吹抜けを作るとコストが増えて日当たりが悪くなる?

考察

はじめに

一条工務店の施主は吹抜けを作れば一階の日当たりがよくなって吹抜けは坪単価の半額で設置できることからコストダウンができると認識されていると思いますがそれは間違いかもしれません。

そして、日当たりの良くない土地を購入した際に何となく吹抜けを作れば一階は日当たりが良くなると想像すると思いますが実はそうならないケースが多いのです。

私は日当たりを確保するために吹抜けが必要かどうかの判断は以下のように冬季に日射がどの程度当たるかで判断すると良いと思います。

冬季の南側の日当たり 南側隣家との関係 吹抜けの有効性
一階までしっかり日が当たる 12m以上の距離が離れている 吹抜けが無くても日射は入る
二階には日が当たる 6m以上の距離が離れている 吹抜けがあると日射が入る
二階にも日が当たらない 南向きでない、隣家が三階建て 吹抜けがあっても日射が入らない

真南に向いている土地は実際は多くはなく、家作りでの重要項目である家の日当たりについては冬季に土地のどこに日射が長時間当たるかを知った上で建物の配置を決める必要があります。

土地が真南に向いていないときは土地と合わせずに家を真南に向ける方法もありますし、家を東南に向けて建てて二面採光を狙うという手段もありますから建物の配置計画はとても重要です。

土地の南側の家が三階建てであったり天空率を使って北側斜線を回避している場合や土地が南から大きく振れて東南や西南向きの土地では冬季に二階すら日が当たらない可能性が高いです。

本日は、冬季に日射が取れると思ったら実際は取れなかったという良くある事例についての話です。

南道路の土地という落とし穴

南側の隣家が二階建てだとして冬季に一階まで日が当たるには南側の隣家と12Mの距離が必要ですから、南道路の土地であっても4m道路では冬季は二階にしか日射が当たらないことになります。

購入される土地の冬季の日当たりについては隣家の影を含めて検討する必要がありますが、日当たり君という無料ソフトでおおよそのシュミレーションが可能です。

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はじめに 明けましておめでとうございます。昨年末に発売した私の家作りの本については沢山ご購入いただきましてありがとうございました。 さて、今年のブログは以下を目標を掲げようと思います。 長文はやめる(自分が疲れるし読者も疲...

都市部では南側が12m開放されている土地などなかなか手に入らないため、南向きの土地を買ったからといって冬季に一階まで日射が入るとは限らないことを知っておいた方が良いでしょう。

また、昔は大きかった南向きの土地を南北に縦長に分筆したような土地では、土地に合わせて家を縦長にすると外壁量が増えて暖房費用が上昇する点も理解しておくと良いでしょう。

吹抜けを設置すると建築費用が増加する?

一条工務店のi-seriesは総二階のルールがあり、建築費用を抑えようとして坪単価半額の吹抜けやバルコニーを設置すると思いますが、これが予算オーバーの原因になっていると感じます。

二階より一階の面積が大きいから吹抜けやバルコニーを二階に設置することになりますが、間取りを見直して一階を小さくできれば吹抜けやバルコニーを設置する必要はなくなります。

私はInstagramでエアコン1台による全館冷房の相談を受けていますが、図面をみると30坪以下の家の人でも2坪ぐらいは削れそうなスペースが見受けられます。

一階の床面積を減らせば自動的に二階の床面積も減りますから、一階を1坪減らすことがコスト削減の最短ルートだと思います。

坪65万円なら2坪減らせば130万円のコストカットができますから、吹抜けをなくして部屋にしたとしてもおつりがくることになります。

坪単価半分の吹抜けやバルコニーを設置するとコストがセーブできると思っている人が多いかもしれませんが、多くの人の図面を見ている中でコストがむしろ上がっているケースもあります。

吹抜けを設置すると日当たりが悪くなる?

南側の隣家と6mの距離がないと、土地が南を向いていない場合や、南側の隣家が三階建てのような場合は、冬季に二階にも日射が当たらないと思った方が良いでしょう。

ただ、一般的には日当たりが悪い=吹抜けを設ければ良いと誤解されていると思いますが、隣家との距離がない場合は、吹抜けを設置すると逆に日当たりが悪くなります。

日射があたる位置よりも南側に吹抜けがあると吹抜け部分の屋根が日射を遮ってしまうため、その場合は下屋などを作って二階を北側に後退させた方が二階の日当たりが取れるようになります。

つまり、冬季に二階に日射がしっかり当たらない場合は、二階の南側には大きなバルコニーか下屋を設けて二階を後退させてから、二階リビングにすると良いでしょう。

狭小地の二階リビングの間取り

試しに都市部で見られる超狭小住宅で間取りを作ってみました。土地23坪・建物22坪・建蔽率60%・容積率100%という非常に建築が難しい土地でのシュミレーションです。

まず、容積率からみて総二階にはできないため、南側の日当たりが悪いと想定して、二階の南側には下屋を設けました。大きなバルコニーを設置すると容積率オーバーになってしまいます。

