早くも夏日!窓の日射遮蔽の重要性とは!

考察
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はじめに

本日は日中に30℃を超える夏日になった地域もあるようです。窓から入る日射熱でオーバーヒート(室内が暑くてたまらない状態)してしまった家も多いと思います。

前々から申し上げていますが、日本には四季があると言われていますが、温暖化が進んでいるため高気密高断熱住宅の中では冬と夏の二季しかありません。つまり、冬が終われば夏なのです。

ゴールデンウイーク付近の高気密高断熱住宅は窓を開けないと暑くてたまらないという家と窓を開けなくても涼しいという家に分かれますが、我が家は窓を開けなくても涼しい家です。

我が家は南向きで日当たりが良く4マス(12尺)のパノラマウィンドウが付いている家であるため、外気温の上昇と日射熱によってオーバーヒートしそうですが全くオーバーヒートしません。

簡単にいうと、窓から日射熱が入らなければ高気密高断熱住宅の春は涼しいということです。

一般的なパッシブ設計とは夏の窓の日射遮蔽+窓を開けた通風と冬季の窓からの日射取得ですが、窓の日射制御は誰も反対しないと思いますが、窓を開けた通風は意見が分かれるところです。

高気密高断熱住宅は5月から家の中が暑いから冷房代が増えるとか日本の気候にあっていないと考えるのは早合点で、春からオーバーヒートする現象は20年以上前から分かっていたことです。

高気密高断熱住宅では窓に対する日射制御(コントロール)が重要で、冬季は日射取得を行い、それ以外の季節は日射遮蔽を行うという両方をさして日射制御と呼んでいます。

本日の温湿度

今日は全国的に夏日の地域が発生するという予報でしたので、朝から写真を撮っておきました。

朝の7時31分では無暖房状態で、室温は22.2℃・外気温は13.2℃でした。

 

最高気温付近の15時01分では室温は23.4℃・外気温は28.6℃でした。室内は涼しくて快適です。ご覧のように日射遮蔽をしている高気密高断熱住宅では室温が1日の中で1℃程度しか変動しません。

 

平屋の我が家ですが、ご覧のように屋根の軒が80cm+雨どいがあるため窓から日射が入っていません。窓の表面温度は太陽光の乱反射と外気温の上昇によって25.8℃になっています。

 

適切な長さの軒や庇を窓の上に設置していれば、冬は窓から日射熱が入るため暖房費用が減り、春からは日射熱が窓から入らないようになります。

くれぐれも日射熱は家の外側でカットしてください。家の内側のカーテンやハニカムシェードでは30%しか日射熱がカットできません。

窓の日射制御は高気密高断熱住宅の絶対セオリーなのですが、大手のハウスメーカーの家は見た目がスッキリした家を希望する人が多いと思うのでそうなっていないケースが多いと感じます。

窓の日射遮蔽が重要

一般的には軒や庇の長さは窓の高さの30%の長さと言われますが、正確には軒や庇が設置される場所から窓下までの高さの30%程度です。軒や庇が長すぎると冬季の日射取得が減ってしまいます。

軒や庇の設置高さが分からないという人が多いと思いますが、掃出し窓の場合は天井高さの30%と考えると丁度良いと思います。2.4メートル天井なら80センチの軒ということです。

しかし、一条工務店では一階の窓について問題が発生します。価格の安い庇の設定がないため、高額なアーバンルーフを設置するか、アイプレートを設置してシェードをかけるかの二択なのです。

コスト高だが手間が無い コストは安いが少し手間
南側の一階の窓 アーバンルーフ(値段が高い) アイプレートを設置して
シェードをかける(台風の時は外す)
南側の二階の窓 屋根の軒を80cm(寒冷地は50cm)
南以外の窓 小さく少なく、採光のために高く設置

 

こちらは自宅のi-cubeですが一階の窓にアーバンルーフを窓庇として設置すれば、窓から冬季は日射が入り春から日射が入らなくなります。春から窓が日陰になっていることが分かると思います。

 

こちらはセカンドハウスのi-smartですが平屋なのでアイプレートを軒の下に設置しています。実験のためにスダレが付いてますがスダレがなくても軒が深いため春から窓に日射は入りません。

 

高度成長期以降の日本の家の弱点は窓に日除けがない住宅が多いことです。

昔の家は雨漏りを防ぐために屋根の軒や窓に庇がついていましたが、現在の家は防水技術が良くなったことからコスト削減のために軒や庇が廃止され、日本の家の賢さが失われてしまいました。

日本の風土にあった住宅を建てましょうと言って、窓を開けて通風することを勧める住宅会社がありますが、一方で屋根の軒は短くて窓の庇は設置しないなどアベコベな状態です。

ご近所のヘーベルハウスは鉄骨住宅で軒も窓の庇もないことから夏は暑いためか日中はシャッターを80%ぐらい閉めて、窓をあけて隙間から通風しているので見ていて気の毒になります。

こういった家が冬に暖かく夏に涼しい高気密高断熱住宅として販売されていますが、家の温熱的な快適性は断熱性能だけでは決まらず、日射熱が大きく影響します。

花粉症の家族がいると窓が開けられない

外の絶対湿度が低いこの時期は花粉症ではない方は窓をあけると良いと思いますが、花粉症の方にとっては窓をあければ地獄の季節です。

一条工務店やスウェーデンハウスのようなハウスメーカーで建てる高気密高断熱住宅は幅広い施主のニーズに対応するために高気密高断熱住宅のセオリーから外れてしまう事が多いと思います。

