第三次高気密高断熱住宅ブームの終焉について

考察

はじめに

私は日本のエネルギー危機対策として高気密高断熱住宅は必要だと思っていますし、何より温熱環境の住み心地の良さがあります。ただ、政府の脱炭素政策には違和感を持っています。

最近流行りの高気密高断熱住宅なんて言われますが、ブームは過去に何回もありました。情報がある程度、消費者に行き渡ると加熱したブームが沈静化するのはいつの時代も同じだと思います。

現在を高気密高断熱住宅の第三次ブームとするのであれば、そもそもは2020年に省エネ基準の義務化(結局、2025年から義務化)に向けた盛り上がりであったのでしょうか。

そして、家作りの情報発信をしている施主においては家を建てて入居すれば1~2年程度でネタ切れになるなど、興味が減って情報発信しなくなります。

このことで有益な家作りの情報が次の家作り世代と断絶してしまうから、住宅会社によって前の世代の集合知が「新しい家作り」として紹介され、定期的にブームが起きるのだと思います。

ただ、その「新しい家作り」が一見すると公平な情報のようで、結局は建材や自社の強みのアピールになってしまい他社との差別化表現においてトラブルが起きるのもどの時代でも同じです。

ハウスメーカーは社会的な影響が大きいためSNSなどでは他社批評をしないことから、SNSで他社批評によるトラブルを起こすのは常に地域工務店側の住宅関係者という構図になります。

私は地域工務店で二軒、一条工務店で二軒の家を建築していますので、地域工務店での家作りも好きですし、ハウスメーカーで建てるメリットも知っているつもりです。

初めて家を建てる人が独りで考えることには限界があります。先輩施主がとっくに同じことで悩んでいるはずですから、ネット等で過去の情報を検索してみて欲しいと思います。

今の家作りが最先端というのは少し違う面があって、UA値よりもQ値時代の方が家の形状や換気の熱損失を考慮していましたし、軒や簾などの窓の日射制御はむしろ昔の方が重視されていました。

デザインやコスト削減のために軒がなくなり、防水性能の向上により窓に庇がなくなっていきましたが、省エネや高断熱化による室内のオーバーヒート対策により日射制御は復活してきました。

結露計算は熱量の単位が現在のワットより前のカロリーの時代から施主の中で計算している人はいます。最新の知識だと思われていることは何十年も前からある知識なのです。

相当前から断熱やC値の効果の限界点は語られています。ただ、高気密高断熱住宅を日本で立ち上げた方々が高齢になり他界や引退をされてきていてネット上で一次情報が失われつつあります。

一次情報を住宅会社が解説した二次情報や三次情報はポジショントークの色が濃くなっていくので、他社批評や対立の元となって初めて家を建てる消費者を混乱させる要因にもなっています。

消費者が求めているのは「対決より解決」です。大手ハウスメーカーvs地域工務店なんて話はどうでも良くて、予算に応じた住み心地の良い家作りを知りたいのです。

読者の皆さんはインパクトのある斬新な情報を見た時にインターネットで過去情報を検索してみてください。きっと、過去に何回も議論がされている情報だとわかると思います。

さて、現在を第三次高気密高断熱住宅ブームとするのであれば、そろそろ消費者に知識が行き渡ってきましたのでブームも終焉に向かうのかもしれません。

また、知識の拡散共有以上に物価上昇により注文住宅を建てること自体が難しくなってきていますので、これまでのブームと空調について私なりに振り返っておきたいと思います。

第一次ブーム

戦後の復興期は在来工法(軸組工法)の普及と台風や地震に強いプレハブ住宅や鉄骨住宅などが誕生したわけですが、まだまだ断熱どころの状態にはなかったと思います。

オイルショックの後の1980年に初めて住宅の省エネ基準である旧省エネ基準(断熱等級2)が制定されましたが、東京などを含む6地域のUA値は1.67Wと非常に性能不足な状態でした。

北海道において1980年にナミダダケ事件という床下の結露によって床が腐るという事件が発生しており、温暖地においても日射遮蔽不足で夏に超オーバーヒートする住宅も発生しています。

1985年にカナダ政府から技術提供を受けたツーバイフォーのR2000住宅(UA値0.34W、C値0.9以下)は日本のツーバイフォーメーカーは気密性能が確保できず1991年に撤退しています。

6地域のUA値では2009年に発足したHEAT20委員会が2020年迄に目指そうとしたG1が0.56W、G2が0.46Wであり、R2000住宅は2000年までに0.34Wを目指したハイレベルな基準でした。

もし、三井ホームなどのツーバイフォーのハウスメーカーがR2000住宅の導入に30年前に成功していたのなら住宅の省エネ性能はもっと早く向上していた可能性があります。

1992年に新省エネ基準(断熱等級3)に改定されましたが、6地域のUA値は1.54Wとあまり変化はありませんでした。アルミサッシが主流の時代ですから無理もないですね。

この時代はスタイロフォームなどの石油発泡ボード系の断熱材メーカーが外張り断熱工法を広め、新住協がグラスウールを用いた充填断熱を使った新在来木造構法を開発しました。

知らない人も多いと思いますが、OMソーラー、エアサイクル住宅、外断熱二重通気工法など、自然とか通気といった言葉が流行った時代であり、F式全館冷房のルーツもここにあります。

第二次ブーム

1997年の地球温暖化に関する京都議定書を採択した流れを受けて、次世代省エネ基準(等級4)が制定された1999年を第二次ブームの始まりと考えることもできます。

1995年の阪神淡路大震災における家屋の倒壊を受けて、軸組工法においても柱の外側に合板を設置するようになったことから、これは家の気密性を向上させシックハウスを招いています。

2003年に建築基準法が改正されて2時間に1回家の中の空気を入れ替えるという24時間の計画換気が義務化されました。この時代の高気密高断熱住宅は「高高24」なんて言われていましたね。

2000年に住宅性能表示制度、2009年に長期優良住宅が制定され当時の断熱最高等級である等級4(6地域のUA値は0.87W)への誘導がなされた時代です。

そして、1990年前後に開発された外張り断熱と新住協の充填断熱工法が争った時代でもありました。当時はテレビでも外張り断熱でなければダメだという住宅会社のCMが流れていました。

ただ、この時代の大手ハウスメーカーは断熱等級4をとれていない会社もあり、高気密高断熱住宅の第二次ブームは今でいうスーパー工務店同士の争いであったと思います。

ボード系断熱材メーカーが推している外張り断熱とグラスウールなどの繊維系断熱材による充填断熱が対立した時代でしたが、その後に充填断熱派が付加断熱は必要と言いだすのは変ですよね。

【暴論】グラスウール廃止論、「付加断熱」が危ない!
はじめに グラスウールは正しく施工すれば安くて良い断熱材だといわれますが職人不足が加速していく中で施工手間や工期短縮という観点からみるとグラスウールが最適解なのかは疑問に思います。 大半の住宅会社は袋入りグラスウールを採用しています...

