セカンドハウスを持ってみた感想

考察

はじめに

私は一条工務店の家を二軒持っていて、平日は都市部のi-cube、週末は高原に建つi-smartに住んでいます。豪華な別荘を持っていると誤解されるのですが、どちらも小さな住宅であり、i-smartは高原の住宅街の中に建設していることから別荘感の全くない普通の家です。

サラリーマンなのになぜ家を二軒持てるのかと言われると、資金運用は基本的にしておりませんが、お仕事を頑張ってお給料を少し多く頂いているということ、悪いことは一切しておりませんが恐らく一般的には理解されない色々な錬金術を知っているからでしょう。

i-smartは審査が寛大なフラット35のセカンドハウスローンにて建築していますが、フラット35を借りるには床面積が70m2以上必要になってしまうことと、オプションを付けまくった結果、建築費用が想定以上に増えてしまいました。

もちろん、住宅ローンは私一人で二軒分を借入しており、私が死んだ場合はローンが消えますし、病気にかかった場合の収入保障保険にも加入していますから、あとは自分の稼ぎが今後に伸びればもっと生活にゆとりがでることになります。

現状においても日々の生活にて効果的な節約をしていますから、旅行ができなくなるとか、ローンの返済に追われて生活が窮屈になるというほどの貧乏ではありません。しっかりと蓄えも残しています。

セカンドハウスの維持費

一般的な管理人さんがいる別荘地と私のi-smartを比較してみました。自宅のi-cubeとセカンドハウスのi-smartは距離でいうと100km程度であり、車なら片道2時間の距離です。ほぼ毎週末はi-smartで過ごしています。

一般的な別荘 我がセカンドハウス
返済 土地建物ローン 142万円/年
太陽光発電 +38万円/年
年間合計 104万円/年
維持費 管理費 5万円/年(近くの別荘地) なし(一般住宅地)
交通費 48万円/年(車のみ) 24万円/年(駅近:電車利用可)
固定資産税 10万円/年(同額として) 10万円/年
電気代 12万円(低気密住宅を想定) 5万円/年
ガス代 5万円/年 なし(オール電化)
暖房費用 20万円(薪代) 電気代に含む
水道代 2万円/年 2万円/年
下水処理費 3万円/年(浄化槽) 水道代に含む(下水あり)
インターネット利用料 8万円/年(ケーブルテレビ) 7万円/年(フレッツ光)
テレビ利用料 2万円/年(ケーブルテレビ強制加入) 設置せず
年間合計 115万円/年 48万円/年
30年合計 3,450万円/30年 1,440万円/30年

一般的な別荘地は駅から遠く車でないと通えないと思いますが、我がi-smartは最寄りの駅から歩ける距離で会社まで毎日でなければ何とか通勤できる場所にあります。また、オール電化の上下水道完備の高気密高断熱住宅であるため圧倒的に水道光熱費は安いです。

別荘というと薪ストーブに憧れますが、薪代が毎日2千円もするようではとても長期の滞在には耐えられませんから、ここは我慢してエアコン1台で全館暖房をしています(一条の床暖房も標準でついてますが使ってません)。

ただ、高性能な一条ハウスにおいて一般的な10kWの薪ストーブなんて使ったら(一応確認しましたが、i-seriesでは薪ストーブの採用はダメでした)Q値が1.0Wで床面積が100m2の家では100℃上昇するエネルギー量であるため、暑くて使えたものではありません。

上記の表をみると我がi-smart暮らしは交通費を含めた維持費が4万円/月、太陽光の売電を差し引いたローンが8.6万円/月程度であり、合計12.6万円が毎月の経費ですが、ある程度の年齢になって収入が上がってくれば支払えない金額ではないことが分かると思います。

我が家の設計士さんに聞いたところ有名な避暑地でもi-smartを建設したそうで、上記の表のようにガス併用の低気密住宅とオール電化の高気密高断熱住宅では30年間で2,000万円の維持費の違いがありますから、別荘は既にログハウス+薪ストーブという時代ではないようです。

皆さんが想像する別荘生活とは全然違います

一般的な高原の別荘というと冬は寒くて山の中の不便な場所にあって家のお手入れが大変といったイメージではないでしょうか。

通常は冬季に水道が凍結するため別荘から自宅に帰る時には面倒な水抜きが必要です。我が家は冬の外気温がマイナス10℃を下回ることもありますが、暖房は不在時でも入れっぱなしなので床下が凍結温度まで下がらないことから水道の水抜きは不要でした。

また、夏の別荘はカビに悩まされると言いますが、これも無縁でして不在時もエアコンで24時間全館冷房を行い除湿することでカビは全く生えません。冬季も夏季もエアコン1台で不在時に空調をしていますが、家の性能が良いため電気代は非常に安いのです。

高原なので冬は外に出ると寒いのなんのですが家の中は24時間全館暖房をしているため山の中にいることを忘れてしまう快適さです。それを低コストに実現できる理由は圧倒的な一条ハウスの断熱性能とエアコンなどのヒートポンプ機器による空調のお蔭です。

ただ、オール電化の高気密高断熱住宅なので、薪ストーブといった定番の別荘感がないというか、普通に都市部で生活していることと何も変わらないことが良い点というか不満な点といったところで、寒冷地だからと言って特別な家の管理やメンテナンスはありません。

