建売住宅でもC値1.0以下が登場か?

考察

はじめに

高気密高断熱住宅は必要なのか?

世間ではまだ賛否両論ですね。ただ、私が二軒目の家を建てた2010年頃に比べると相当に消費者の中で高気密高断熱住宅を求める人は増えたと感じます。

まだ、大手ハウスメーカーを含めて大半の住宅会社は気密性能をしていませんが、ローコスト系の建売住宅でもC値1.0以下を目指すという会社が生まれつつあります。

これまでも高性能な注文住宅を建てているビルダーが建売でも気密測定をしているケースはありましたが、完全なローコスト系地場工務店が全棟の気密測定をする話は私は聞いたことがありません。

建売住宅でもC値1.0以下が登場か?

長崎県でローコスト系建売住宅を提供している「あおぞら不動産」という小さな会社の息子さんが上げているYoutubeで2020年内に全棟C値1.0以下、Ua値0.6W以下を目指すと仰ってます。

ちょっと内容はおっちょこちょいな感じがしますがご愛嬌というものでしょう。そして建物の価格はカーテン・照明などを含めて30坪で1470万円予定とのことです。

気密測定は全棟でなくては意味がありません。モデルルームの気密測定結果が良くてもそれは施主の家とは全く関係のない話だからです。

あおぞら不動産の家の工法をみると住設は良さそうですが、基礎などはそんなにお金を掛けてない一般の建売住宅の印象です。耐震等級は3相当ということで構造計算はしていないでしょう。

ローコストの中で良心的な家を建てるにはやむを得ない面もあると思いますが、今回この価格でC値1.0以下を全棟目指すというのは立派な取り組みだと思います。

息子さんもお若いので今後は新住協への加盟や設計士を志してみてはと思いますね。

気密性能の向上に必要なことは

私は二軒目の家を建てる際に、工務店さんから現場で気密の取り方を教えて頂き、一部の窓枠の周りの気密処理の作業を手伝わせて頂いたことがあります。

以下のような方法で慣れると気密は簡単に取れるそうです。

部位 簡単な気密の取り方
天井 合板を張った桁上断熱にするか、現場発泡ウレタンを使った屋根断熱にする
気密パッキンを入れて合板を張るか、現場発泡ウレタンを採用する
剛床にして気密処理をするか、基礎断熱にする
サッシ周りは現場発泡ウレタンを使った場合でもシーリングする
配管配線 気密テープで処理するか、現場発泡ウレタンで隙間を塞ぐ

充填断熱ができない梁の部分の断熱や熱橋となる金物の断熱補強を考えるとローコスト系住宅の断熱材には現場発泡ウレタンの採用がもっとも合理的だと思います。

ただ、壁に合板を張らずに透湿防水シートにじかに現場発泡ウレタンを吹くと通気層がつぶれてしまいますから注意が必要でしょう。

また、現場発泡ウレタンは水蒸気を通しやすいので透湿抵抗比に注意が必要です。

地域 結露しない壁構成
温暖地 現場発泡ウレタンA種3+ダイライト等の透湿抵抗比の低い面材
準寒冷地・寒冷地 現場発泡ウレタンA種1H+ダイライト等の透湿抵抗比の低い面材

透湿抵抗比の計算は私の結露計算シートで出来ますので興味のある方はご利用ください。

計算ツール
F式(私ことフエッピー式)の各計算ツールは無償でドドーンとご提供します。その代わりサポートはございませんので自己責任でご利用ください。また、告知なく修正しますので、ご利用の際は最新版をダウンロードしてご利用ください。 ダウンロードを行...

上記のA種3の現場発泡ウレタンを使った温暖地仕様はフラット35を借りる際は透湿抵抗比がフラット35の基準を満たせないため、室内側に防湿シートの施工が求められると思います。

ただ、その場合は防湿シートを施工する手間賃を考えたら、A種1Hの高性能な現場発泡ウレタンを使った防湿シートなしの寒冷地仕様にしても金額は変わらないのではないでしょうか。

グラスウールは材料費は安いものの防湿シートや気密コンセントBOXの利用など施工手間がかかるため、現場発泡ウレタンの方がローコスト系住宅会社には合っていると思います。

住宅の高気密化は賛否両論

最近は、消費者のニーズを反映してなのか、ほとんどの新築注文住宅は省エネ基準のUa値0.87W(Q値2.7W)は余裕でクリアしています。

窓にアルミ樹脂複合サッシをすればUa値は0.6Wまで落ちますし、トリプルサッシを採用すればUa値は0.4W程度になります。

しかし、気密性能についてはまだ本当の意味や使い方を理解している消費者は少ないため、注文住宅でさえも気密測定をしていない住宅会社が大半です。

先日にYoutubeで放映されたラクジュの本橋さんと松尾設計室の松尾さんの対談の中では大手ハウスメーカーは一条に性能で勝てないならもう性能のアップはしないような推測がありました。

これが本当の話なのかは別として、一条工務店に勝てないなら断熱も気密性能も向上するのはただのコスト増にしかならないという意識だとしたら、消費者軽視な話だと思います。

気密性能は全館冷暖房ために必要なんていうと気密性能はぜいたくなイメージが湧いてしまいますが、気密性能の意味は奥が深くて建物の耐久性向上や省エネや健康に貢献するものです。

最後に

Ua値0.6でC値が1.0の家とはどんな家かと想像すると、窓は若干結露するものの家の陽当りが良ければ冬季も省エネで快適であると思いますから、このような住宅も良いと私は思います。

また、窓の日射制御に注意して夏季はエアコン1台での全館冷房に取り組めば、気密性能を活かした快適な生活が送れると思います。

ローコスト系住宅は高気密化することで、エアコンの台数の削減と省エネ性の向上が図れますから、高気密とローコストは相性が良いと私は思います。

ローコスト系の建売住宅にまで全棟の気密性能の話題が出る事は10年前なら考えられないことですね。

あおぞら不動産の息子さんが私のブログをお読みになるか分かりませんが、ぜひ建売住宅の高気密化を頑張って欲しいですね。

本日は以上でございます。

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