この時代、外張り断熱派は充填断熱の家は結露で腐るとか柱などに熱橋が多いので暖かくないといった、ネガティブキャンペーンをしていたと思います。

一方、グラスウール推進派がボード系断熱材は燃える・ネオマは雨に濡れると酸性を示してビスがさびる・外張り断熱は外壁が垂れる・断熱不足等のネガティブキャンペーンをしていました。

家作りに情熱のある人たちが自社の工法や建材に絶対の自信を持ち他社を批評するというのはいつの時代も同じでしょう。それに施主が巻き込まれるのも同じ構図ですね。

外張り断熱は断熱・気密・防露・防風が一体となった理想の工法ですが、断熱材の価格が高額であるため、最終的にはコスパに優れる充填断熱が大半の消費者には支持されたと思います。

私は新住協の「誰もがいい家を求められる社会環境づくりを目指して」という理念に非常に共感していますし、この時代の新住協はローコスト路線の工務店が多かったと思います。

今より断熱にお金をかけることに抵抗感がある時代でしたから、暖かい家を作りたい住宅会社側がコストをどうやって削って消費者が買えるようにするかを重視していた時代だと思います。

2009年にYKKAP社から樹脂ベアサッシであるAPW330が発売され、2011年には一条工務店がi-smartを発売して大ヒットしたことから、第三次ブームの下地は整っていったと思います。

故、鵜野日出男さんは日本へのツーバイフォー住宅導入に多大な貢献されましたが、晩年は思想が数値に振り切れ過ぎてしまい高気密高断熱住宅の普及とは逆向きになっていたと私は感じます。

どの時代も家作りにおいて革命家は登場しますが、信念が強すぎて他者を排除しようとしてしまうことから、これが高高住宅推進派の分裂を招き普及が遅れる原因となっていると思います。

F式全館冷房の誕生

外断熱二重通気工法は屋根断熱になることから、エアコンを小屋裏に設置すれば全館冷房が実現するのではないかと考えた人たちから小屋裏エアコンが誕生しています。

建ててしまった人は読まないでください。ショックを受けますから。
はじめに 記事のタイトルは1999年に発刊された「いい家が欲しい」という高気密高断熱住宅を扱った書籍の帯に書いてあった宣伝のコメントです。著者は東京で工務店経営をしている松井修三さんです。 いま言われてもなるほどと思う言葉で...

2010年に私の二軒目の家でF式全館冷房が考案されます。私の二軒目の家はファンとダクトを使った密閉型の小屋裏エアコンでしたから、F式=階段ホールエアコンということではありません。

F式全館冷房はこれまであったものに名前が付いただけだと言われることがありますが、多分それは違うと思います。密閉型の小屋裏エアコンとF式はまったく違うものです。

もちろん、私は先人の失敗や経験を見て無からF式を生み出したわけではありませんが、私が20年間見てきたどの方式とも異なる点は「F式は吹き抜けとファンが無くても良い」点です。

吹き抜けにエアコンを設置して自動運転で全館冷房をしたものをF式とは言いません。F式は吹き抜けが無くても良く、温度設定や風量の絞りなどの独特の運転方法があります。

以下の表のように分類してみると、F式は吹き抜けがなくても実現できますが、多くの方が想像するF式以外の小型エアコンを使った全館冷房とは吹き抜けやファンがあるものです。

エアコン設置場所 機械換気(ファン・ダクト) 重力換気(温度差)
密閉式(小屋裏・空調室) F式以外
開放式(吹き抜けあり) F式
開放式(吹き抜けなし)

もちろん、F式においても吹き抜けがあると空気の循環はしやすくなりますし、ファンやダクトを使っても構いませんから、そういった場合はF式と他の方式と似通ってきます。

そして、F式では設定温度23℃・風量最弱・風向き下というスタート地点のセオリー運転と言われる法則があります。これをもとに各家にあった設定をすれば良いという汎用性があります。

F式では一階リビングの家においては、通常は二階の方が涼しくなって一階の方が暑くなります。廊下や階段の床の上に冷気を流すことで空気を循環させるため空気は基本的にかき混ぜません。

機械換気とパッシブ換気の違いのようなもので、家の中の空気を温度差で動かすF式は実際にやってみないと想像ができないかもしれません。

一般的なエアコン運転では室温を下げたくない場合はサーモオフさせて気流を増やして体感温度を下げますが、F式ではサーモオフさせずに除湿を継続して快適にするため考え方が異なります。

私は「F式は除湿がメインで涼しさはオマケ」と説明していて、人がいない場所に設置したエアコンはコスパ最強の除湿機ですから暑がりの人は個室エアコンと併用しても何ら問題ありません。

第二次ブームの終盤に外張り断熱から小屋裏エアコンが生まれ、まだ太陽光パネルが高額であったことから太陽熱や通風などの自然エネルギーを利用した換気・空調方式が模索されました。

本当かどうか分かりませんが、換気と空調に自然エネルギーの利用が進んでいったことがQ値から換気を取り除いて別計算とするUA値への転換要因の1つになったという話があります。

また、2011年の東日本大震災によって安い深夜電力を提供していた原発が停止され、第二次ブームで流行していた蓄熱暖房器は現在の深夜電力の高騰で大変な光熱費になっていると思います。

Q値からUA値へ

2013年の省エネ法改正において、家の断熱性能(熱損失)はQ値からUA値へ変更となりました。UA値よりQ値の方が家の性能を正しく表しているにも関わらず、真逆の説明がされています。

Q値は同じ断熱構成でも小規模住宅や平屋などの数値が悪くなるから不公平なので、公平なUA値にしようというものです。これは、とんでもな説明だと思います。

小さな家でも大きな家でも窓の数はあまり変わらないので、窓面積が大きいまま小規模住宅を建てれば断熱性能は低いと計算されても当たり前ですよね。

家の形状における断熱性能の最適解は真四角(正方形)の家です。平屋は正方形から大きく外れて外気に触れる面積が増えるから熱損失が多いのにこれを認めないUA値はおかしいですよね。

