一条工務店の施主が小屋裏エアコンについて解説します

考察
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はじめに

天井で断熱をしている一条工務店の施主が小屋裏にエアコンを設置する話を解説するなんておかしいではないかと思われるでしょう。それもそのはずで本日は私の過去の家作りでの失敗談です。

本日の記事はマニアックなのでどれだけ需要があるのかわかりませんが、一条工務店では断熱ラインの違いから絶対に実現できない小屋裏エアコンについて興味がない方はスルーしてください。

小屋裏とは一般的には屋根裏と言われる二階の天井の上の空間を指します。その小屋裏に設置した1台のエアコンで家中を涼しくする方式が小屋裏エアコンとなります。

さて、冬は床下に設置したエアコン1台で全館暖房ができるスーパー工務店ですら実現が難しいと言われる夏の小屋裏エアコンについては、家作りのラスボスと言っても良いでしょう。

ただ、10年前の話になりますが私は二軒目に建てた高気密高断熱住宅において素人ながら小屋裏エアコンを試行錯誤の末に実現してしまったのです。

私の一軒目の家は低気密低断熱で夏は帰宅して階段を登ると二階が暑くて仕方がないような家であったので、二軒目の家で初めて全館冷房が成功した時はあまりの快適さにビックリしました。

例えると、冬に一条工務店の床暖房の家に帰宅して玄関を開けるとホワーンとした暖かさで感動すると思いますが、全館冷房も同様に帰宅して玄関を開けるとサラサラ感に包まれて感動します。

エアコン1台での全館冷房とはただ室温が涼しければ良いという事ではなくて、家中の除湿が24時間しっかりできていて相対湿度60%以下のカビやダニが発生しない状態を指します。

ちなみに、私はエアコン1台で全館冷房ができるにも関わらず、三軒目の一条工務店の家ではダイキンのデシカの技術を応用したともいわれるさらぽか空調を興味本位で採用しました。

i-seriesのみにオプション設定がある、さらぽか空調は盛夏でも相対湿度を40%台まで落とせて滅茶苦茶快適ですが、初期費用とデシカント換気の電気代が少し高いところが悩ましいですね。

なお、四軒目のセカンドハウスとなるi-smartでは、さらぽか空調は自宅のi-cubeで十分に体験したので、コストを抑えるためにさらぽか空調は採用せずにエアコン1台での全館冷房にしました。

失敗の数々

本日は小屋裏エアコンがどれだけ難しいかを知って頂くために、恥を忍んで私の二軒目の家での失敗の数々をお見せいたします。

小屋裏エアコンが難しい理由は、狭い小屋裏でエアコンをサーモオフさせない工夫とエアコンの冷気を一階と二階の居住空間まで届ける経路を確保した間取りを作る必要があるからです。

私が依頼した設計事務所と工務店さんが小屋裏エアコンをやったことが無かったので、私の自己責任でやるという事で話を進めたため、失敗したリカバリーも自前でやりました。

しかも、若かりし当時の私はエアコンの予備穴を各部屋に設置せずに、無謀にもド素人が小屋裏エアコンに挑んだので、小屋裏エアコンを成功させるしか道がなかったのです。

まず、最初はエアコンの運転が下手であったため、小屋裏のエアコンのサーモオフが収まらず、再熱エアコンに交換しましたが、エアコンの運転方法が分かってからは再熱を使わなくなりました。

つまり、エアコンを交換しなくて良かったのです。。

ただ、これは省エネのために梅雨に室内が肌寒くても窓から日射熱を入れて再熱を使わずに冷房運転だけで全館冷房をしていたためで、住み心地の面からお勧めできるものではありません。

そして、各部屋に小屋裏エアコンから冷気をダクトで送風するファンの風量が小さすぎて、大風量のシロッコファンを小屋裏に自分で設置するために電気工事士の資格を取る羽目になりました。

こちらが私が狭い空間の中で設置した300m3/hのシロッコファンであり、ファンの音がうるさかったので、後から銀色のグラスウールの消音ダクトに交換したり試行錯誤を繰り返しました。

 

