【激暑】2100年 東京の夏の最高気温は43℃?

考察

はじめに

昨夜は一条工務店の本社のある浜松において夜間の気温が30℃を下回らない超熱帯夜となったようです。本当に私の小さい頃と気温が変わってしまったと思います。

コロナウイルスの影響と共に猛暑日においても「ステイホーム」と言われるように不要不急な外出はしないように呼びかけられています。

そして、このまま地球温暖化が進み産業革命以降の気温上昇が1.5℃以内に納まらなかった未来の日本では過酷な夏の暑さがまっているようで猛暑日よりさらに暑い日は激暑日というようです。

(出典:環境省

環境省に言われなくてもここ最近の真夏の猛暑を見ていると地球温暖化防止の対策がうまく行かずに未来は激暑になる可能性が高いと私は感じています。

未来の夏は家の中にいないと危ないという現実がまっていて、暖房費用よりも冷房費用の方が大きくなると想定されます。

いま住宅ローンを組んだ人がローンの終わる2050年頃には東京などの温暖地の真夏の最高気温は40℃を超えていると思います。働き方や生活様式も変わっているのでしょうね。

ファイナンシャルプランナーは未来の気温や家の性能に応じた資金計画を作ることができません。そういった意味でどのような家を作るかは施主が考えるしかないのです。

HEAT20のG1がコスパ最強なのか?

現時点では冬季に家の日当たりがよければHEAT20のG1グレード(6地域でUA値0.56W≒ZEH)の家はコストパフォーマンスが良いと思います。

ただ、猛暑が加速する中でG1グレードはコストパフォーマンスが高いと言えるのでしょうか?10年先の気温はいまより高いと思われますがその時に断熱性能は不足しないでしょうか?

そして、外気温が高い世界では暑い外気が室内に侵入しないように気密性能が求められますから高気密住宅は未来の日本に必要なものであることは間違いないと思います。

ただ、夏に暑くならない家という観点では高断熱化や高気密化よりも前に考えることは沢山あります。そして、空調について考える前に窓から入る日射熱をカットすることが最優先です。

一条施主においても、さらぽか空調だけでは暑いといった感想を述べる人もいて、やはりエアコンは個室に設置すべきだといった発想をする人が出てくるでしょう。

ただ、夏に窓の日射遮蔽をせずに全方向の窓を大きくしてオーバーヒートしたら個室エアコンで室温調整すれば良いのだということでは家作りが後退し過ぎてしまうと思います。

さて、温暖化が進み冬季に窓から日射熱を取り込む必要性が減るのであれば、まったく窓から日射取得をしない遮熱Low-Eガラスが普及するかも知れません。

ただ、現状においては窓から入る日射を冬季は取り込み夏季はカットすることがローテク設計の基本中の基本ですから、空調に頼る前に現時点ではまずはパッシブ設計を重視すべきでしょう。

なお、現状よりもさらに温暖化が進む未来では夏に窓をあけて換気することが暑くて難しいため、ここでいうパッシブ設計とは窓の日射制御のことであり窓を開けた換気は含みません。

G1グレードで家を建てる場合は、パッシブ設計と共に外壁を白系にする・屋根の断熱は壁の倍程度の性能(断熱材の厚みの問題ではない)にすることが重要だと思います。

恐らく30年後にはG1グレードの性能の家は夏に冷房代が高くなりすぎたりオーバーヒートしてしまうと想定されます。まぁ、その時になったらリフォームすれば良いかもしれませんね。

ハイテクよりローテクが重要

我が家は窓から入る日射熱をしっかりカットしているため、温暖地の猛暑日において6畳用のエアコン1台で全館冷房をしていれば家中が耐えられないような暑さにはなりません。

猛暑日対応や省エネの話をすると、太陽光パネルやエアコンを新型に買い替えようという話がすぐに出てきます。なぜ、家の断熱気密やパッシブ設計について真っ先に考えないのか不思議です。

今回はハイテク装備とは将来故障するものでありローテク装備とは若干の経年劣化はあるものの故障せずに性能を発揮しつづけるものという定義で話をします。

なぜ日本人がハイテク技術ばかりに目が行くかと言えば日本人は自国の技術に対する信頼があると共に、ハイテク設備の普及には商売や産業の利権が絡んでいるからだと思います。

一条工務店はハイテク装備満載であるから将来の修理費用が心配だと良く言われますが、これは半分正解で半分間違いだと思います。

私は強化ガラスでできた屋根一体型の太陽光パネルは葺き替え不要の屋根材だと思っているため、将来故障した際に費用対効果が合わなければ修正せずに使い続けようと思っています。

冬はエアコン暖房をしているため床暖房は使っていないので故障しても修理しません。そして、もし床暖房が故障したとしても床をはがして修理をしたなんて話は聞いたことがありません。

一条の全館床暖房を利用しないのであれば一条工務店で家を建てる意味がないと感じると思いますが、家作りにおいて私が重視しているのは後述する一条工務店のローテク技術の部分です。

床暖房はヘッダーボックスから温水パイプである架橋ポリエチレン管が継ぎ目なしで施工されているため、故障があっても修理箇所はヘッダーボックス周りか室外機の修理に留まるでしょう。

もし、架橋ポリエチレン管から簡単に漏水するというのであれば、住宅内の水道も同様の仕組みですから、トイレ・お風呂のシャワー・洗濯機の水栓・バルコニーの外水栓なども対象です。

使い慣れた水道設備については将来の不安を示さず、なぜ床暖房の故障だけことさら取り上げるのか良く分かりませんが、使ったことがない慣れないものに対する不安なのかもしれません。