UA値は家の形状や換気の熱損失を含まない計算であるため、外皮面積が増える平屋や熱損失の大きい三種換気の家であってもUA値には反映されず、消費者に誤解を与える指標となっています。

気密性能については1995年の阪神淡路大震災以降に在来工法においても構造用合板を外壁に設置するケースが一般化したためC値は2~3はあると判断され廃止となったと思います。

一説には気密性能の出にくい鉄骨ハウスメーカーがC値の廃止を画策したような噂もありますが、真偽はわかりません。省エネ基準の義務化を反対したのは地域工務店側とも言われています。

さて、第二次ブームの終盤に太陽熱や通風など多用な自然エネルギーの採用があったことからUA値になって換気や空調が進化するのかとおもいきや、全く逆の方向に時代は流れたと思います。

家の形状と換気の熱損失が含まれない結果となったことから、特に換気については相当な断熱性能の家においてもコストカットを目的に三種換気の採用が増えたと思います。

高度な空調設計をした三種換気は良いと思いますが、断熱性能の高い家は冷房負荷が低いことからエアコンはすぐにサーモオフして除湿不足を招くというケースが散見されるようになりました。

UA値に変わったことで三種換気が増えて一種の顕熱交換換気扇は減って、一方で夏の除湿に着目すると全熱交換換気扇の有効性が再認識されたと思います。

第三次ブーム

そもそもは2020年4月に義務化が予定されていた等級4の省エネ基準の適合に向けたブームであったと思いますが、2020年3月からのコロナ禍による在宅時間の長期化が火付け役でしょうか。

家作り情報のYoutubeでの盛り上がりは、最初は私も正しい高気密高断熱住宅の情報が広まってくれれば良いなと思っていましたが、途中からポジショントークがメインになった感があります。

私の感覚ではこれまでのブームと異なって断熱一点突破のブームであったと感じます。Q値から換気が切り離されて断熱指標が単純化したことと、樹脂サッシの普及が起爆剤だと思います。

第二次ブームと違って第三次ブームは工務店同士の対決ではなく、大手ハウスメーカーvs地域工務店という構図になっている感がありますが、これには脱炭素政策が影響していると思われます。

UA値による一点突破により第三次ブームでは省エネ基準の義務化を成しえましたが、ハウスメーカーvs地域工務店という消費者を巻き込んだ対立の構図を深めてしまったと思います。

ただ、ハウスメーカーvs地域工務店といった構図の中に高価格なスウェーデンハウスやその施主は全く関与していないと思いますので、これが今後の住宅業界の向かう姿かも知れません。

樹脂サッシの普及

2014年にYKKAPから樹脂トリプルサッシであるAPW430が発売されたことにより、樹脂サッシを採用する人が増えてペアサッシでは樹脂サッシの方がアルミ樹脂複合より安くなる地域も発生。

防火の制限が低い田舎と準防火地域の多い都会で採用できるサッシが違うことに気が付かないままアルミ樹脂複合サッシは悪で樹脂サッシが正義だといった情報が蔓延してしまいました。

ただ、省エネ基準の間取りで計算するとAPW330程度の窓を採用しないと6地域ではG2(0.46W)に届かないため、準防火地域のUA値はZEH~G1の0.5W付近が現実的だと言えます。

樹脂サッシは準防火地域ではそのまま使えません。防火樹脂サッシは高額であり、網無しのガラスも高額です。シャッターを設置すれば樹脂サッシが使えるという抜け道はあります。

注文住宅は土地が安くて防火制限の少ない田舎の情報が多いですが、防火制限が多く地価の高い都市部でG2を達成するにはコストが結構かかることが最近は理解されてきたと思います。

準防火地域の家作りの情報の少なさを見ると価格を安く見せたいという住宅会社の姿勢が垣間見えますが、脱炭素というのなら人口の大半が住む都市部の家作りを重視すべきです。

都市部では冬季の日射取得も難しいので、私はお金があれば断熱をお薦めするものの、それ以外にもエアコン(ヒートポンプ)を活用した家作りがあることを情報発信している次第です。

大手ハウスメーカー叩き

戦後の復興期に大量に家を提供するという使命の元、高耐震・高耐久な家を提供してきた大手ハウスメーカーの功績は認めるものの、大企業化し過ぎてしまったと思います。

テレビや新聞で広告を流して家作りの情報統制をしてしまえば、断熱気密なんてほどほどに取り組んでいても住宅展示場で集客して儲かってしまうビジネスモデルになっていたと思います。

当時の断熱最高等級である等級4(UA値0.87W)をアピールすることで消費者は断熱がハイレベルな家だと錯覚してしまっていたことでしょう。

ただ、SNSの発達により大手ハウスメーカーの断熱性能は高くないことが浸透していき、いつしか大手ハウスメーカーで家を建てる人は情弱だという風潮になっていきました。

特に断熱の肝となる窓においてアルミ樹脂複合サッシの性能の低さが問題となり、建設地などお構いなしに複合サッシ=悪というような状況になっていました。

確かに大手ハウスメーカーは断熱気密性能の向上をサボって(ニーズがないという認識)来たので、そのツケが省エネ義務化へ向けたブームの中で露呈してしまった面があります。

ただ、都市部に多い準防火地域では樹脂サッシが簡単に採用できないという正しい説明がされておらず、複合サッシは枠が細くデザインが良いといったズレた説明になっていたと思います。

準防火地域は樹脂サッシの採用が難しいなんて施主には分からないので、これは住宅業界の説明が悪いのであって、時代の過渡期として残念な対立が起きたと思います。

現在では大手ハウスメーカーのサッシは高性能なアルミ樹脂複合サッシや樹脂サッシが標準になってきており、トリプルサッシも選べるようになっています。

簡単にいうと窓にYKKAPのAPW330が採用できるなら6地域のG2は簡単に達成します。準防火地域で樹脂窓が採用できないとG2をちょっと切るぐらいの性能になると思います。

それでもG2(0.46W)の性能にしたいと申し出た場合、窓を小さくするという提案をされると思いますが、これが高気密高断熱住宅は窓が小さいという誤解につながっていると思います。

一般的なアルミ樹脂複合サッシを使ってG2を達成することは難しいですが、かといって防火樹脂サッシは高額であるため、複合サッシの場合は窓を小さくするという苦肉の策が生まれる訳です。