高気密高断熱住宅は南側の窓は日射遮蔽(軒や庇、シェードの設置)をした上で大きくして、南側以外の窓は小さく少なく採光のために高く設置することがセオリーです。

つまり、冬以外は窓から日射を家の中に入れないことがセオリーなのですが、大手のハウスメーカーの家ではお客様のニーズを優先してしまうためセオリーから外れた家が多いと感じます。

項目 一般的な家作りのニーズ 高気密高断熱住宅のセオリー
窓の数 できるだけ沢山設置する 南側以外の窓は少なくする
窓のサイズ できるだけ大きくする 南側以外の窓は小さくする
軒や庇 軒や庇のないスッキリとした家 南側の窓の上に軒や庇を設ける
窓を開けた風通し 重要視する 重要視しない

高気密高断熱住宅は冬の暖かさを重視していますが、それ以外の季節のことを考えないまま家を建ててしまう人も多いのかなと思います。

ただ、今後については新型のロスガードに外気を熱交換せずに取り入れるバイパス換気機能が搭載されているため、春のオーバーヒートは夏日を除いてかなり回避できると思います。

窓は開けるか開けないか?

高気密高断熱住宅は春に窓を開けるか開けないかと言った議論がありますが、これも結論は出ていると思います。つまり、花粉症の家族がいなければ好きにすれば良いのです。

ただ、国民の4人に1人ともいわれる花粉症は家族がいつ発症するか分かりませんから、花粉症に備えた家作りはしておいた方が良いでしょう。

区分 網戸の設置 窓の日射遮蔽 備考
1 網戸設置コストは掛かるがどの様な生活にも対応可能。
2 網戸設置コストを抑えつつ窓を開けない生活。
3 網戸設置コストは掛かるが窓をあける生活。
4 冷房で室温調整をするため冷房費用が増える。

 

高気密高断熱住宅の設計者は本音ではこの時期は窓を開けないことをお勧めしていますが、日本人にとって窓を開けない家作りと言ってしまうと抵抗を受けてしまうのであえて言わないようです。

設計者の中には窓を開けることの是非についてお客さんを説得することが面倒なので以下のような定番の言葉があります。

きっちり閉めることができて、きっちり開けることが出来る家を作りましょう

 

真夏には既に私たちが子供の頃のような窓をあければ夜は涼しいという時代は過去のもので、都市部では窓をあけても夜は温風しか入ってこないため熱帯夜に体力を奪われる状態です。

また、梅雨から秋にかけては空気中の水分量である絶対湿度が多いため除湿をしなければカビやダニとお付き合いする生活になり布団や洗濯物を外に干すという重労働な家事になってしまいます。

春と秋は花粉症でなければ窓を開けても良いですが、花粉症の人は秋の2週間程度しか窓を開けて快適な日はありません。

私は秋の2週間のために網戸を設置するのはもったいないと判断して、三軒目のi-cube、四軒目のi-smartには1つも網戸が付いていませんが、まったく生活に問題は感じてません。

ただし、設計時に窓の日射遮蔽を考慮していないと窓から入る日射熱によって春からオーバーヒートしてしまうため、設計時に網戸を付けないと暑くてたまらないことになります。

「窓に網戸は必要か?」問題については、設計次第で答えが変わるということは既に分かっているため、あとは施主の好で選択すれば良いと思います。

最後に

前回、いまの省エネ基準であるH28年省エネ基準とその前のH11年省エネ基準の断熱について書きましたが、高気密高断熱住宅は20年以上前に日射制御を含めて理論上は既に完成しています。

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国が作った省エネ基準の解説書を読むと分かりますが、夏の除湿以外のことについてはどのように高気密高断熱住宅を建てるべきか既に20年前から全部答えが書いてあります。

このように言っている私も20年前に初めて家を建てたときは省エネ基準なんて存在を知りませんでしたから、国民が省エネ基準を理解するまでに相当のタイムラグがあるのだと思います。

除湿の必要性については、この20年の間に温暖化がさらに進んで夏は窓を開けても過ごせない状態になることを1999年当時の省エネ基準は想定できていなかったのでしょう。

そして、高気密高断熱住宅が実際に普及していく中で消費者ニーズというものがあって、高気密高断熱住宅のセオリーから外れてしまう高気密高断熱住宅が特に温暖地では多いと感じます。

「実は高気密高断熱住宅はこうだった」というような施主の情報発信がたくさんありますが、高気密高断熱住宅のセオリーを知らないと誤解を招く情報発信になってしまうと思います。

高気密高断熱住宅は冬の暖かさだけでなく、四季すべてに快適になるように考えて設計しなくてはいけませんが、これが非常に難しくて考えることが4倍になってしまうからでしょう。

家は好きなように建てれば良いということも正解ですが、家の性能を発揮させる方法を知った上で好きに建てるのと知らないで好きに建てるのでは大きな違いがあります。

ある意味、大手のハウスメーカーは販売至上主義でしょうから、「窓を開けなくても良い家」なんていうお客様の反感を買うような家の売り方や家作りはしないと思います。

家作りの正解は個人ごとに異なりますが、一生に一度の家作りの人が大半であるのなら、なおさら家作りの知識は深く知っておいて損はないと思います。

 

本日は以上でございます。

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