山が近いため虫は多いですが蚊はほとんどいません。標高が高いことと都市部と違って蚊の天敵が沢山いるからなのでしょう。そして、鹿たちが家のすぐ前の草むらの中に夜は寝ていますので、深夜に家の前を歩くと鹿たちが跳んで逃げていきます。

それでも、駅は近いですし歩いて行ける距離にコンビニや大型スーパーがあって、むしろ自宅より便利なくらいです。物価は地元の方が行くお店と観光客用の店は違うため、地元民の行く店で品物を買えばむしろ都市部より安いです。

観光地でもあるため近くには見晴らしの良い山や色々と観光名所がありますが、最初だけ行きましたが後はあまり行ってません。近くの湖で釣りとかボート遊びなどもこれからしていこうかなと思っています。

ただ、セカンドハウスの土地の草刈りと近くに二束三文で買った山の中の広大な畑の手入れという作業がありますので、はっきり言って色々なことに手が回らないといったところです。

セカンドハウスは持つべきか

若い方は一軒の家を建てるだけで精一杯だと思いますが、もし将来金銭的に何とかなりそうだと思ったらセカンドハウスの建設はお勧めです。家を二軒建てると一軒目でやり残したことが実現できると思いますよ。

そして私のように、i-cube(さらぽか+二階建て)とi-smart(エアコン全館冷房+平屋)の両方に住んでいると商品の違いが良くわかりますよ。i-smartの豪華な設備も良いですが、格子窓がかわいくてシンプルな内装のi-cubeの方が私の好みです。

さて、一般的にはセカンドハウスを持つことと旅行に行くことをコスト的に天秤にかけて判断されると思いますが、私の中ではそういった比較ではなくて、どちらかというと実家と自宅があるような、帰る場所が2個あるといった感じです。

旅行は旅行でいけば良いと思いますが、セカンドハウスに落ち着くとあまり遠出したくなくなるというか、あまりにもセカンドハウスの居心地が良すぎて、静かにのんびり過ぎていく時間を楽しむというライフスタイルもあるんだなと今さらながら知りましたね。

まぁ田舎なので土地は140坪ありますから、都市部の狭小住宅ではできないような庭でバーベキューしたり、ちょっと魚を七輪で焼いてみたり、近くの湧き水でコーヒーを入れてみたり、洗車を自宅で自由に行える、そんな小さなことが都市部の人間には贅沢に感じます。

20畳の広さのあるイナバのガレージを建てたことも私には大正解でして、雨の日であっても色々と作業ができるため、非常に重宝しています。まさに男のロマンを実現した状態ですが今後はガレージの中に薪のロケットストーブでも作ってみようかと思います。

家を持つこと自体が負債だという考えもありますから、さらにもう一軒なんて多重債務だと思う人もいると思います。ただ、このゆっくりと流れる時間を味わうと、コストでは割り切れない世界もあると思うのです。

家作りは施主の価値観や経済力によって何が必要で何が不要かの判断は変わるでしょう。誰しも趣味や旅行にお金を掛けると思いますが、私にはこのゆっくりと流れる時間が趣味となってしまったようです。

最後に

なぜ、三軒目の家を一条工務店に依頼したかというと、実は最初から四軒目の家を遠隔地に建てようと思っていたからです。高気密高断熱住宅を建てるにおいて建築中に頻繁に現場に通うことが難しいことから、品質の安定している一条工務店を選択したわけです。

2017年4月にi-cubeの引き渡しを受けて、2018年10月にはi-smartの引き渡しでしたから、まさに怒涛のような時間でした。ようやくi-smartの引き渡しから1年が過ぎて落ち着いてきたところです。

二軒目の家を建てた際はフルオーダーの高気密高断熱住宅であったため、自分の性格の問題もありますが、建材を調べたり数値の計算をしたりと非常に体に負担が大きすぎて、次に家を建てる時はある程度は規格型の高気密高断熱住宅にしようと思っていました。

ある程度の規格型の高気密高断熱住宅という意味で世間では一条ルールに悩まされている方もいると思いますが、ツーバイ工法のクセというか発想がわかればかわし方もわかると思います。そして、耐震性を重視する私にはツーバイ工法は合ってるのだと思います。

私の家作りは四軒目にしてようやくまったく後悔のない家を建てられました。これ以上の家や間取りはもう作れないと自分でも思います。家は三軒建てないと満足しないと言われますが私は四軒かかりました。これも私を支えてくれた方々がいて達成できたことです。

振り返ると20年前に25歳で初めて注文住宅を建てた時には6畳用のエアコン1台で全館冷暖房するとか窓を開けない家作りなんて考えもしませんでしたが、いまはもう高気密高断熱住宅以外に冬季に寒冷乾燥で夏季に高温多湿な日本に合う住宅はないと確信しています。

一条ハウスの耐震性や防蟻性能そして気密断熱は十分だと思いますし、私としては空調と日射制御はやり切ったと思います。もし次に家を建てる機会があれば井戸水(地中熱)と太陽熱温水器などの自然エネルギーの利用ぐらいしか思いつきません。

私一人で普通の家庭の二倍は住宅ローンを背負っている状態ですが、セカンドハウスを持ったことに全く後悔はしていません。ホテルのような予約が必要無くて、いつでもゆっくりと流れる時間を味わえる空間を手に入れることはお金に代えがたいものがあります。

 

本日は以上でございます。

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