窓が小さいことの是非については意見が分かれます。パッシブ設計では南側の窓を最大化してそれ以外の窓は少なく小さくします。最近ではトイレや浴室の窓は不要と考える人も増えてきました。

窓の役割は日射取得だけではないため景色が良いなどの理由があれば南側以外の窓でも大きくして良いと思います。ただ、日射遮蔽や冬季のコールドドラフト対策には注意が必要でしょう。

大手ハウスメーカーにおいても施主が希望すれば気密施工や気密測定を実施できているようですが、施主が個別に依頼するのもしんどいので気密測定が全棟標準になると良いですね。

木造以外を検討する場合、鉄骨造は高耐震で結露やシロアリに強いとはいえ熱橋が多く気密が取り難い場合があるので、鉄筋コンクリート造の外張り断熱の家を検討されるのも良いと思います。

大手ハウスメーカーは大幅値引きを止めてその分を断熱に全振りした方が差別化戦略になると思います。ネオマフォーム100mmの外張り断熱にすれば差別化としては圧倒的だと思いますよ。

Youtube・SNSの台頭

テレビや新聞はスポンサー企業やニュースの情報源となる中央省庁の都合の悪いことは情報発信しません。中立な情報を流しているように見えるマスコミはほぼすべてが情報操作をしています。

既得権の塊であるテレビや新聞はオワコンとなり、企業の広告宣伝費はInstagram・Twitter・Youtubeといった無料のSNSに流れていますからSNSとて中立な情報ではなくなっています。

無料で得られる家作りの情報は5ちゃんねるのように信ぴょう性の低い雑談のようなものか、企業の宣伝だと思った方が良く、それに感化された消費者同士の対立を招いてしまう場合があります。

2020年はコロナ禍による在宅時間の長期化によって設計事務所や地域工務店がYoutubeを利用して家作りの情報発信をするようになりました。

最初はオーソドックスな高気密高断熱住宅の内容で良いと思っていましたが、ネタ切れなのか途中から無理のあるオカルト話が増えていってしまいました。

数値や根拠に基づいた家作りをしようという差別化戦略を展開しましたが、むしろ地域工務店側のセールストークの数値や根拠が怪しいということを消費者に指摘される結果となりました。

私はハウスメーカーと地域工務店のどちらの敵でも味方でもなく、施主としては家作りを人より長く見てきていて色々な経緯を知っているため、おかしいものはおかしいと言っているだけです。

例えば、新住協は当初はネオマなどのボード断熱材を否定したネガティブキャンペーンをしていたにも関わらず、ネオマを認めると一転して付加断熱が必要だと手のひら返しをしています。

それを見て私は充填断熱でもしっかり設計・施工すれば問題ないと結論付けた第二次ブームはなんだったんだと思いました。

大手ハウスメーカーが断熱気密性能の向上をサボタージュしていたこともあって、当初は地域工務店が優勢に見えていましたが、消費者も徐々にYoutubeの内容に疑問を持ち始めていきました。

スーパー工務店なる言葉も生まれましたが、価格も大手ハウスメーカー並みにスーパーであることが判明した段階から、予算の厳しい消費者の支持を失っていったと思います。

特に意匠設計が優れている工務店は造作家具や庭づくり等に凝ると、当初の概算見積金額からかけ離れた金額になる傾向があり理想と現実の違いを知って工務店との契約を諦める人もいます。

また、高性能住宅を得意とする地域工務店の集団は、個性が強い工務店経営者達の集まりであるため意見の相違による分裂や内ゲバを繰り返して大きな勢力になれないのは宿命だと言えます。

地域工務店といっても都市部から田舎まであって、ド田舎に高性能住宅を建てても売却する際に高額では買い手が付きにくいと思いますから家に資産価値を求めるのは無理があるでしょう。

そして、過疎化が進む地域に環境負荷を抑えた住宅を新たに建てた場合、少人数の集落のために税金を使って道路などのインフラ維持をするのであればエコハウスとは言えないと思います。

今後の地域工務店は自然素材などを中心に差別化を図っていくと思いますが、除湿で湿度コントロールしてしまう家が増えれば自然素材や調湿建材は機能的な価値を失っていくでしょう。

また、自然素材の家をアピールしていながら大半の住宅会社は無垢の床材や内装仕上げだけ自然素材を使い、構造には合板・石膏ボード・集成材などを使っている工業化住宅だと思います。

現在の住宅は合板やボンドなどを利用せずに建設することは不可能であるため、新建材はフェイクで人の目に見える範囲だけに自然素材を使った家が本物の家と自称するのは無理があります。

新建材は価格が安いことから大半の家で利用されています。また、海外から安い輸入木材が入っていることから国産材を扱う材木屋さんや木材を加工する職人さん自体が減っています。

見た目のデザインや風合いとしての自然素材は良いと思いますが、長所をアピールし過ぎると大手が儲かると思って追随してくるので差別化戦略ではなくニッチ戦略が向いていると思います。

良い家を作っている地域工務店は全国に多数あると思いますが、まだまだ地域工務店=怖いというイメージがあると思うので、YoutubeやSNSでの振る舞いは注意が必要だと思いますね。

結局、SNSマーケティングはコストは安いものの、住宅会社よりも家作りや環境に詳しいものすごく勉強した施主からの質問に住宅会社側が対応に苦慮する結果を招いた部分はあると思います。

プロ施主なる言葉も生まれたほどですから、SNSマーケティングは住宅会社が見よう見まねで取り組むと面倒な客の対応に追われて「タダより高いものはない」ということになるでしょう。

差別化戦略・オカルトトークの再検証

住宅会社は商売として他社との差別化戦略を進めるのは当然だと思いますが、その内容があまりにも商売寄りになっていて一次情報とは異なっていると私は感じます。

データや計算式を持ち出すことで信ぴょう性を高めようとしているのかも知れませんが、データや計算式の使い方が間違っているケース(ミスリード)が散見されます。

自宅での入浴中の死亡者をすべて温度差によるヒートショックとみなして交通事故の死亡者より多いという誇大広告については大半が熱中症であると分かっています。

新建材によるシックハウスはF4☆の建材が標準的に利用されているため既に終わったと考えることもできます。現在のシックハウスの大半は住宅の高湿度によるダニの発生によるアレルギーです。

プラスチックゴミについては既に分別して処理もしてないし高温の焼却炉で燃やせば問題ない状態になっているのに、いまだに環境ビジネスのためにプラスチックは悪者にされ続けています。

環境活動家はウソがばれても過去を総括せずビジネスのために次から次へと問題を提起しますが、現在ではマイクロプラスチックなど根拠の分からない不安商法とも言える話を展開しています。

現場発泡ウレタンを含めてプラスチック系断熱材は燃えて有害ガスが出ると言いながら室内で化石燃料を燃焼するガスコンロの設置をしている住宅会社は二枚舌だと私は思います。

また、家作りにおける古典的な事例では「グラスウールは結露でカビが生える」という話は防湿層を知らない人の発想だと分かると思います。

そうであれば、「現場発泡ウレタンは燃える」という話は石膏ボードという防火被覆を知らない人の発想だと思えませんか?

