はじめに
2021年は例年より20日程度、梅雨入りが早いという異例の気候です。関東と東北はまだ梅雨入り宣言が出ていませんが天気をみると実質的には梅雨入りしていると思います。
ジメジメとした梅雨はカビやダニの増殖と洗濯物の生乾きが発生しますから、そんな季節を乗り切るために本日は難しい理屈抜きで、エアコン1台を使った家中の除湿方法について記載します。
ネットでエアコン1台全館冷房を試している人を見かけますが、湿度があまり下がっていないと感じることがありますので、除湿に興味がある方は参考までにご覧ください。
また、一条工務店支給の温湿度計を含めて大抵の湿度計は湿度が低く表示される場合があるため正確性の高い湿度計がおすすめです。
エアコンの設定方法
冷たい空気は上昇しないことから二階建ての場合は二階のエアコンを動かします。室温を考慮しなければマンションや性能がそれほど高くない家でも全館の除湿は可能だと思います。
エアコン設置場所 | |||
吹き抜け二階 | 二階階段ホール・居室 | 平屋・マンション | |
運転 | 冷房 24時間運転 | ||
設定温度 | 23℃前後(21℃~24℃) | ||
風量 | 最弱 | ||
風向き | 下(又は水平) | 下 | 水平 |
再熱除湿機能を使わない、もしくは再熱がないエアコンにおいては、風量を弱くした冷房運転と除湿運転(弱冷房)はほぼ同じであるため、運転は冷房運転で良いと思います。
一般的な設定温度が27℃前後や自動運転では室温は下がっても湿度はあまり下がらないでしょう。
エアコンの設定温度が低いと消費電力が増えるわけではないことは、エアコンに消費電力を測る(ワットチェッカー・HEMS)機器を設置するとわかります。
風量を最小限にする意味は部屋の中の温かい空気を大量にエアコン室内機に通過させるとエアコンの熱交換器が温まってしまうため結露せず除湿がたくさんできないからです。
二階の階段ホールや使用していない部屋のエアコンを利用する場合、風向きを下にする理由は冷気をかき混ぜずに床に流して一階まで冷気を届けるためです。
平屋やマンションにおいてリビングのエアコンの風向きを下にするとソファに座っている人に冷風が直撃してしまう場合は風向きは水平にされると良いでしょう。
各家によってエアコンの設定にアレンジは必要なものの、基本の設定は以上のようになります。
部屋が寒いとき
24時間冷房をするには人に冷気が当たらない場所や風向きでエアコンを運転する必要があります。ただ、家の中が寒いといった場合は以下のような対応方法があります。
対応方法 | 備考 |
再熱除湿を利用する | 再熱除湿機能があるエアコン(設定温度22℃程度) |
カーテンを開けて窓から日射を入れる | 雨天と夜間は利用できない |
エアコンを止めて除湿機を利用する | コンプレッサー式が消費電力が少ない |
エアコンのフィルターを増やす | エアコンに入る空気の量を減らす |
二階冷房+一階暖房 | 間取りによっては難しい |
最後に
本日は梅雨の除湿対策として非常に簡略化した内容を記載しました。
家の性能に関わらず家の中の空気の量はほぼ同じですから誰にでもどんな家でもエアコンを使った除湿はできると思いますが、人に冷気が直撃しない場所にエアコンが設置されていないと厳しいと思います。
除湿機を利用する方法もよいと思いますが、消費電力の割に除湿量が多くないため、はやり最強の除湿機はエアコンだと思います。
家中の相対湿度を60%以下に保てばカビやダニの発生が抑制され、布団を干さなくてよくなり家事や掃除が楽になりますし、タンスの防虫剤や湿気とりの除湿剤も必要なくなります。
日本の家事を重労働にしている犯人の正体はジメジメとした湿度なのです。そしてダニの糞と死骸はアトピーの大きな原因になっています。
梅雨があけて盛夏になったらスダレなどの窓の日射遮蔽と屋根や天井の断熱が弱い家はエアコン1台で全館冷房をすることは厳しいと思います。
しかし、エアコンを使った家中の除湿に限定すれば、よほど気密が悪い家でなければどんな家でも実現できると思いますし、分かってしまえば理屈は非常に簡単です。
興味のあるかたはチャレンジしてみてください。全館冷房は完璧でなくても良いのです。