コロナウイルス後の家作りの変化について

考察

はじめに

コロナウイルスの終息後の家作りはどのようになるでしょうか?

社会人の方はテレワーク、学生の方はオンライン学習が増加するという方向性に向かっていくと思います。

また、これまで営業職の方はお客様への訪問や来店による接客が多かったと思いますが、テレビ会議での接客や実店舗での商品の引き渡しからデリバリーが増えていくでしょう。

在宅勤務の日数が増加することによって会社に通勤する日数が減れば、地価の高い都市部から郊外や田舎へ人口が流出していく可能性もあります。

ドア付きの書斎は1人1個

テレワークをする際の問題はテレビ会議の音漏れでしょう。聞く方はイヤホンをすれば良いですが、話す声の音はどうしても家の中に漏れてしまいますからドア付きの書斎が必要になります。

そして、これまでは子供が部屋の中にこもるという現象が見られたと思いますが、今後はさらに小さな書斎の中にこもるという現象が起きてくると思います。

書斎はテレビのモニターとパソコンが設置され、子供が使う書斎はさらにゲーム機が置かれる空間になると思いますから、さらに引きこもると思います。

これから家を建てる方は、書斎はトイレサイズでも良いので、1人1個の書斎を検討してみてはいかがでしょうか?

内覧会♯15 書斎
はじめに コロナウィルスの拡大を受けて在宅勤務の日数が増えてきました。取引先の企業では出社禁止になった会社も出てきており、テレビ会議で商談や打ち合わせをしている状態です。 本日は在宅勤務をする際に書斎があった方がいいですよという話な...

寝室や子供部屋は小型化する?

家族1人1人に書斎がある場合、寝室や子供部屋はどのようになるのでしょうか?

机が書斎に移行すれば、子供部屋はベッドしかないという状態になると思います。私は恐らく寝室は寝るだけの部屋になって、3畳などの小型な部屋になっていくと思います。

核家族化は当然の現代ですが、さらに家庭内で書斎に引きこもる家族像が浮かんできますが、家族が集まるファミリールームがトイレのように1階と2階の両方にあっても良いですね。

長時間の空調運転が必要になる

これまでの日本の家では家族が在宅していない時間帯は冷暖房を切るという生活習慣が普通でした。しかし、在宅勤務が増えれば冷暖房の運転時間は長時間になります。

在宅勤務で集中するにはオフィスのように冷暖房がある程度効いている必要がありますが、光熱費を抑えて空調を連続運転するには家の性能により高いものが求められるようになるでしょう。

ただし、現在の新築注文住宅は大半が高断熱です。省エネに全館冷暖房するには気密性能が必要になってくるため、高気密住宅への関心がさらに高まると思います。

長時間の冷暖房運転をしてみると、全棟の気密測定をしない自称高気密住宅と気密測定をしてC値が1.0以下の本当の高気密住宅の差が光熱費の差として出てくるでしょう。

HEAT20の基準では3地域以南の暖房の運転時間は以下のように24時間連続ではありません。在宅勤務が増加した場合にどのグレードのコスパが良いのかこれからの課題であると言えるでしょう。

また、高気密高断熱を住宅のジャンルの1つとして捉える人もいますが、私は気密性能についてはどの家にも備わっている必要のある耐震性や耐久性等と同じ住宅の基本性能の1つだと思います。

在宅勤務が加速すると、全館冷暖房が可能な高気密高断熱は住宅としてのベース機能として当たり前になり、その上にデザインなどの嗜好について個人が判断する家作りに移行が進むと思います。

免疫力を高めるには高気密高断熱住宅

コロナウイルスなどに感染しないようにするには、何よりも人間の体の免疫力を高めることです。

高気密高断熱住宅を評して「冬に暖かく夏に涼しい家」という言葉をよく聞きますが、もう少し明確にすると「冬は風邪を引かず夏は夏バテしない家」と言ってもよいかもしれません。

快適な空間は体が鈍るという精神論を語る人は減ったと思いますが、高気密高断熱住宅に住んで夏も冬もぐっすり眠れる生活を送ることで免疫力を高めることができます。

私は2010年頃から高気密高断熱住宅に住んでいますが、冬季は全館暖房で室温20℃以上、夏季は全館除湿で熱帯夜知らずの生活をしているため、本当に1年を通じて体調を崩さなくなりました。

なお、自然素材や調湿建材をふんだんに使った二軒目の家と現在住んでいる一条ハウスで健康状態に差はありませんし、Vosを測る環境測定モニターの数値にも違いはありません。

住宅会社の倒産が懸念される

地震が起きた直後は耐震性の高い建物のニーズが高まるように、コロナウイルスの影響で受注が減少している住宅業界では体力のない住宅会社は倒産の危機に陥る可能性があります。

私は家作りとしては、高気密高断熱住宅の得意な設計事務所に依頼することが面白いと思っていますが、一方で設計事務所や地場工務店は企業体力の弱い中小零細企業です。

二軒目の家作りで設計事務所で家を作った私ですら、三軒目の家からは一条工務店というハウスメーカーを選択しています。その理由は有名な地場工務店の倒産が契機でした。

カリスマ社長が死ねば地場工務店は倒産する
はじめに 私が二軒目の家を設計事務所と地場工務店でローコストに建築したのは2010年頃です。ローコストな高気密高断熱住宅でありながら住み心地が良い自慢の家でした。 今でも関係者を含めて素晴らしい家作りであったと思いますし、当時は防火...

今回のコロナウイルスが早く収束して地場工務店が倒産しないことを祈りますが、住宅会社は良い家を作ってますというような腕自慢だけではダメで経営がしっかりしている必要があるでしょう。

コロナウイルス後の家作りについては在宅勤務が集中してできるように24時間空調が省エネに可能でかつ経営が安定しているハウスメーカーの人気が高まるのかもしれませんね。

最後に

コロナウイルス終息後の家作りでは間取りに対する考え方が大きく変わってくる可能性があります。

まだ、コロナウイルスの終息が見込めない現状ですが、会社でも役員を含めてテレビ会議に慣れて来たので、テレワークも良いじゃないかという雰囲気になってきました。

接客の現場ではテレワークは難しいということは当然ですが、全部が相対の接客ではなく、一部の接客をテレビ会議に切り替える良い機会かもしれません。

商品についても店頭受け渡しから宅配の割合が増えると思いますし、社会がどんなに女性活躍だとか多様性を高めようといったところで、在宅勤務が普及しなければ絵に描いた餅になるでしょう。

リアル店舗や事業所の面積が減って、在宅勤務に切り替わっていく形が今後ますます進むと思いますが、これは会社側にとってもコスト削減につながる可能性があります。

そういった意味で家作りもテレワークやオンライン学習に対応する必要が出てくると思います。逆に在宅時間が増えることでIoTで家電を外部から遠隔操作する必要はなくなるかもしれません。

 

本日は以上でございます。

タイトルとURLをコピーしました