ウレタンは燃えるといいながらウレタンマットのベッドで寝ていたり、ボード系の石油発泡断熱材は燃えると言いながらポリエステルの服を着ていることはおかしいですよね。

環境や脱炭素に熱心で他社批評をしている人はメタンをたくさん排出すると言われる牛肉なんて食べないと思いきや、家作り以外は脱炭素に無頓着なので説得力がないと思います。

家作りのプロたちが自分の得意な建築分野において、知識や教養をひけらかして素人の施主や他社を馬鹿にしている姿は知識や技術が高いとしてもプロとして情けないと私は思います。

しばしば、建築現場がきれいに整理整頓されているかを見ると住宅会社の姿勢が分かるなんて言われますが、本当の教養があるかどうかは他社批評をするかどうかで分かると思います。

建材メーカーを含めて他社批評による差別化戦略はモラル的に良くないと思いますし、全体の底上げと言いながら自社や自分達の集団以外を蹴落とすための錬金術だと消費者は気が付いています。

現在、地域工務店は自然素材の利用と木材の加工技術を差別化戦略としていると感じます。自然素材の風合いは良いと思いますがコストが上がるため新建材を選択する人が多いと思います。

そして、心無い一部の人が新建材の採用することや他社の大工の技術レベルを馬鹿にするケースが散見されています。ここまで来るともはや差別化戦略という名の誹謗中傷行為に過ぎません。

地域工務店とハウスメーカーはビジネスモデルが違います。職業に貴賤はないし、そこで働く人は家に帰れば自慢の親であり子供です。それを他人が馬鹿にして良いのでしょうか。

ハウスメーカーは社会的立場があるのでSNSで他社批評ができません。それに付け込み一部の地域工務店関係者が差別化戦略として他社を馬鹿にする行為を繰り返しています。

地域工務店はハウスメーカーの長期保証や営業マンは不要といった、ビジネスモデルの違いを差別化商法として利用していますが、他社批評をする人は教養があるのか疑われると思います。

住宅会社が倒産した場合、ハウスメーカーの顧客は別の住宅会社が引継ぎますが地域工務店はスーパー工務店においてもカリスマ社長に何かあれば倒産してしまう可能性は高いと言えます。

カリスマ社長が死ねば地場工務店は倒産する
はじめに 私が二軒目の家を設計事務所と地場工務店でローコストに建築したのは2010年頃です。ローコストな高気密高断熱住宅でありながら住み心地が良い自慢の家でした。 今でも関係者を含めて素晴らしい家作りであったと思いますし、当時は防火...

ハウスメーカー・地域工務店を問わず、他社を馬鹿にして自社の優位をアピールするようなモラルの低い住宅会社や営業マンはトラブルが起きた際にいつ消費者に牙をむくか分かりません。

根拠の怪しい情報を利用したり、自分の専門知識をひけらかして他人を馬鹿にしているような住宅関係者は「人として問題がある」と私は思います。絶対に契約しない方が良いでしょう。

差別化戦略については社会的影響の大きい大手ハウスメーカーではなく地域工務店側から発信されることが多い構図ですが、他社批評をしない倫理感のある地域工務店もあると思います。

エコテロリストの存在

私は地球がCO2の影響で温暖化していないと言うつもりはありません。ただ、脱炭素政策を批評するなんていう危機感のない低レベルな私には脱炭素政策は素直には受け止められません。

脱炭素社会は悪魔の証明?
はじめに 地球温暖化防止とCO2削減のために住宅の高性能化や省エネ基準の義務化が必要なんて言われますが、私は日本にとって脱炭素社会という目標は正しいけれど説明は間違っていると感じます。 CO2増加による温暖化により海面が上昇すると言...

東日本大震災以降は日本が排出するCO2は激減しており、世界中で排出されるCO2の内、日本の排出量は3%に過ぎないことから、中国やアメリカが排出削減しないと意味がない状態です。

日本が単体で行えるCO2削減はたかがしれている状態で税金をバラまいて補助金をだしつつ、高性能で高額な住宅を国民に多額のローンを組ませて建てさせることが良いことなのでしょうか。

景気を支えるために政府の財政支出は必要ではありますが、住宅に長期的な資産価値があるなら補助金は不要なはずですが、住宅業界は常に国の補助金に群がる環境ビジネスになっています。

ビジネス面ではカーボンニュートラルという国策に反すると不利益があるのであれば、お付き合い程度に参加するのは良いですが、欧州の要求は歴史をみても理不尽なことが多かったと思います。

もし、CO2が焦点であるなら極端に言えば自然エネルギーで発電してCO2を大気から回収して深海等に貯槽すれば良いと思います。排出制限には先進国の政治とビジネスの意図を感じます。

脱炭素やSDGsは安価な化石燃料の利用を封じ込めることで発展途上国の成長を抑え込むという先進国に有利な「持続可能な社会」というグリーン植民地政策という見方もできます。

第三次ブームは京都議定書からの地球温暖化防止のためのCO2削減を要請された経緯であると思いますので、国際政治の影響を受けた脱炭素やSDGsなどが影響していると思います。

長らくテレビや新聞のコマーシャルによって家作りの情報については大手ハウスメーカーが優位な状態でしたが、SNS等の発達により地域工務店が情報発信する場が増えました。

そうなるとこれまで大手ハウスメーカーに抑え込まれていた地域工務店は反撃に転じるわけですが、「大手資本との対決」といった話のすり替えが起きやすいと思います。

大手=資本主義=格差=地域といった繋がりで地域工務店は共産主義のような発想に陥りやすいと言えます。共産主義は格差の是正を始まりとしているので大手資本=悪の構図になります。

地域・自然・手作り=善ですから、量産化されたものや全国展開するチェーン店=悪となってしまうので、地域工務店が差別化戦略にハウスメーカーを持ち出す理由はここにあると思います。

