はじめに
オリコンランキング上位のハウスメーカーについて順番に私が選ばなかった理由を記載していこうかと思ったのですが、私の検討の対象になるハウスメーカーが少な過ぎるため止めました。
そして、私が本気でハウスメーカーごとに断熱性能・気密性能・シロアリ対策を記載していくと、想像を絶する記事になってしまうため止めておきます。
ただ、私は壁内結露を考慮して気密測定をしないハウスメーカーとは契約する気がないため、大手では一条工務店・スウェーデンハウス・セキスイハイム以外は候補とならないのです。
今はオシャレでも気密測定をしない冬に寒くて夏に暑い家を建てたら30年後に家族の世代が変わる時に建て替えになると思いますから、コストパフォーマンスが悪いと思います。
そして、高気密高断熱に加えてデザインやインテリアそしてブランドを求めるなら、値段が高いけどオリコン満足度1位のスウェーデンハウスで家を建てます。
恐らく多くの一条施主が勝手にライバルだと思っているのはスウェーデンハウスだと思います。まぁ一条工務店より価格が高いので憧れのような面もあると思いますけどね。
一条ハウスも最近坪単価が上昇してきていて、ヘーベルハウス等と競合すると営業さんが言ってましたが、私はヘーベルハウスを一条工務店との比較対象だと思ったことはないですね。
また、積水ハウスのような高い提案力があったとしても断熱と気密性能が低い大手ハウスメーカーと契約する気はなく提案力や営業マンに問題があれば担当者の交代を要請します。
何千万円もかける家作りですから、営業マンや設計士さんとの相性だけでハウスメーカー選びはしません。必要であれば担当者の交代を申し出るぐらいの覚悟が家作りには必要だと思います。
以上で記事のタイトルの内容が終わってしまったので、本日は一条ハウスの実情と直接のライバルだと思っている設計事務所や地場工務店との比較を書きます。
一条の防犯防火トリプルサッシは無敵
温暖地でトリプルサッシは必要かと聞かれれば、第一優先で必要と答えます。なぜかというと、一番安く断熱性能を改善できるという事とペアサッシは窓の結露量が多くてふき取るのが面倒だからです。
他のハウスメーカーでもトリプルサッシの採用が増えていますが、市街地の大半を占める準防火地域では防火ペアサッシに変更になると思いますから、知らずに契約すると後悔すると思います。
レガリスといった5層ガラスの窓もありますが、コストが高くまた防火対応していないことから、現状ではトリプルサッシかペアサッシに真空ガラスを搭載したものが現実的でしょう。
ただ、YKKAPのトリプルサッシであるAPW430には防火仕様はなく、APW330防火窓は網入りでU値は1.6W程度ですから眺望性と性能がかなり下がります。
恐らく、流通している窓ではエクセルシャノンの防火トリプルサッシが一般的だと思いますが、U値が1.25W~1.8Wと一条のトリプルサッシ単体のU値0.8Wと比較して性能が低いです。
またエクセルシャノンを含めて大手サッシメーカーは過去に窓の性能偽装をしており、一条工務店の樹脂サッシの耐火実験によって他サッシメーカーの性能偽装が発覚したと言われています。
私が一条工務店と打ち合わせしていた時は二階建てまではオプションですが防火トリプルサッシが採用でき、シャッターが不要で網のない防犯合わせガラスは一条でしか手に入らないと思います。
大手ハウスメーカーは坪単価が高いにも関わらず標準は性能の低い2.33Wのアルミ樹脂複合サッシを採用している場合が多いと思いますから、これはもうボッタクリと言うしかありません。
また、一条ハウスも窓庇がないため、軒を伸ばしたり窓にアイプレートを設置してシェードを付ける人が増えましたが、窓の性能が良くても日射コントロールができていないと夏に暑くなります。
同様に窓に庇がないヘーベルハウスのキュービックの家をみると、夏は日射が暑くてシャッターを閉じている家が多く、なんのために窓を大きくしたのか分からない家になっていると思います。
一条ハウスの断熱欠損はどれほど問題か
一条ハウスにはユニットバス下の基礎天端などに断熱材が設置されていない断熱欠損が若干あり、地場工務店などではこの部分を結露するとか施工が丁寧でないと批評しています。
ただ、Q値と結露計算ができる人にはその影響は心配する必要はないと分かりますから、こんなレベルの批評をしているということは地場工務店は相当に一条に追い詰められているのでしょう。
影響が少ないとは分かっていても断熱欠損が気になる私は稟議で現場発泡ウレタンを断熱欠損部分に吹いてますし、その他の断熱欠損にも対策をしましたが、これは気分の問題でしかないです。