そして、失敗して余った部材を捨てる前に撮影したものがこちらです。

しかも、これはが全部ではなくて、半分ぐらいなのです。。小屋裏と床下からどうやって居室側に冷暖房を供給するのか悩みに悩みましたね。

何度も狭い床下と小屋裏をほふく前進して色々なものを設置しましたが、入居したての頃は空気が家の中をどのような法則で動くのかをイメージできていなかったため打つ手が的外れでした。

Q値や冷房負荷などの数値の計算ができても、家の中で空気がどのように動くかを理解ができていないと空調がうまく行かないなんて、家を建てる前は想像も出来ませんでした。

家作りのポイント

私の二軒目の家は付加断熱でQ値1.0W程度と10年前にしては断熱を頑張ったと思います。ただ、全館冷房をするためにそこまでの断熱性能は必要ありません。

C値については低い程に換気がしっかりできて良いですが、0.7以下であれば強風時に隙間風が吹き込まないことが分かっていますから、極端に低くても家の冷暖房費に対する影響は少ないです。

断熱の基本は壁の断熱の倍は屋根の断熱をするということです。6月の夏至から秋にかけて太陽高度は80度とほぼ真上から太陽光が降り注ぐため屋根の断熱は重要です。

断熱にお金がかけられない方は屋根と壁の色をなるべく濃い色から白系にして外皮に熱を蓄えないようにすることと、南側の窓には日射遮蔽を行い、東西北の窓は小さくした方が良いでしょう。

そして、小屋裏エアコンでの全館冷房については、大風量のファンで空気を循環させるのか、温度差を作って対流で空気を循環させるのか、もしくはその組み合わせかの理解が重要です。

換気扇の種類を理解する

私は最初に取り組んだ小屋裏エアコンは大風量のファンによる機械式の空気循環で、まずは換気扇の種類を知る必要がありますが、換気扇には大きくわけて2種類あります。

タイプ 主な用途 評価
シロッコファン キッチン、浴室 静圧が強い。ダクトに接続する場合に利用。
プロペラファン トイレや居室などの排気 静圧が弱い。ダクトに接続してはダメ。

換気扇のカタログには一時間当たりの風量が記載されていますが、換気扇には空気を押し出す力が強いシロッコファンと空気を押し出す力が弱いプロペラファンがあります。

私がしばしばご紹介するエアパスファンはプロペラファンであるため、ダクトパイプに接続しても空回りして全然空気は移動しませんが設置スペースが小さくコンパクトな点が長所です。

一方、ダクトに接続するにはシロッコファンと言われる、キッチンのレンジフードなどに使われる強烈に空気を遠くまで送り出せるファンを利用する必要があります。

使った事はないですが、カウンターアローファンというダクトの中継として入れることができて、送風方向を変えられる静圧が強いプロペラファンが二段式になったものもあります。

私の小屋裏エアコンの構成

私の二軒目の家は屋根断熱で基礎断熱でした。つまり、小屋裏と床下が室内扱いであるため空気の量でいうと天井断熱・床断熱の家の1.2倍程度多い計算になります。

屋根断熱+基礎断熱の場合、小屋裏や床下は室内であるため収納空間としては重宝しますが、空気の量(気積)が増えるため、冷暖房費は増えます。

二軒目の家の小屋裏部屋は固定階段で登れて室内と同じで壁紙を貼りフローリング仕上げにしましたが、全館冷房の期間は寒くて居住はできない空調室という状態でした。

ご存じの通り、小屋裏は下の階の半分の床面積まで収納として設置することが可能で、天井高さは1.4mまでです。役所の完了検査後に二期工事と称して天井を外す悪い人もいますが。。

小屋裏部屋とは壁で間仕切られた空間に1種熱交換換気扇が設置されていて、計画換気の給気はまず小屋裏部屋に給気されて小屋裏エアコンで空調されてから居室に給気していました。

自分で設置した300m3/hのシロッコファンからのダクトをチャンバーで分配して、ダクトで二階の各部屋と小屋裏から床下まで通した塩ビ管で床下に給気していました。

つまり、一階は床下エアコンではなく、床下に小屋裏エアコンから送風する方式でした。私の家作りで悔いが残っている点は床下エアコンをスペースの問題で実現出来なかったことです。

