窓を開けたい本当の理由は家がカビ臭いから?

考察

はじめに

高気密住宅は換気がしっかりできるから窓を開ける必要はないと言われますが、実際には窓を開けたいという人が少なからずいます。窓を開けないと空気がムワっと感じる場合があるようです。

その理由が何なのか原因を考えたことはあるでしょうか?

窓を開けたいという衝動は閉塞感などといった心理的な問題として捉えられ勝ちですが、それ以外にもカビや雑菌から発生する臭いを感じ取った生理的要求なのではないかと言われています。

(出典:一条工務店

上記のように湿度は40%から60%に保つと良いと言われますが、ダニやカビだけでなく臭いの原因の1つであるバクテリアも相対湿度60%を超えると繁殖していきます。

ただ、さらぽか空調を採用しない場合はどうやって夏に湿度を60%以下にすれば良いのか誰も教えてくれないですし、夏は窓をあけても外気が高湿度であるため湿度は下がりません。

また、先日に高湿度環境(ダンプネス)は病気になる確率が上がるという記事を書きましたが、高湿度環境には臭いが発生しやすいという問題もあります。

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本日は、窓を開けない高気密住宅は息苦しいという話は高気密住宅を得意としない住宅会社のポジショントークだと思われていますが、そうでもないという話です。

窓を開けた換気は気持ちいい

春や秋といった季節は窓をあけてそよ風に当たれば気持ちの良いものです。風や鳥のさえずりなどの自然を感じるという生活も良いものですよね。

窓を開けると空気がうまいという人もいて、これにも理由があるのだと思います。

つまり、認識はしていないけれど部屋の中がカビや雑菌の繁殖によって臭っているため、窓を開けて換気をすると気持ち良いと感じている人が少なからずいるということだと思います。

窓を開けたい本当の理由がカビや雑菌の繁殖による臭いだなんて思っている人は少ないと思いますが、窓を閉めて部屋の空気によどみを感じるならカビや雑菌の繁殖しているのかも知れません。

さらぽか空調に住んでいる人が窓を開けなくて大丈夫だったと言っている場合、空気によどみを感じていないのだと思います。私も昔の家より布団や枕がが臭くないと感じます。

ただ、地域にもよりますが花粉症は国民の4人に1人と言われており、いつ発症するかわかりませんから、窓を閉めても快適な生活が送れる家にしておきたいものです。

しかし、梅雨から秋にかけて外気の湿度が高い季節に窓を開けたいとなると、そこには何か理由があるのだと思います。感覚でいうと空気がムワッとしている状態でしょうか。

なぜ、冬に窓を開けたくならないのにそれ以外の季節は窓を開けたくなるのか?気温差以外の理由を考えたことがある人は少ないかもしれませんね。

湿度が高い家はカビや雑菌が繁殖しやすい

生活様式にもよりますが新築の家であっても湿度が高ければすぐにカビや雑菌は繁殖します。これは自然現象であり生活様式の違いによる場合もあるため誰が悪いという話ではないでしょう。

冬は湿度が低いため多くの家ではカビの繁殖はお風呂などに限定されていると思います。乾燥を感じた場合、加湿をするのは構いませんが加湿し過ぎるとカビが発生するリスクが高まります。

梅雨から秋にかけては家の中の湿度が高ければカビや雑菌が繁殖して臭いのもととなりますから、窓をあけて換気をしたくなると思います。

窓をあけると空気がうまいという理由はここにあるのかも知れません。

一方、さらぽか空調やエアコンを24時間運転して家中の湿度を60%以下に保つと、生ゴミの臭いが気にならなくなった、旦那さんの枕が臭わなくなった、靴が臭わないという意見がありました。

私は湿度管理した状態で家に住んでいますが、外にでると空気がうまいとは特に思いません。高湿度な家の外より家の中のサラサラした空気の方が快適に感じます。

やはり、全部の家ではないものの湿度と臭いは非常に相関関係があって湿度が高い家は窓を開けたくなるけど、湿度が低い家は窓を開けたくならないという傾向があると思います。

高気密住宅は息苦しい?

高気密が得意でない住宅会社のセールストークとして高気密住宅は息苦しいという話がありますが、これは半分正解で半分間違いだと思います。

室内にカビや雑菌がたくさん繁殖していて計画換気の換気量では力不足で臭いが排出できなければ、高気密住宅でも低気密住宅でも窓を開けたくなるでしょう。

生活様式にもよりますが、高気密住宅=窓を開けないと定義すると臭いの排出が計画換気では足りない場合は息苦しくなるというのは間違いではないと思います。

一条工務店でもロスガードがあるから窓を開けなくて良いというのは二酸化炭素濃度が高くなったり酸欠で窒息はしませんよという意味でしかないでしょう。

ただ、部屋の息苦しさは窓を開けない高気密住宅に限ったことではなく、気密性能が低い住宅はダクトレスの換気の場合はそもそも換気がしっかり効かず窓を開けないと臭いが排出できません。