もちろん地域工務店が共産主義者ということではありませんが、共産主義者は資本主義を倒すためなら環境でも天皇制でも何でも利用しますから共産主義は環境原理主義に傾きやすいと言えます。

地域工務店は研究機関を持たないことから性能数値については学者などの後ろ盾を必要としています。学者側も研究予算を取りデータを取るために地域工務店の協力が必要でしょう。

脱炭素などの国策もありますから、学者の研究費確保=地域工務店の差別化戦略と利害が合致すると思います。ここで問題なのはリベラル派と称する学者が住宅業界に入ってくることです。

ソ連崩壊以降に行き場を失った社会共産系の学者の一部は看板をリベラルや環境保護という名目に変えて活動していると言われていて、そういう方々に教えを受けた人はいまもいるでしょう。

彼らが掲げるものは脱資本主義・脱炭素・脱原発などですが、地域というミクロな領域で活動する地域工務店を環境問題や大手資本との対決というマクロな話に巻き込んでいると感じます。

本人たちは使命感をもって活動しているだけでそんな気はないと思いますが、結果的に消費者を対立させる原因になっていると思います。ただ、彼らは議論と対立は違うと考えるのでしょう。

金持ちや大手資本=資本主義を憎悪する人は貧富の差がない共産主義に傾きますが、歴史的にみても共産主義の方が独裁者を生み出して資本主義よりもひどい状態になることは明白です。

共産主義と似ている社会民主主義は資本主義の打倒までを目指すものではありませんが、貧富の差を無くすことを前提とした政策は働いた分を要求したい層からの支持が得られません。

結局、多くの国民から支持を得られる政策は個人ごとの能力差を評価してくれる資本主義となり、その中で税制の再分配によって貧富の差を減らす修正資本主義しかありえないと思います。

日本において社会共産系の野党は国民からほぼ支持を得られていません。なぜなら、理想を語るだけの不寛容な存在であるため現実的に国政を運営できないことを国民は理解しているからです。

理想を語るだけでは現実はあまり動かない。私は高気密高断熱住宅をお薦めする立場ですが、同時に高気密高断熱住宅が少数派であり続けている理由は理想論に終始しているからだと思います。

ここまで断熱気密をしなければ意味がないという原理主義では多数派にはなれません。私はいい加減な断熱気密という意味ではなく、予算に応じた断熱気密があって良いと思っています。

家作りに政治思想を持ち込むのは対立の原因になるので良くないと思います。大手ハウスメーカーvs地域工務店といった構図は意外と根が深いところにある思うのは私だけの妄想でしょうか。

研究者と省庁の外郭団体や建材メーカーは人事面での交流も多いと思いますし、彼らの天下り先を削減されないためには、住宅業界はバラバラで対立しているほうが良いのかも知れません。

これは植民地の支配と一緒で天下り先となる各団体を維持するためには住宅会社や消費者は分裂している方が良いのでしょう。誰だって自分のポストや定年後の居場所は確保したいですよね。

国土交通省・経済産業省・環境省といった省庁は脱炭素という美名のもとに研究費や補助金を各団体と消費者にバラ撒くをことで自分達の存在感の誇示や天下り先の確保をしているのでしょう。

もちろん、省エネや経済成長のために国の財政支出は必要ですが、その副作用として天下り先となる各省庁の外郭団体が維持され、住宅業界は補助金ありきのビジネスになっていると思います。

出来もしない脱炭素政策であるからこそビジネスに利用できるのであって、簡単にできてしまうことであれば研究や差別化戦略に使えないということを消費者は知る由もないでしょう。

上記は私の個人の感想であり、一部の学者や高級官僚の話であってそれ以外の人は一生懸命に仕事にまい進されていると思うので誤解なきようにお願いします。

家作りにおける情報の民主化

家作りは一生に一度という施主が大半でしょう。営業さんが言っていた、設計士さんが言っていた、設備屋さんが言っていたというだけで情報を検証せずに信じてしまう人が多いと思います。

世間の情報の99%は何かしらの情報操作だと思って良いでしょう。「誰に都合の良い情報か」を考えると情報の発信元の集団が分かり、悪質な他社攻撃をしている場合があります。

家作りにおける情報の民主化とは何でしょうか。SNSが普及する前のテレビや新聞といったマスメディアが中心だった時代は大手ハウスメーカーの広告宣伝が大きな影響力があったと思います。

スーモカウンターなど無料で相談者に適した住宅会社を紹介するサービスは以前からあります。家作りは性能だけではありませんから幅広いニーズに応じた提案があると思います。

ただ、スタッフが家の性能などの知識を持ち合わせずに紹介手数料がたくさん得られる住宅会社を消費者に紹介しているようであれば、消費者のためにならないサービスだと思います。

さて、大手ハウスメーカーが断熱気密の性能向上を先送りしていたことから、地域工務店側は高価格で低性能の家を買わされる消費者に真実を伝えることが情報の民主化だと考えるでしょう。

地域工務店側はテレビCMや住宅展示場などの無駄な経費のない地域工務店で家を建てた方がお得であるとアピールしますが、本当に自信のある工務店なら他社批評をする必要はないはずです。

消費者に真実を伝えたいと言いながら大手ハウスメーカーを批評している地域工務店の差別化戦略は大手ハウスメーカーに寄生しているパラサイトビジネスだという見方もできます。

そして地域工務店側では、大手ハウスメーカーvs地域工務店という構図が強調されることで、ハイレベルな工務店と不勉強な名ばかり高性能工務店との見分けがつかないという現象が起きます。

中小企業を倒産なせないという政府の護送船団方式は国民全体の負担になっています。市場から退場すべきゾンビ的な中小企業が税制や補助金に群がって倒産を回避しているとも言えます。

一方で大手ハウスメーカー側では営業マンや設計士の能力差によってデザインはもとより気密や断熱性能に差が出る現状はアンフェアであり、この解消が情報の民主化だと考える人がいます。

大手ハウスメーカーの優秀な営業マンや設計士を紹介するビジネスが登場していますが、大手ハウスメーカーはそもそも社員教育が高品質で家の品質がバラつかないことが存在価値のはずです。

また、鉄骨造の住宅は熱橋が多く気密が取り難い面があるにも関わらず、断熱材の性能を無視した壁の厚みやUA値だけで家の暖かさを比較して紹介することは問題があると思います。

高価格でありながら優秀な営業マンや設計士が紹介されないと良い家が建たないようであれば、もはや大手ハウスメーカー自体の存在意義がなくなったということになってしまいます。