まぁ一条工務店の方針は細かな断熱欠損の対応に手間をかけるよりも、面積の広い壁などの建材の性能をトコトン上げて全体で熱損失を抑える方針のようですが、それは正しいと思います。
地場工務店での家作りをしている方は施工が丁寧であれば性能が劣っていても若干の断熱欠損がある一条ハウスを上回ると考えると思いますが、Q値を計算すればそんなことはないとわかります。
家はそもそも木部自体が熱橋になっているので20%程度は木部の断熱欠損はあるのです。断熱欠損が少し増えたからって光熱費が逆転するようなことはないと考えれば分かると思います。
ただ、一条工務店は細かな断熱欠損で批評を浴びないように、断熱欠損を減らした方が余計な批評が減って企業のイメージが良くなりますから、仕様を見直してはと思います。
一条ハウスの本当のコストパフォーマンス
一条工務店を検討する方の中には様々な設備を搭載している一条ハウスの将来のメンテナンス費用に不安を持たれている方もいるでしょう。
ただ、冬に寒くて夏に暑い気密測定をしない家は30年後に建て替えられてしまう事も事実だと思いますから、コストは将来の家の建て替え費用まで含めて考えた方が良いと思います。
床暖房、ロスガード、太陽光パネルなどの設備については、何十年かして床暖房と太陽光パネルが壊れたら放置して構わないと思います。修理するのはロスガードだけで良いでしょう。
一条ハウスは1台~2台の小型エアコンで全館暖房が可能であるため、設計時点で二階の階段ホールと一階のリビングに人の常駐する場所にエアコンを向けないように設置しておけば良いだけです。
床暖房信者?の方はエアコン暖房に抵抗感があると思いますが、エアコン暖房の場合は各部屋にエアコンを設置する必要はなく、エアコンの設置場所が適切なら床暖房に近しい快適性になります。
冷房ではさらぽか空調を採用しない場合エアコン1台で全館冷房が可能で、暖房を含めると小型のエアコンが2台あれば全館冷暖房が可能であり一条ハウスは考え方次第では維持費が安い家です。
また、屋根一体型の太陽光パネルは強化ガラスであり発電しなくなっても、屋根として利用できますから、全面に太陽光パネルを設置した場合は屋根の塗り替え費用がなくなります。
私は契約時に床暖房・ロスガード・ハニカムシェードを外せないかと相談したのですが、標準仕様なので外しても減額にならないことから、壊れたら放置しようと思いました。
つまり、ロスガード以外の設備が故障したら一般的な高気密高断熱住宅と同様の生活をすれば良いだけであり、設計時に一般的な高気密高断熱住宅を同じ設計を折り込んでおけば良いのです。
それでは一条ハウスにした意味がないとかムダな初期投資だと思われるでしょうけど、一条ハウスはその断熱性能や気密性能さえあれば30年以上は建て替えが必要のない家です。
コストパフォーマンスの捉え方は人によって違いますが、私は一条ハウスの設備を全部更新しなくても、高気密高断熱住宅としての基本性能の高さから30年以上使える家だと考えています。
最後に
ハウスメーカー比較のような壮大な記事を書こうと思っていたのですが、一条ハウスと比較する大手ハウスメーカーが少なすぎて断念しました。
スウェーデンハウスとの比較記事を書こうかとも思ったのですが、性能は一条ハウスの圧勝でもブランドやオシャレさでは到底敵わないため、身の程を知って比較記事は諦めました。
一方で高気密高断熱住宅が得意な設計事務所や地場工務店の家作りは二軒目の家で体験したこともあり、一条ハウスとの直接的なライバルだと思っているためどうしても比較してしまいます。
ハウスメーカーでの家作りは所詮は出来合いのものの中から選ぶということであり、最も共感するハウスメーカーのコンセプトから選ぶ形です。
よって、ハウスメーカーの中で比較をしていても規格型住宅の域を出ないため、本当に色々なことをしたければ設計事務所で建てると良いと思います。
ただ、内装はおろか柱や断熱材の種類から選べる設計事務所での家作りはしんどいです。設計事務所のお勧めはあるものの、あらゆる建材を調べようと思えばその労力は膨大で体が疲弊します。
そういった意味で私は二軒目の家作りで燃え尽きてしまった感があり、フルオーダーの設計事務所での家作りはもう体力的にやりたくないと判断して一条工務店の施主になった訳です。
家作りはデザインやインテリアを含めて色々な価値観があると思いますが、30年後に建て替えの必要がないと自信をもって言える家を建てられると良いですね。
本日は以上でございます。