一条工務店の戸建て3チャネル販売戦略

考察
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はじめに

一条工務店は坪単価を上昇させているため、恐らくここ数年で一条工務店を検討する消費者層が変わってくると思います。もう庶民に手に届くハウスメーカーではなくなりつつあります。

私が四軒目の家を建てる際にセゾンアシュレという規格型の軸組工法の商品にしようかと思いましたが、窓にトリプルサッシが採用できないとのことで、最終的にはi-smartにしました。

その際に営業さんからは一条工務店はお手頃な商品価格設定から高価格な設定に向かうでしょうと言われていましたが、まさにいまその通りになってきています。

5年以上前の一条工務店の坪単価はまだ中堅クラスで、ローコスト系住宅と比較された方も多いと思いますが、これからは完全に高価格帯の大手ハウスメーカーとの競合になると思います。

これまで大手ハウスメーカーにおいて販売棟数No1に君臨してきた積水ハウスを検討する消費者がローコスト系住宅を検討しないように、一条工務店も施主の層が変わっていくことでしょう。

既に一条工務店は「価格の割にはコストパフォーマンスが良い」ハウスメーカーとして語る時代は過ぎていて、「コストパフォーマンスは高いものの値段も高い」ハウスメーカーになっています。

今後、予算が少ない方は一条工務店を検討しても無理だったという後悔しか残らない可能性がありますが、本日はそんな一条工務店の販売戦略について考えたいと思います。

一条工務店は都市部の販売が弱い

一条施主のブロガーはほとんどが田舎の方です。土地の坪単価が100万円を超える都市部では注文住宅を建てることすら資金的に難しいという面があるため当然の結果と言えます。

ただ、土地の高い地域であっても富裕層というか注文住宅を建てている客層がいて、現在は大手ハウスメーカーの顧客となっていますが、一条工務店が次に狙う層はそこでしょう。

しかし、総二階でパネル工法のi-smartでは土地が狭く建築規制が強い都市部では一条ルールが如実に建築を難しくするため、これまで一条工務店は都市部での販売を伸ばせていませんでした。

やはり、i-smartを建てるにはのびのびとした土地の広い田舎(特に寒冷地)が向いていると思います。

戸建て住宅における国内3チャネル戦略

海外の戸建住宅や国内ではマンション販売も手掛ける一条工務店ですが、国内の戸建てでは以下の3つのチャネル戦略になっていくと思います。

  1. 田舎や寒冷地向け(i-smart、i-cubeといった2×6枠組工法:カタログQ値0.51W)
  2. 都市部向け(グランセゾン、ブリアール等の軸組工法:カタログQ値0.98W)
  3. 建売分譲(i-palette 2×4枠組工法:カタログQ値0.89W)

グランセゾンの登場

(出典:一条工務店

i-smartなどの枠組工法は工場生産によるコストダウンと家の性能を追求する商品であったため、建築条件の厳しい都市部での建築が難しいという課題がありました。

枠組工法のパネルは大きいため建設地に侵入する道路が狭い場合はトラックが侵入できないといった問題や、総二階の積算ルールであるため斜線規制への対応が難しいという状況でした。

一方で軸組工法についてはパネル工法ではなく総二階のルールが無い事と壁の厚みが薄くなることから狭い道路や建築規制の強い都市部において建設しやすい商品でした。

一条工務店としては軸組と枠組の両方のラインナップは元からありましたが、i-smartが爆発的に売れたことから、軸組工法の地位が弱体化してしまったと言えるでしょう。

グランセゾンの発売前から都市部には軸組工法が合っている事は分かっていましたが、i-smartしか検討をしなかった人が多いためか、i-smart = 一条ルールといった誤解が拡散されていました。

一条工務店 枠組工法VS軸組工法
一条ルールの誤解 一条工務店は間取りが自由にならないと世間では言われておりますが、それはi-smartをはじめとする、枠組工法(ツーバイフォー)の商品の話です。 i-smartだけを見て、一条は坪単価が高いとか、高気密高断熱住宅に床...

枠組工法の壁の厚さは都市部では問題となることが多く、地価の高い都市部では民法における隣地から外壁後退距離である50cmすら取ることが厳しくなります。

そして、主力商品であるi-smartが建築できない土地の場合は特例的にセゾンにハイドロテクトタイルを設置していましたが、グランセゾンの登場はこの問題の解消を図ったものでしょう。

つまり、パネル工法でコストダウンと性能を追求する枠組工法では都市部の販売が伸びないため、人口の大半が住む温暖地の都市部の攻略に特化した商品が軸組工法のグランセゾンだと言えます。

ただし、現場での手間のかかる工法では品質維持と職人不足という状況に対応できないため、基本的には工場でどれだけ家のパーツを生産できるかが生き残りを掛けた勝負になると思います。

建売住宅 i-palette

(出典:一条工務店

一条工務店の建売住宅は2×4工法です。耐震等級3でありカタログのQ値は0.89Wという十分な性能ですから、注文住宅でi-paletteを販売したら多くの方がこの商品に流れてしまうと思います。

i-smileという名称で限定的に注文住宅としても販売されていて、規格型の注文住宅であり4000通りのプランから間取りを選択する形になりますが、とてもお得な商品だと思います。

規格型商品としては軸組工法のセゾンアシュレという商品がありましたが、カタログから消えてしまったことから、後継としては建売のi-paletteということなのだと思います。

i-paletteについては土地や間取りを気に入った場合には、i-smartよりも低価格で床暖房などの一条ハウスらしさを味わうことができます。

最後に

今後の一条工務店の注文住宅は高価格帯に移行してしまい、地域や寒冷地はi-series、都市部はグランセゾンやブリアール等、建売住宅としては2×4のi-paletteという形になると思います。

これまでは一条工務店を検討して予算的に難しかった方がローコスト系住宅を建てるケースが多かったと思いますが、今後については予算の少ない方は一条工務店を検討できないと思います。

一般的には大手ハウスメーカーというと8社会に属する、住友林業・大和ハウス・三井ホーム・へーベルハウス・ミサワホーム・積水ハウス・セキスイハイム・パナソニックホームズになります。

ただ、オリコン評価No1のスウェーデンハウスや販売棟数上位の一条工務店が入っていないことから、大手ハウスメーカーの枠組みは変わりつつあります。

既に一条工務店は坪単価的にも大手8社と競合する状況になっているため、これから一条工務店の展示場に訪れる方は価格帯を意識して検討されると良いと思います。

これまでは一条工務店の坪単価上昇や高性能な設備に対して批評がありましたが、今後については高坪単価のハウスメーカーになりますから、高価格はブランドに変わっていくのだと思います。

本日は以上でございます。

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