土地の広い地域の人から見ると狭小住宅はウサギ小屋に見えると思いますが、都市部では通勤1時間圏内の土地は駅近だと坪100万円以上するため建物より土地の価格の方が高い状況です。

老後のことを考えると水回りと寝室は1階に配置したいところです。そうなると、リビング・ダイニングを分離しないと一階が収まらないため、今回はリビングのみ二階にするプランです。

日本人は二階リビングというと、LDK全部を二階に持っていく傾向があると思いますが、リビングだけ二階にするという発想もありだと思います。

やはり、家のどこかで日当たりが良い場所が欲しいため、二階リビング(キッチンとダイニングは一階)には大きな窓を設置して日当たりを確保したいですね。

このプランでは一階の間取りは全くムダがない状況ですがダイニングにテレビがあるためリビング的な使い方もできると思います。なお、赤い丸はRAYなど補助冷暖房用のエアコンの位置です。

一階のダイニングは回遊型の間取りにするために、丸テーブルを採用しています。これは狭小住宅では良く使うアイデアで間取りを回遊型にしなくても家具で回遊型にすることもできます。

 

二階の子供部屋は狭小ですが、リビングが二階にあるため遊ぶときはリビングで遊ぶことができます。なお、赤い丸は小型のエアコン1台で全館冷房する場合の再熱エアコンの位置です。

二階リビングは畳コーナーにしても良いですし、二階のエアコンの下には小型の冷蔵庫やお茶道具を置いても良いでしょう。

 

家が狭いと不自由だと想像すると思いますが、二階にリビングがあって一階に第二リビングとも言えるダイニングがあるため、家が狭くても窮屈感を感じないと思います。

狭小住宅ですが一階と二階のLDKを合計すると19.5畳もあります。この理由として今回のプランでは廊下が全くない点がポイントですが、リビングとダイニングが廊下を兼ねているからです。

家を大きくすれば廊下が必要になり、一階に20畳のリビングを取ると二階が大きくなるため、家全体の坪数を抑えるにはリビングとダイニングを分割して廊下レスにした方が良いと思います。

一般的には予算が少ない狭小住宅では庭を取り込んだり心の豊かさで解消するような話が多いですが、心は豊かでも体は寒いですから家の性能にも配慮した狭小住宅であるべきでしょう。

今回のプランでは収納が少ないため、下屋収納か小屋裏収納があると良いと思います。居室に収納を増やすと坪単価満額になってしまうため、下屋収納か小屋裏収納がお勧めです。

また、最近の狭小住宅ではダイニングかリビングのテーブルは片方あれば良いという意見もありますが、私は狭小住宅ではリビングとダイニングの分離すると廊下がなくなると思っています。

その理由として二階にファミリースペースとなるリビングがあれば、各居室は寝て勉強するだけの小さな空間に出来るからです。

子供はその内に家を出ますから子供部屋を大きくすると将来に空き部屋になってしまうので、家族の共有スペースを各フロアーに設置して家全体を減築するという考え方もできると思います。

しばしば、性能の高い一条工務店が第一希望だったけど予算不足で諦めたという人の話を聞きますが、家を小さくすれば一条工務店で家を建てることができたのではないでしょうか。

家を小さくすることは、建築費用の削減や住んでからの光熱費や固定資産税の削減につながるため、お金があれば大きなゆとりのある家も良いですが小さな家にも良さがあると思います。

最後に

本日は総二階にすると冬季に二階に日射が当たらないケースについて回避策を検討してみました。

モデルケースとして超狭小な住宅を想定して間取りを作ってみましたが、頭の中で室内をウィークスルーしてみると意外と住み心地が良さそうだと思いました。

一般的には広い土地を買えば家が大きくなってしまいます。そして、一階の面積を縮小せずに吹抜けやバルコニーを設置すれば家作りの費用がどんどん膨れていきます。

一階の坪数を減らすには、外壁を凸凹させないようにして、一階と二階の壁と窓を揃えると良いです。そうすれば耐震性が良くなりますから、設計のNGが出にくくなります。

今回シュミレーションした間取りは一階と二階の壁が揃っている部分が多いことがわかりますが、これが揃ってないと梁で二階の壁を受けるために一階の天井に垂れ壁が出現してしまいます。

多くの施主は自分で考えた間取りを持ち込んで図面を作ってもらっていると思いますが、一階と二階の壁や柱が半分以上は揃ってないと構造上のNGになると思います。

一階と二階の壁や柱が揃っている状態を乗りが良いと言いますが、熊本地震ではこの直下率が悪かった耐震等級2の建物でさえも倒壊していて、直下率は60%以上は必要だと言われています。

さて、日当たりの悪い小さな土地でも日射を予測して間取りを作ることでゆとりのある生活が送れると思います。また、闇雲に吹抜けを作るとコストが増えて日当たりが悪くなる場合もあります。

土地を買う際には必ず冬季の日射シュミレーションをした方が良いと思います。一般的な総二階の家を建築すると日当たりが悪い場合でも、設計次第は日当たりが取れる家になるでしょう。

 

本日は以上でございます。

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