一般的な壁付けの三種換気はC値が1.0以下の住宅でないと計画換気が機能しないため臭いの排出が不十分になることから、カビや雑菌の繁殖する季節は窓を開けたくなる人も多いと思います。

結局はどんな家でも冬以外は家を低湿度に保たなければカビや雑菌が繁殖して計画換気で臭いの排出が追い付かなければ空気がよどんで窓を開けたくなる場合があるということでしょう。

そして気密性能が低い住宅では除湿をしようとすればエネルギーが多くかかってしまいますから、窓を開ける生活をしたい場合においても家は高気密にしておいて損はないと思います。

高気密住宅は窓をあければ低気密住宅になりますから、家を建てる際に自分にとって高気密住宅は必要ないと判断してしまうと後悔することになるかもしれません。

生活習慣などもあるためすべての家に当てはまらないものの、住宅の湿度と気密性能の関係は以下のようなイメージになると思います。

住宅の区分 湿度が高い家 湿度が低い家
高気密住宅 窓を開けたい(臭いの排出) 窓を開けたいと思わない(臭いが少ない)
低気密住宅 窓を開けたい(臭いの排出) 窓を開けたい(三種換気は効かない)

気温の高い季節にムワッする感覚や布団や枕が臭いなどがあればカビや雑菌が繁殖しているということでしょう。除湿をしない家は冬以外は洗濯物が生乾きする場合があると思います。

難しいことを考えながら生活をしたくないので窓を開けましょうと言いたいところですが、湿度が高い家はダニも繁殖するため、簡単に窓をあければ良いとは言えない状況です。

ダニを集めて捕まえる製品もありますが、ベット・ソファ・収納などは2個設置して2か月で交換とのことなので、5月~10月まで6ヶ月設置すると4LDKの家で18000円/年程度かかります。

(4部屋✕(ベッド2個+収納2個)+リビングソファ✕1個)×6ヶ月÷4個入り✕@1300円=17,550円

我が家では家を除湿してから除湿剤や防虫剤を買わなくてよくなったため、そう考えるとさらぽか空調やエアコンを使った除湿というのはコストパフォーマンスが高いと思います。

エアコンの24時間運転がお勧めな理由は除湿ができるから

さらぽか空調の除湿能力は素晴らしいですが、エアコンでの除湿はコストパフォーマンスがとても良いです。家のエアコンを1台にする必要はないですがエアコン設置場所などの工夫は必要です。

エアコンは温度を下げると同時に除湿もしています。除湿された水が家の外のドレン管(排水管)からポタポタと出ていることはご存じの方も多いと思います。

エアコンは使いたい時に利用する間欠運転と24時間連続運転とどちらがお得かと言われますが、仮に電気代が同程度だとすれば24時間運転の方が家を低湿度に保てるというメリットがあります。

エアコンの運転方法 温度調整 湿度調整
間欠運転
連続運転

必要な時だけエアコンを運転する場合は家の中にカビや雑菌が繁殖しやすくなるため、ムワッした臭いを感じとって窓を開けたくなる人もいると思います。

カビや雑菌は目に見えるような発生はしていなくても条件が整えばベッドやソファなどいたるところに発生するものです。これを根本的に抑えるには家の中の湿度を抑えるしかありません。

家を除湿したい人はさらぽか空調の採用やエアコンを24時間運転できる場所を確保(二階の階段ホールなど)するか、脱衣所で浴室側に連続排水できる除湿機を運転すると良いと思います。

最後に

冬以外の季節になると窓を開けたいという衝動に駆られる人がいると思います。そして、難しいことを考えたくないなら窓を開ければ良いと思いますしどんな家を建てて生活するかは自由です。

もちろん、室温調整のために窓を開けたいという場合もありますが、そうでない場合でも窓をあけて換気をすると空気がうまいとか気持ちがいいと感じる人はかなり存在しているでしょう。

その際に湿度を60%以下に保っていれて窓を開けたい衝動がなくなれば恐らくカビや雑菌の繁殖によるムワッヒした空気汚染を感じ取っているのかも知れません。

ただ、湿度を60%以下に抑えても窓を開けたいという人はそれ以外のことが理由でしょうから、その場合は必要な窓に網戸をつけておいて窓を開けたら良いと思います。

高気密住宅は窓を開けてはいけないなどのようにゼロか百かで考える必要はありません。せっかくの注文住宅ですから家族の状況に合わせてその中間を考えることもできます。

一条ハウスは網戸がオプションですが、庭で遊ぶ子供の声や風の音などが聞こえると安心だといった意見もあるため全部の窓もしくは風を通す窓に網戸を採用するかはお好み次第です。

カビやダニは数時間で爆発的に繁殖するというわけでもありませんから、必要な時だけ窓をあけて窓を閉めたらしっかり除湿をするという考え方もありでしょう。

短時間ならエアコンの冷房運転を止めずに窓をあけて、窓を長時間開けるならエアコンを送風運転にして窓を開けるとエアコン内部をカビさせないため良いと思います。

 

本日は以上でございます。

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