関東地方の梅雨明けは7月24日か?
(出典:Yahoo天気予報)
2019年の梅雨明け時期は分かりやすそうで、関東地方は天気が回復する7月24日になると思います。東海地方などについては7月23日ではないかと思います。
皆さん、梅雨明けから真夏に突入しますので熱中症や夏バテにご注意ください。
既に大気の熱量は真夏
上記は私が公開しているアメダス絶対湿度計算シートにて2019年7月のアメダスの東京の観測データを張り付けて計算したものです。
画像右下の黄色のセルはエンタルピーが既に70kJ/kgを超えていることを表していて、エンタルピーとは温度と湿度の両方の熱を合計した全熱の熱量です。
私が過去にエアコン1台での全館冷房に取り組む中で、必要なエアコンの容量を計算したくて外気の熱量を計算していたら、ある計算が梅雨明け宣言と符合することを見つけました。
つまり、大気の熱量の合計であるエンタルピーが70kJ/kgを数日超えて晴れ間が出たタイミングで、偶然にも気象庁の梅雨明け宣言が出ていたのです。
私は天気から真夏を判断しているのではなくて、大気中の熱量から真夏を判断しているため、気象庁のいう梅雨明け=真夏であるなら結果的に一緒になるということなのでしょう。
そして、関東地方はまだ天気が悪いですが、既に7月18日から大気の熱量は真夏になっています。
不快指数など色々計算できます
私の作ったアメダス絶対湿度計算シートにはオマケが沢山ついていて、体感温度や不快指数なども計算できます。
体感温度は温湿度に風速を加味して計算されますから、やはり風が涼しさを感じさせるのは計算からも明らかなのですが、私の計算シートはそれが家の中でどう変化するかまでを計算しています。
家の快適性を考えるときに色々な指標が語られますが、家の外と中を区別せずに誤解して語られるため、まとめて計算できれば誤解も減るだろうと思った次第です。
興味のある方は以下からアメダス絶対湿度計算シートをダウンロードしてご利用ください。
梅雨に必要なエアコンの能力はどの程度か?
私の作成したアメダス絶対湿度計算シートでは換気扇の熱交換を無視した三種換気状態のエアコンの必要能力を計算することが可能です。
7月19日の平均外気温26.7℃、平均湿度89%、エンタルピー77.3kJ/kg、曇り一時雨という日照時間が3.8時間という条件で必要なエアコンの能力を平均値から計算してみます。
その他の条件は室温27℃、室内湿度60%、床面積100m2、天井高さ2.4m、換気回数0.5回/h、Q値1.0W、μ値0.030であり、一般的な一条ハウスだと思って下さい。
外気 | 室内 | 気温差 | 日射熱 | 内部発熱 | 合計 | |
温度 | 26.5℃ | 28℃ | ▲142W | 132W | 465W | 455W |
湿度 | 89% | 60% | 1697W | 1697W | ||
合計 | 2152W |
上記は熱交換換気を考慮していない三種換気の状態ですが、必要なエアコン能力は2152W(2.1kW)、つまり6畳用のエアコン程度の能力が必要ということです。
天候の悪い梅雨明け前の状態においても、室内でエアコンが除湿する際に水蒸気が持っている熱が顕在化するため、その膨大な熱量を処理する必要があります。
梅雨が明ければ気温ばかりが報道されると思いますが、大気の熱は気温と共に水蒸気の中にもあり、真夏では気温と水蒸気の抱えている熱量は同量ぐらいになります。
逆に言えば気温は昼間しか高くない反面、湿度は常時高いため、熱中症の予防には湿度を24時間除去することが非常に重要であることがわかります。
梅雨が明けて真夏になれば、窓から入る日射熱を家の外側でカットすることが重要になってきます。くれぐれも熱中症にはご注意ください。
なお、換気扇の熱交換や家の漏気までを含めたエアコンの必要能力を計算したい方は、私が別途作成した住宅省エネ計算シートをご利用ください。
昔より気温が上昇している
(出典:気象庁)
上記は都市化の進んでいない15拠点と東京の気温変化を比較したものです。
日本全国の気温がここ100年で上昇していることがわかりますが、特に都市化が進んでいる地点においてはヒートアイランド現象によってさらに気温が上昇しています。
既にエアコンを適度に使う時代からエアコンを常時使わないと熱中症にかかったり、熱帯夜によって体力を奪われる時代です。
未だエアコンを極力利用しない生活を良しとする風潮がありますが、これは時代錯誤であると言えます。つまり、昔と現在は気温が明らかにちがうのです。
私の小さいころは運動中に水を飲むことは厳禁でしたが、いまは時代が違います。日本人の精神力が落ちたのではなくて、気温がそもそも昔とは違うのです。
住宅情報にはタイムラグがある
家作りの情報は10年~20年遅れて一般化しますから、高気密高断熱住宅が寒冷地から発祥しているということもあって、まだ高気密高断熱住宅の情報はかなり前の寒冷地の情報が中心です。
寒冷地の夏は湿度を度外視すれば、窓をあけて風通しを良くすれば凌げると思いますが、これが温暖地では通用しないことを知っている人は少ないと思います。
ようやく、高気密高断熱住宅の大御所の方々が出版する本にも温暖地の高気密高断熱住宅は夏は窓をしめてエアコンを使わないと凌げないと記載されるようになってきました。
ただ、この情報が大手の住宅情報に掲載されて、一般化するまでにはまだ10年の歳月がかかると思いますから、最先端の情報は大手の住宅情報にはないことは覚えておいてください。
熱中症や冷房病にならない間取りを作ろう
もはや、気温が昔と違うため特に温暖地ではエアコンを必要最低限利用する家作りからエアコンを常時利用しても冷房病にならない家作りに移行する必要があります。
私は冷え過ぎずにしっかり除湿できる家が高温多湿な日本には最適であると考えているため、コストの安い小型のエアコン1台での全館冷房を紹介しています。
現状の日本家屋の間取りの問題点としては、窓を大きくして風通しをすることを前提とした間取りであるため、エアコンや家具を設置する壁が少なくなってしまうということです。
壁が少ない間取りの問題点は、少ない壁にエアコンとベッドやソファなどの家具が並んで設置されてしまうためエアコンからの風が人に直撃して冷房病になる間取りが高い確率で出現する点です。
全ての窓を小さくする必要はありませんが、南側の窓は大きくして日除けを設置して南側以外の窓は小さき少なく高く設置すると四季のすべてに快適な高気密高断熱住宅になると思います。
間取りを作ってからエアコンの位置を考えると既に冷房病になる間取りになっている可能性が高いですから、生活動線と同じくエアコンの位置も間取り作りと一緒に考えると良いと思いますよ。
本日は以上でございます。