卒FIT 一条工務店オーナー電力買取について

考察

一条工務店オーナー専用の電力買取プラン

(出典:一条工務店

太陽光発電の買取制度開始から10年が経過して、余剰発電で契約していた方の中には買取が終了してくる方(卒FIT)が発生します。

卒FIT対象者からの電力買取については、ハウスメーカーでは積水ハウスは11円/kWh、セキスイハイムは9円/kWh~となっているようで、一条工務店からも上記の発表がありました。

東京電力では8.5円/kWhという買取を提示していますが、電気のお預かりプラン(仮称)という余剰電力を東京電力が預かるという構想が出ています。

これは蓄電池の代替となるプランとも考えられるため今後目を離せないところですが、値上げを続けている東京電力のやることですから、大したメリットはないと思います。

私は東京電力には三代目の時には電化上手の新規受付停止、四代目の時にはスマートライフプランLの高額な基本料金が請求されるなど、何度も煮え湯を飲まされています。

また、過去には経済産業省の電気料金審査専門委員会から東京電力に対する料金割引廃止要請が出ており、オール電化住宅を優遇した割引料金プランは今後なくなっていくと思われます。

では、オール電化をやめてガスを併用した方が良いかというと、基本料金が二重にかかることから、コスト面からガスの併用はお勧めしません。

深夜時間帯の格安な電力は原子力発電がないと成り立たないことから、今後は深夜電力の価格を当てにしない家作りが必要になるため、太陽光発電は益々重要になっていきます。

一条工務店が小売電気事業者に参入か?

経産省の登録小売電気事業者一覧には一条工務店および関連の日本産業の登録がないことから、小売業への参入は現時点ではないのだと思われます。

ただ、施主から買った電気は蓄えておくことができないため、どこかに売らないとなりませんから、まずは小売電気事業者へ販売するのでしょう。

今後、一条工務店が施主向けにLooopでんきのような基本料金のない電気の小売事業を展開してきた場合は、太陽光発電との親和性はさらに良くなります。

さらに、一部で検討の進んでいる、電力お預けプランのような蓄電池いらずな契約まで施主向けに用意して頂ければ、全く電気を買わない家を創出することが可能でしょう。

自家消費を増やそう

私の四軒目の家は既に東京電力の深夜電力が安い反面、基本料金が高額であったプランをやめて、Looopでんきの完全従量制の電力プランへの乗り換えをしたため電気料金が激減しました。

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エコキュートによるお湯の焚き上げを昼間の太陽光発電で行ったり、冷暖房といった空調費用についても発電している時間は自家消費で賄えますから太陽光発電は有益です。

ただし、夜間に暖房負荷が増える冬季は従量制の電力プランにとっては不利となることから、Q値が1.0W以下のような省エネな家でないと逆に年間の電気代が上昇するでしょう。

卒FITの方については、安い単価で売電をするぐらいなら、自家消費を増やした方が良いと思いますから、まずは給湯から見直しをしてみると良いでしょう。

エコキュートを昼間に稼働させることについては、エコキュートの時計の設定を12時間ずらせば可能ではありますが、タイマー設定を使うと12時間ズレるため注意が必要です。

夜の8時にタイマーでお風呂のお湯を張ろうとしたら、朝の8時にお湯が出て排水口から排水されていたなんてことになりかねません。

太陽光発電はメリットがある

私の場合は屋根一体型の太陽光パネルは葺き替え不要な屋根材だと思って採用していますので、将来の屋根のメンテナンス費用を下げるものだと考えています。

一部の地域では空調の不要な5月などの季節に地域全体の太陽光発電が消費電力を上回るための出力制限がかかる場合がありますが、その期間は短いと考えます。

ただ、積雪地域で消費電力の増える冬季に発電が見込めず、余剰発電が使えない地域については投資判断が難しいと思います。

年中発電できる地域であれば、余剰契約でエコキュートを昼間に稼働させて太陽光発電で賄えば、基本料金の高い反面、深夜電力が安い電力プランから卒業することが可能です。

我が家は深夜の電力単価が安いプランの場合は逆に基本料金だけで年間6万円ほど発生するため、深夜にお湯を沸かす方が高くつく状態でした。

ただ、今後の太陽光発電の採算計算においては家の性能と空調機器の効率が大きく影響してくることから、単純に太陽光発電だけの収支では語れない状態になっています。

時間ができたら家を性能を踏まえた太陽光発電の収支計算ができるツールを作りたいと思います。

最後に

一条工務店では買電単価に合わせて太陽光パネルの単価をどんどん落としています。現在では10kW以上のパネル単価は20万円/kWを切っていることから今後もさらに価格は下落するでしょう。

ただ、フィリピン工場で製造される太陽光パネルの原価は果たしていくらなのでしょうか。一般にパネルは売値の4割程度の仕入原価と言われており、製造原価となるともっと低いでしょう。

一条工務店の場合は太陽光パネルの販売価格の2割以下の製造原価でパネルが製造できるのではないかと思いますから、買取単価が下がっても全然余裕なのではないでしょうか。

むしろ、買取価格の下落により、太陽光パネルに利益をほぼ乗せずに提供せざるを得ない環境になった方が一条工務店の家は売れると思います。

これまでは太陽光パネルの事業は金融商品的な側面があって、長期ローンを組んで設備を設置していたことから、金利目的の商売になっていたと思います。

太陽光パネルの価格が下落していけば、長期的な金融商品から自家消費によって電気料金を削減するという省エネ政策に変わり、電力自由化によって最大の投資効果が得られると思います。

既に太陽光発電の一般的な収支計算では太陽光発電のメリットは語れなくなってきていて計算が非常に難しいですが、私は予算があって屋根一体型太陽光パネルであれば屋根全面に乗せます。

 

本日は以上でございます。

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