さらに冬は二階の廊下の冷気が一階に降りて寒さを招くため、100m3/hのシロッコファンを小屋裏の空調室から二階の廊下に送風する形で追加設置したことで全館暖房が快適になりました。

結局、計画換気量の4倍程度の空気を循環させることで、ようやく小屋裏エアコンは成功しましたが、ファンだけの力で家中を快適にするにはコストがかかるということです。

そして、あるとき各部屋と床下に送風するシロッコファンを止めて空調室のドアをあけて放置しておいたところ、なんと一階まで涼しくなっていたのです。

つまり、エアコンから発生した冷気は小屋裏から固定階段を下って床を這うように一階まで降りていて、代わりに階段の天井付近を各部屋の暖かい空気が通過して小屋裏に向かっていたのです。

この時、私は機械式のファンが無くても小屋裏エアコンが出来る事に気が付いてしまったのです。そして、空気を温度差で動かすには階段のような大きな開口が必要だということが分かりました。

吹抜けや階段などの大開口が小屋裏に接続されていれば「暖かい空気は上昇して、冷たい空気は下降する」対流現象が起きるという、エアコン全館冷房の原理に気が付いた瞬間でした。

上下階の間の大開口を巨大なダクトとしてみれば空気が温度差による対流によって大きく動くという発想ができたと思いますが、これを設計前に素人が思いつくのは無理があると思います。

小屋裏エアコンを成功させるには

まず、小屋裏部屋のエアコンをサーモオフさせないことが重要です。温度センサーをワイヤードリモコンで分離するか、エアコンに暖かい空気を供給し続けるかのいずれかでしょう。

私はワイヤードリモコンは使わない壁掛けの再熱エアコンを使ってましたが運転に慣れてからは少し寒いですが再熱を使わずに冷房運転だけで梅雨は窓から日射熱を取りながら運転していました。

二重窓にしていたため窓の間に日射遮蔽のスダレを設置していましたが、梅雨はスダレをとって日射を入れるという運用をしていました。再熱運転の代わりに日射熱で室温を上げていたのです。

そして、空調室は狭い空間でエアコンを連続運転することから室温が低いため壁内結露を心配するのであれば防湿シートを施工した方が良いと思います。

今からもう一度、小屋裏エアコンを低コストで設計するとすれば、まず小屋裏から二階の部屋への冷気を送るにはダクトを使わずに二階の天井にエアパスファンを設置すると思います。

ただ、通常の軸組工法は二階の梁の上に合板を設置しないため二階の内壁の上端が塞がれていない箇所があることから内壁の上端から内壁の中に冷気が落ちないようにする工夫が必要でしょう。

エアパスファンは空気を押し込む力が強くないですが、冷たい空気は落下するため、弱いファンでも機能すると思います。弱いファンの力+自然落下の組み合わせと言えるでしょう。

一階のリビングを涼しくする方法として固定階段経由で冷気を落とした場合、小屋裏から一階リビングまでの距離が長い間取りのケースでは一階リビングが十分に涼しくならないでしょう。

二階に吹抜けがあれば、吹抜けの天井をあけて(大開口のガラリなどを設置)小屋裏部屋と接続して、そこから一階リビングまで冷気を落とす方法も考えられます。

ただ、この場合は家の中の熱が上昇して小屋裏に入ってくる開口とエアコンからの空気を落下させる開口は分けて設置した方が空気の対流による循環が良くなるでしょう。

それが出来ない時は、小屋裏部屋から一階の天井までダクトを通して大風量のシロッコファンで送風する方法が良いと思います。

このように小屋裏エアコンの実現には間取りの制約を相当に受けるため、小屋裏エアコンに精通した設計者でなければ希望の間取り+小屋裏エアコンの実現は難しいと思います。

また、私が行った小屋裏から大風量ファンで床下まで給気して冷気を床ガラリから噴き上げる方式は一階の床が転ばし根太ではなく剛床にして床下の気密を取らないと難しいでしょう。

