換気エアコン ダイキンうるさらXの考察

考察

はじめに

ウィズコロナの環境において換気が注目されています。ただ、冬季に窓を開けて換気すると部屋が寒くなるため長時間の窓を開けた換気は無理があります。

そこで給気ができるダイキンのうるさらXというエアコンが注目されていますが果たしてどのような状況でこのエアコンが有効なのか考えてみたいと思います。

【ダイキン】Rシリーズ 製品情報 | ルームエアコン
ルームエアコンRシリーズ 「うるさらX」のページです。換気しながら、加湿・除湿、冷暖房できる。AI運転など快適機能充実「うるさらX」。ルームエアコンならダイキン。

換気量が足りているのは14畳用まで

うるさらXのカタログ値から計算してみると、このエアコンは高気密高断熱住宅にはあまり馴染まないエアコンではないかと思います。

計算条件は床面積100平米で2.4mの天井高さの家において絶対湿度は室内10g/m3・室外4g/m3としています。室内は22℃・50%の想定です。

まず、エアコンの給気量と各部屋の計画換気量を比較すると14畳用までは計画換気量が確保できますが、14畳より大きい部屋では計画換気量が確保できません。

高気密高断熱住宅では14畳より大きなエアコンを設置することは通常はないと思いますが、全館の必要加湿量を計算すると1台のエアコンで加湿を賄うには14畳未満は加湿量が不足しています。

今回は生活排湿は考慮しておりませんが、14畳未満のうるさらエアコンでは生活排湿を含めたとしても全館を1台で加湿するのがギリギリです。

24時間うるさらエアコンで加湿をした場合ですが、14畳用1台の月間の加湿コストは電気代kW当たり@27円で計算した場合、加湿コストだけで23,328円/月にもなってしまいます。

加湿にこんなコストを掛けるのは余程のお金持ちでないと難しいと思います。

参考までですが、表の住宅性能という項目にQ値とUA値を記載しています。これは床面積が100m2の家をエアコン1台で暖房する場合に必要な家の性能を表しています。

最後に

結論的には100m2程度の床面積でUA値0.54W以下の家で14畳用のうるさらエアコンを採用する場合は暖房能力・給気能力・加湿能力のバランスが取れますがそれ以外ではバランスしません。

うるさらエアコンについてかなり悲観的な評価をしている理由として、私は二軒目の家でうるさらを採用してデシカント加湿の消費電力が多すぎるという経験をしているからです。

一見すると、給気のできるうるさらエアコンは三種換気の代わりになるように思えますが、14畳以上の機種では部屋の大きさを畳数と同等とした場合は給気量が足りません。

ウィズコロナに伴って換気ができるエアコンであるとアピールをしていますが、高額な最上位機機種であるこのエアコンを各部屋に設置しないと給気量的に換気装置としては機能しません。

そして、加湿には省エネ性とメンテナンスを考えると気化式の加湿器が良いと思いますし、水蒸気を気化させるためにはヒートポンプの暖房で室温を上げることがコスパが良いでしょう。

三種換気の方はエアコンの下に給気口を設けて、加湿は気化式加湿器にした方が良いと思います。

上記の画像は私の二軒目の家でうるさらエアコンの下に給気口を設けた事例です。三種換気の場合はこの様に給気口を設置することで給気口からの冷気を抑制できます。

やはり、うるさらのようなデシカント式の加湿は消費電力が多すぎます。一条工務店のさらぽか空調についても冬季に加湿をすれば結構なコストがかかります。

その対策として一条工務店では換気装置のロスガードに水道管を直結させたロスガードうるケアという気化式加湿機能を搭載しましたが、この加湿システムは手間いらずで最強だと思います。

結論として、ダイキンの換気ができるうるさらエアコンは1台で家全体を賄う給気量はなく、各部屋にエアコンを設置すれば設置費用とランニングコストが高額になるという商品です。

私は暖房機器としてダイキンのエアコンは好きですが、換気ができるエアコンというセールストークは無理があるのかなと思います。

 

 

本日は以上でございます。

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