私は一条工務店のハイテク装備を評価して家を建てた訳ではなく、以下のようなローテク設備を評価して契約しています。一条ハウスはハイテク設備を除いてもコスパが良いと考えています。

  1. 加圧注入材の利用
  2. 耐震等級3
  3. 高気密高断熱
  4. トリプルサッシ
  5. ハイドロテクトタイル
  6. 強化ガラスの屋根一体型太陽光パネル(将来、発電しなくなっても良い)

そして、ロスガードについては故障したら修理しようと思っていますが、地球温暖化が進むほどに熱交換換気の重要性が増してきます。外気温の高い未来では三種換気は不利になると思います。

さらにいうと、気温が上昇した世界では屋根の軒や窓上の庇やシェードといった窓の日射遮蔽というローテク中のローテクが家作りの中で最重要になってくると思います。

現在、語られる一条工務店で家を建てる際のメリット・デメリットについては、現時点でもちょっと違うなというものもありますし、未来には的外れな考察になっている可能性があります。

昔を懐かしむのは老害の始まり?

私が小さい頃は運動中に水を飲ませてもらえませんでした。だからといって今の子供達に運動中は水を飲むと体力が付かないよなんて言いません。明らかに気温が違うからです。

家作りにおいても新しいことや難しことを考えるのは嫌だと思う人もいると思いますが、これまで大丈夫だったからという理由でこれからの家作りはそれを踏襲して良いのでしょうか?

このような猛暑日が続く中で、年代を問わず深く家作りを考えずに昔に戻せば良いとか現状のままで良いという考え方は老害というかお局様的発想だと言えるかもしれません。

老害とは年をとった人が陥る余計なお節介発言ですが私を含めて年を取ると前例踏襲になりがちですしリスクを恐れるという意味ではお金のない若い人の方が保守的になることもあるでしょう。

例えば、現在の日本家屋は軒が短い上に全方向の窓を大きくして夏は風を通して、エアコンは各部屋に個別設置で冷房病を招くという家作りが主流ではないでしょうか。

大昔の日本家屋にあった深い軒の家などは見られなくなって、太陽光パネルを乗せてオーバーヒートしたらエアコンをガンガン利用するような住宅になってしまっています。

そのような現状の住宅に警鐘を鳴らすかのように自然を取り戻そうとして子供の頃にみた田園風景を良しとするむきもありますが田んぼは自然破壊の結果であるためこれは錯覚だと言えます。

そんなに住宅のハイテク設備に嫌悪感を示すならエアコンを使うなと言いたいところですし、スマホやパソコンの利用なんて便利過ぎて失うものが多すぎるため利用厳禁でしょうね。

家作りはハイテク設備を過度に利用しない方が良いと思いますが、新しいものを恐れてそれを利用しないことは学びの機会を失うため仕事などの創造性においてマイナス面が出ると思います。

未来の家作りは日射制御と断熱気密などのローテクを中心とした中で最小限エアコンを利用する姿が良いと思います。将来、どんな気候になったとしても家作りはローテクが基本でしょう。

最低限のエアコンの利用といっても、24時間小型のエアコンを利用するという形での最低限の利用という意味であり、エアコンを頻繁にON・OFFするという意味ではありません。

エアコンを止めてしまうと湿度がコントロールできなくなるため、ダニやカビの発生といった別の問題が出てきてしまうからです。エアコンは人から離れた場所に設置すれば寒くありません。

エアコンを人が常駐する場所の近くに設置してしまうようなエアコンの使い方が良くないからエアコン嫌いになっている人が多いため、今後の家作りにおいては真っ先に改善すべきでしょう。

2100年とは言わずに2050年には夏にエアコンを24時間利用しない生活などあり得ないと思われるため、家作りにおいてエアコン嫌いなどと言っていられないはずです。

最後に

高気密高断熱住宅の設計方法は換気や空調方式を含めて2010年頃には既に確立していたと思いますが、最近ようやくYoutubeなどの媒体を通じて広まる兆しが見られます。

高気密高断熱住宅で育った子供は何の違和感もなく家とはこういうものだと考えると思いますが、高気密高断熱住宅で育ってない世代がそれを理解することは容易ではないでしょう。

現時点では冬に暖かい家が注目されるようになって、まずは住宅の高断熱化が進みました。現在の注文住宅は既に大半の家が高断熱住宅であって不足しているのは窓の日射制御と高気密化です。

つまり、お金がたいしてかかる話ではないのです。

高断熱化の必要性は理解できる人が増えたと思いますが、窓の日射制御と高気密化はなぜ必要なのかなかなか理解されないと思いますが猛暑日の期間は理解されやすいかも知れませんね。

そして、窓の日射制御や高気密化の話を飛ばして個室エアコンが良いのか全館空調が良いのかといった議論は順序が違うのではないかと感じます。

極端に言えばUA値やC値がどうのと言う前にパッシブ設計をすべきだと思います。そしてパッシブ設計をしなかった人は可能な限り窓の外にシェードを設置するなどの対応をすると良いでしょう。

このような話が理解されるまでにあと20年ぐらいかかるかもしれません。そうなると住宅ローンが終わる35年後ごろに、やっとパッシブ設計や全館空調などが普及しているのかも知れません。

現時点で将来の資金計画や住宅のコストパフォーマンスを考えるのであれば、2100年へ向けた家作りとは言わないものの2050年に向けた家作りはそろそろ考えても良いかもしれませんね。

 

本日は以上でございます。

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