大手ハウスメーカーの上層部は自社のビジネスモデルが崩壊しかねないこのような紹介制度を許可してまで目先の販売棟数を増やしたいのでしょうか。

大手ハウスメーカー推しであろうが地域工務店推しであろうが、安易にSNSマーケティングに手を出して他社批評による差別化戦略を行えは、いずれは自分が吊るし上げの対象となるでしょう。

さて、私は家作りの情報の民主化とはレモン市場とも言われる住宅業界において、事業者側と消費者側の圧倒的な情報格差を埋めていくことだと思っています。

家の構造や材料の加工といった面では消費者は到底プロには及びませんが、計算できる温熱環境や医療分野の文献の検証などは消費者の知識が住宅会社を上回ることができると思います。

これまで住宅の温湿度や空調の消費電力を精度高く測定するには高額な機器が必要でした。そして消費者は数値の計算ができないため住宅会社が発信する情報を検証できない状態でした。

ただ、今では精度の高い測定機器が安価になりスマホでエアコンの消費電力や家の内外の絶対湿度を確認する施主が増えていますし、私を含めて無料で計算ツールを公開する人もいます。

データを都合よく事実を切り抜いたり、半世紀も前の論文などを使って語られてきた家作りの情報は消費者によるデータ測定および計算によって、大きく転換しようとしています。

これによって住宅業界側はうかつに他社批評やセールストークを流せない状態となり、より情報を精査して真摯に消費者に向き合っていくようになると思います。

大手ハウスメーカーvs地域工務店といった構図から生まれる情報は売り手側の争いでありオカルト情報が蔓延するため消費者にとっては情報の民主化とは程遠い状態だと思います。

大半の消費者は家作りに環境問題や政治文化などを求めていません。住宅会社に期待したいことは政治思想などは抜きにして、良い家をしっかり作って欲しいということだけです。

私は不透明な住宅業界を透明にしていくには、消費者が住宅会社のセールストークに流されないように、論文などの情報精査、データの測定と計算を行っていく必要があると思っています。

蓄電池の普及

現状では一条工務店以外は安価に太陽光パネルと蓄電池を販売できていないと思います。ただ、今後は蓄電池が省エネ住宅のカギを握っていくでしょう。

一条の場合7.4kWの蓄電池が1台目は20万円程度、2台目は60万円程度ですから、今後は断熱にお金をかけるより蓄電池を設置した方が有利になる時代です。

基本料金が無料の電力プランで太陽光発電で昼間にエコキュートを沸き上げ、蓄電池によって夜間に電気を買わない生活をすると節電せずとも冬以外はほぼ電気代がかからない住宅になります。

断熱に特化しているパッシブハウスなどは方向転換を迫られると思いますが、必要以上の断熱はロマンであって理屈じゃないと私は思っているので、好きな人はやれば良いと思います。

しかし、建設費用と電気代が上昇しており庶民に手が出る家作りとなると、太陽光や蓄電池とエアコンを上手に利用して、都市部以外ならG2、温暖地の準防火ならG1を目指せば良いでしょう。

予算が少ない人は、一条工務店の間取りの決まった企画型住宅(i-smile、Hugme)に蓄電池を搭載するとコストパフォーマンスは高いと思います。

ただ、一条工務店は光熱費削減というよりは停電に備えて蓄電池をつけていると思いますし、省エネよりも耐水害住宅などを含めて災害への対応を第一優先に考えていると感じます。

全館冷暖房を行う家においては、電気プランにもよりますが蓄電池を2個設置すれば、蓄電池を採用しないパッシブハウスの半額の建設費用で電気代がパッシブハウスを下回ると想定します。

さらに超高断熱住宅が蓄電池を採用すれば電気を全く購入しない無買電住宅になる可能性もあります。次なる省エネ住宅の目標は「無暖房住宅」から「無買電住宅」へ移行するでしょう。

20年後の施主へ

私が初めて家を建てたのは20年数年前です。20年経っても建材自体は開口部の性能が向上(サッシ・玄関ドア)した以外、ほとんど建材の性能は変わっていません。

そして、高気密高断熱住宅の存在はもとより、そのコントロール方法や使い方については、ごく一部の人だけが知っているという状態もずっと変わっていません。

UA値は1.54Wから0.5Wぐらいが当たり前の時代になりましたが、0.5Wとは準防火地域で複合サッシと3.5寸柱に充填断熱をすると到達できる数値なのでここから上の普及は難しいと思います。

未来の施主へ私から3点ほど託したいことがあり、1つはF式全館冷房の改良版です。もう1つは基礎で気密を取って床で断熱する工法の可能性と3個目は数値計算です。

【全部タダで公開しています】F式小屋裏エアコン・階段ホールエアコンのノウハウ!
はじめに 私が提唱しているエアコン1台での全館冷房(除湿)は、その独特なエアコンの運転方法について、私ことフエッピーの頭文字をとって「F式」という呼称で広まっているようです。 誤解の無いように申し上げておきますが、エアコンを1台に減...

低コストな三種換気の場合、給排気口とエアコンの位置に注意して、なるべく風圧の弱いパイプファン(プロペラファン)は利用せず、風圧の強いシロッコファンを利用してください。

また、知識の少ない施主が自己責任で無理をして床下エアコン・小屋裏エアコンを採用する必要はないでしょう。UA値やC値が良い家においても換気と空調を失敗する人が後を絶ちません。

床下エアコンは省エネ装置ではなく快適装置
はじめに 一条工務店の全館床暖房はCOPが4.2しかないから、COPが6を超える壁掛けエアコンの高性能機種を利用した床下エアコンの方が省エネ性が高いと考える人がいますがそれは違うと思います。 なぜなら、一般的な基礎内断熱(立ち上がり...

夏はメインエアコンをキンキンに冷やさないと除湿不足になるので小屋裏エアコンを採用する場合は屋根断熱の結露対策をする必要があります。この話は今後の話題になるでしょう。

密閉型の小屋裏エアコンが難しい理由
はじめに 私は二軒目の家で小屋裏エアコンに挑戦しましたが、小屋裏エアコンを分類すると小屋裏と下の階の間に大きな開口がある「開放型」と開口が小さい「密閉型」に分類できると思います。 ここでいう開放型とはロフトのように下の階と小屋裏が間...

