。

恐らく冷房運転の23℃設定では盛夏以外では室内が若干寒くなると思いますので、その場合は設定温度を24℃~25℃に変えてみてください。

一般的なエアコンの設定温度は27~28℃だと思いますが、23℃設定だと冷えるぎると思うのは間違いで風量を絞っているため室温を下げずに除湿量を増やそうとしているのです。

この部分の理解が難しいようですが、家庭用のエアコンは温度と湿度を同時に下げる機械であるため、風量を絞れば除湿が増えて室温が上がり、風量を上げると除湿量が減って室温がさがります。

エアコンの設定基準は人が滞在するリビングが快適になるかどうかです。リビングの相対湿度が60%以下であれば温度はお好みで結構です。

エアコンは設定温度が室温に到達すればコンプレッサーが停止して除湿をせず(サーモオフ)送風状態になるため湿度管理を目的とする全館冷房では室温に近い27℃設定はないと思います。

除湿を担うエアコンは設定温度を下げないと除湿量が稼げません。除湿を主目的とした全館冷房においてはエアコン複数台運転で全台のエアコンを27℃設定で運転することはありません。

また、エアコンは必ず24時間運転します。エアコンを運転していない時間は湿度上昇は当然ながら、建物が蓄熱するためエアコンを動かしても室温がすぐに下がらない状態になるからです。

冷房運転では室温が下がりサーモオフにより除湿ができない場合は窓のハニカムシェードやカーテンを開けて日射熱を入れるか再熱除湿または除湿機を使ってください。

天気の悪い梅雨は日射熱が得られないため再熱除湿機能が便利ですが、再熱除湿はメーカーごとに動き方が違うので私も自宅のエアコンしか把握しきれてません。

また、今年のような極端に日照が少ない梅雨は再熱除湿でも室温低下が免れないと思いますから、その場合は除湿機を使うことになると思いますが、今年は特に運用が難しい年だと思って下さい。

風量最小の意味はエアコンの熱交換器を冷やして除湿量を増加させるためであり、エアコンを通過する室内の暖かい空気が多いと熱交換器が温まってしまうため除湿量が減ってしまいます。

風向き下に関してはエアコン周辺を冷やさないための措置であり、エアコンは設定温度に到達すればサーモオフとなってコンプレッサーが運転を停止する単純な機械であるからです。

吹抜けなどにエアコンを設置した場合、エアコンの周囲が大きく開放されていて暖かい室内の空気がエアコンの周囲に供給され続けるのであれば、風向きは気にしなくて結構です。

エアコン全館冷房は廉価な家庭用の壁掛けエアコンを利用するため壁掛けエアコンの挙動を知る必要がありますが、これは難しく考えてしまうと難しいのですが簡単だと気が付くと簡単なのです。

我が家の浴室はカラカラ

これはオマケ画像ですが、浴室においてある一条工務店から入居時に頂いた温湿度計です。

この温湿度計は湿度の測定誤差が大きくて相対湿度ではリビングのみはりん坊Wが52%、浴室は40%程度であるため、この湿度計の相対湿度が60%の場合は実際は70%なのかも知れません。

そんなこともあって、あまり一条工務店からもらった温湿度計は湿度があてにならないため、みはりん坊Wがお勧めです。

さて、通常はカビの発生が気になる浴室では入浴後にオプションで付けた浴室乾燥機を使ったり、浴室換気扇を回すと思います。

ただ、浴室乾燥機は消費電力が大きいです。また、浴室換気扇を回すとその分、家の隙間から湿度の高い外気が室内に入ってくるため家全体で考えると浴室換気扇は回さない方が良いです。

ではどうやって浴室を乾燥させるかというと、家中の湿度が低い家では浴室の入り口に扇風機やサーキュレーターを置いて運転し空気を動かすだけで浴室はカラカラに乾燥します。

これは洗濯物に風を当てると乾きやすい理由と同じで洗濯物表面の高湿度な空気を動かすためであり、洗濯物を乾燥させるには入れ替えとなる周囲の空気が乾燥している必要があります。

我が家はお風呂を上がる際には簡単に水切りワイパーで浴室の壁などの水を切るぐらいで、おふろの防カビくん煙剤等はつかったことがありません。

水切りワイパーは行わなくても良いのですが、室内で水を蒸発させると結局エアコンが除湿しないといけなくなるため水は排水口から排水した方が省エネなので水切りは簡単にやっています。

私の四軒目の家は平屋ということもありエアコンの風が浴室に回り込む間取りにしてあるためサーキュレーターで浴室に風を送らなくてもしっかり乾燥してくれます。

最後に

一条施主の間で見よう見まねでエアコン1台全館冷房が広がっていますが、不安な方はさらぽか空調の採用をお勧めします。

ただ、予算的に苦しいためエアコン1台で全館冷房するぞという方は少し頑張る必要があり、設計士さんの中には理解を示さない方もいますから、押し通す気持ちと少しの勉強が重要でしょう。

そして、エアコン1台での全館冷房に成功された方々には、設計士さんの冷ややかな目の中、二階の階段ホール等に小型のエアコンを設置したという勇気に敬意を表したいと思います。

常識的には二階の廊下にエアコンを設置するなど考えられないことで、しかもエアコンは小型です。エアコン設置業者さんの中にも大丈夫なのかと驚かれる方もいるようです。

私は既に三軒の高気密高断熱住宅において小型エアコン1台での全館冷房を実現していますから、はっきりと理論が見えていますが、常識に捉われなければすごく単純な理論なのです。

これからの高気密高断熱住宅では湿度管理が最重要ポイントだと思いますので、さらぽか空調でもエアコン1台全館冷房でも良いので、ぜひ湿度管理を取り入れることをお勧めします。

全館床暖房は贅沢かという議論については一条施主はその必要性を体感されて贅沢ではないという意見で一致すると思いますが、今後は湿度管理が贅沢なのかというステージに移るでしょう。

エアコン1台全館冷房に興味がある方は以下の記事をご覧ください。

エアコン1台全館冷房(除湿)
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本日は以上でございます。

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