小屋裏で空調した空気を床下まで塩ビ管を通して送って、さらに床下の基礎コンクリート底盤の地熱で空気を冷やしてから床ガラリから噴き上げる構想は風量が足りず成功しませんでした。

もし、夏に床下の冷たい地熱を使いたいなら基礎のスラブにシロッコファンを転がすように寝かして設置して冷気を吸い上げないと床下の地熱による冷気は持ち上がらないと思います。

本当に冷たい空気は重くて頑固というか、コンビニなどのアイスの売り場を見るとわかりますが、冷蔵庫の上蓋がなくてもアイスが溶けない理由は冷気は重くて上昇しないからです。

最後に

今回の記事は何を言っているのかよく分からないという人も多かったと思いますので、あくまで参考程度として頂ければと思います。

そして、屋根断熱+基礎断熱で小屋裏エアコンと床下エアコンを採用するのか、天井断熱+床断熱で吹抜けエアコン+一階リビングエアコンを採用するのかについて是非が分かれると思います。

屋根断熱+基礎断熱では気積が増えて冷暖房費用がムダであり、天井断熱+床断熱にして気積を減らした分の暖房エネルギーで室温を冬は24℃まで室温を上げた方が快適という意見もあります。

一方で、天井断熱+床断熱においてはエアコンを設置した空調室からダクトを使わなければ各部屋に冷気を均等に送ることが難しいという意見もあります。

これに対して私は階段や廊下をダクトに見立てて、床に冷気を垂れ流して代わりに天井から暖気を上昇させるという方法+各居室には廊下からエアパスファンで冷気を取り入れています。

そして、もっとも気積が小さく省エネになる天井断熱+床断熱において、最新の方式では一階と二階の間の懐をダクトと見立てて使う階間(かいかん)エアコンという方式があります。

ただ、階間エアコンの場合は全館暖房として利用する場合、一階天井に設置したファンで暖気を落とさなければならない点について私には快適性に疑問があります。

暖かい空気は下降しないため、一階の天井からファンで落とした暖気が一階の床を壁と同じ温度まで温めることができるのか非常に疑問なのです。

一条工務店の床暖房や床下エアコンのように、やはり壁や天井よりも床が暖かい「床勝ちの暖房方式」が足元が暖かくて一番快適だと思います。

無理にエアコン一台で全館冷暖房まで行わないで、家の高い位置に設置する冷房用エアコンと家の低い位置に設置する暖房用エアコンで分離した方が失敗が少ないと想定します。

もちろん、天井断熱+床断熱で気積を小さくして、さらにエアコン1台だけで全館冷暖房という方式を採用する階間エアコンは成功すれば究極のコストパフォーマンスではあるでしょう。

私の知識不足なのかも知れませんが、住み心地に関しては階間エアコン1台による全館冷暖房よりも、小屋裏エアコンと床下エアコンの方が優れているように思えます。

階間エアコンの場合は一階床のフローリングを多孔質の無垢材にするなど、何かしらの足の裏が冷たく感じないようにする工夫が必要なのだと思います。

また、エアコン1台で全館冷暖房ができるという消費者へのアピールのためにファンやダクトを沢山使って、エアコン1台にしてもコストが増えて消費者のためにならないと思います。

たかだか10万円程度の小型エアコンを1台にするのか2台にするのかを競うよりも、コストを抑えながら成功確率の高い冷暖房方式とは何かを考えた方が良いのではないでしょうか。

そういった意味でもっとも無難なのは、一階のリビング等に全館暖房用エアコンを設置して、二階の階段ホールや吹き抜けに全館冷房用エアコンを設置する方式なのかも知れません。

そして、一条工務店の施主の場合は、床暖房+さらぽか空調や床暖房+二階の吹抜けや階段ホールエアコンといった方式が冬も夏も快適な空調方式であると考えます。

 

今回の記事で私がエアコン1台での全館冷房の法則を理解するまでにどれだけ失敗を繰り返したのか想像できると思いますが、是非みなさんは一発でエアコン全館冷房に成功してください!

 

本日は以上でございます。

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