結露計算をせずに断熱性能だけで家作りを考えない方が良いと思います。屋根天井・壁・床を含めて冬型結露と夏型逆転結露の考慮をされると良いでしょう。

結露計算をまとめて出来るようにしてみた(夏型・冬型結露&天井屋根・壁・床)
はじめに 久しぶりにブログを書きます。ブログは内容が細かくて書くのが面倒なので普段はインスタグラムに思ったことを書いてましたが、今回は結露計算で情報量が多いのでブログに記載します。 温暖化により懸念される住宅の構造内部の夏型結露につ...

建材の劣化については湿度コントロールが重要で樹脂は加水分解しますから湿度を60%以下に保つということはダニやカビの抑制だけでなく色々な面から家の劣化を防止すると思います。

冬は断熱性能が良くてもコールドドラフト対策は重要であることは変わらないし、一階と二階の温度差は当然発生して空気は家の中を動きますから給排気口とエアコンの位置は非常に重要です。

断熱性能や結露計算は昔からやっている人はいましたが、UA値になって計算が簡素化したため、未来の施主は家の熱損失の計算方法が分からなくなってしまうのではないかと懸念しています。

計算ツール
F式(私ことフエッピー式)の各計算ツールは無償でドドーンとご提供します。その代わりサポートはございませんので自己責任でご利用ください。また、告知なく修正しますので、ご利用の際は最新版をダウンロードしてご利用ください。 ダウンロードを行...

自分自身はトップランナーであったとしても多くの人はそうではありません。家を建てる程に思うことは快適に住める家であってもそれが世間に普及できなければ意味があるのかということです。

もし私が20年前に今の知識があったら最初の家作りは全く違ったものになっていたでしょう。きっと20年後に家を建てる施主にも私の家作りの情報は役に立つ部分があると思います。

最後に

第四次ブームはいつ起こるのでしょうか。このままブームが続くのか10年後に起きるのか。恐らく私は住宅ローン減税などの景気回復策の拡大によって起きると思っています。

2025年の省エネ基準義務化を控えた現在ですが、人件費や資材の価格が上がり建築コストが2020年比で1.2倍ぐらいになっていて、今後はさらに土地を含めた建築コストは上昇すると思います。

都市部で駅近のマンションは投機対象になっているため価格が跳ね上がっています。都市部の人にとって戸建住宅は夢のまた夢でマンションを購入することも難しくなるかも知れません。

建築コスト上昇に消費者の賃金上昇が追い付かない状況では消費者は家を建てたくても建てることができない状態になり、体力の弱い住宅会社は受注が減って倒産していく可能性があります。

住宅会社の財務状況については、決算書の開示は会社法で非上場を含む全ての会社に義務化されているのに違反している企業が大半です。これは非上場企業である一条工務店も同様です。

テレワークを利用した田舎への移住という選択肢についても二極化しており、出社を奨励する企業が増えてきていて、都心の電車ではラッシュアワーが復活しています。

住宅会社は職人さんが減っていって工法の合理化が求められると思いますが、手間の多い軸組工法よりもツーバイフォーに転換した方が良いと思いますが、簡単には転換できないのでしょう。

世間で言う在来工法(軸組工法)とは法隆寺に見られるような伝統工法ではありません。戦後の資材不足から普及した新しい工法であり、そのままでは弱点が非常に多い工法と言えます。

【暴論】軸組工法廃止論
はじめに(出典:日本ツーバイフォー協会)本日は木造軸組工法は消費者をミスリードするため廃止した方が良いという飛んでもない暴論です。軸組工法を採用した方は素人の戯言だと思ってご容赦ください。軸組工法は設計が自由でツーバイフォーは...

高価格帯の住宅は軸組工法を進化させたラーメン構造を採用して超大開口などの自由設計に向かうと良いと思います。ドイツでは高級住宅は手間のかかる軸組で一般住宅はツーバイのようです。

現在、主流の軸組工法は「間取りが自由=耐震性が低くなりやすい」ですし、気流止めとファイヤーストップがないことから住宅の高性能化において普及が難しい面があると思います。

新住協によってGWS工法が公開されていますが一般化する気配はなく、むしろ多くの地域ビルダーは屋根断熱と基礎断熱に現場発泡ウレタンを採用した高気密化を採用しています。

ローコストに高性能住宅を建てるには現場の手間を削減する必要があり、高価格帯以外の注文住宅は間取りの規格化や構造のパネル化をしてコストダウンしていく必要があるでしょう。

一条工務店はやることが異常ですからデザインはAIで他社を解析して標準化して、外壁やフローリング等に無垢板を採用するにおいては収縮しないサーモウッドを検討して欲しいと思います。

さて、インフレが起きないと給与も上がらないので物価高は一概に悪いとはいえませんが、人口が減って空き家が増えていく状況において住宅が取得できないなんておかしいですよね。

断熱改修やリノベーションの補助金が政府から出ていますが、消費者は新築住宅でさえ住宅会社選びに困っているのに、高性能化のリノベーションはさらに依頼先選びが難しいと思います。

さて、ここで国債を削減したり金融を引き締めてしまうとバブル崩壊の二の舞になると思うので、投機による不動産や株取引だけ税率を上げるなどの部分的なクールダウンが必要かもですね。

日本の国策は矛盾に満ちていると思います。低成長に終わった平成の失われた30年間をまったく総括せずに、脱炭素やSDGsといった環境ビジネスを台頭させようとしています。

公共投資等の財政支出を削減して地域をさびれさせたのは間違いない事実で、結果的に景気が低迷してデフレを起こして税収が減り財政再建が滞るという訳のわからない政策を国はしていました。

国の借金や少子化問題などに話をすり替えて、地方を没落させてしまった様な国の政策のミスはこれまでも繰り返されてきています。脱炭素政策はそれとは違うと言い切れるのでしょうか。

本日は色々と書きましたが、要するに私は「誰もがいい家を安価に求められる社会環境」になって欲しいだけなのです。もちろん、お金がある人は高性能かつ嗜好性の高い家作りも良いでしょう。

現在、高気密高断熱住宅を知っている人は少数です。断熱気密と叫ぶだけでは理想を語るだけで不寛容な日本の野党のように永遠に多数派の国民のニーズとはならないでしょう。

どうすれば高気密高断熱住宅が普及するのか。不勉強な住宅会社は潰れてしまえと不寛容なことを言っているだけでは何も変わらないでしょう。消費者には代わりとなる受け皿が必要です。

住宅の価格が高騰し職人不足が進む中、消費者にとって現実的な受け皿はどのような住宅会社選びであり家作りでしょうか。読者の皆さんも考えてみてください。

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