松尾設計室のYoutube動画について

考察
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はじめに

高気密高断熱住宅の設計者として人気の松尾さんがYoutubeを開設したことが話題になっています。あっと言う間に2万人に迫るチャンネル登録者になっています。

兵庫、大阪で高断熱高気密住宅専門の建築家集団 松尾設計室
生涯で一番、高価で、長く使い、健康と快適性と経済性に影響を及ぼすのが住宅です。しかしながら、なんの勉強もせずに住宅を建てる、購入するということは大抵の場合、寒く、暑く、カビや結露が生えやすく、病気になりやすく、冷暖房費が高い住宅になってしまいます。その原因は大半の住宅実務者がちゃんとした住みやすい住宅を建てるため...

私はこれまで四軒の注文住宅を建てていますから、施主の立場として色々な見方ができると思いますので、本日は私から見た松尾設計室のYoutube動画について話したと思います。

私のブログは一条工務店の社員さんもご覧になっていると思いますから、ぜひ松尾設計室のYoutubeをご覧になってください。

なお、私の家作りは以下のような経歴になっています。金額は覚えている大体の金額です。

住宅依頼先 入居年 土地価格 建物本体価格 備考
一軒目 地場ハウスメーカー 2000年 1720万円 1300万円 低気密低断熱
二軒目 設計事務所+工務店 2010年 3200万円 2600万円 Q値1.07W
三軒目 一条工務店 i-cube 2017年 親の土地 3000万円 Q値0.95W
四軒目 一条工務店 i-smart2 2018年 1120万円 3000万円 Q値0.91W

私は初めて家を建てた2000年前後から20年間近くに渡って日本の家作りを見てきた施主であり、小屋裏エアコンを自力で成功させた施主なんてそうそういないと思います。

松尾設計室のYoutubeの内容

私は松尾さんより年齢は1つ上で、2010年前後に高気密高断熱住宅について学んだため、松尾さんよりも上の世代の高気密高断熱住宅の設計者から知識を学んでいます。

特に、鎌田先生の新住協、西方設計の西方先生、オーブルデザインの浅間先生などの知識がベースになっています。その私からみても松尾さんはごく当たり前のことを言っていると感じます。

高気密高断熱住宅は冷房計画まで含めて2010年前後にすべての謎が解明されています。ただし、現在に至ってもこの設計ノウハウを知る人はごく一部だと思います。

松尾さんは奇をてらっているとか、自分のビジネスに有利な広告やポジショントークをしていると思う方もいると思いますが、そうではなく真実を分かりやすく解説しているだけです。

逆に松尾さんの動画をみて目から鱗と感じる人は家作りの勉強と経験が足りていないと思います。私には分かり切ったことを分かりやすく解説しているのが松尾さんの動画という印象です。

松尾さんも動画の中で言っていますが、権威のある人が言っていたというような事で判断していはいけないと。数値に基づいて出来れば自分で計算して判断すべきであると私も思います。

そして、松尾さんのYoutubeは視聴者が減ってしまうということを考えてあえてマニアックな内容にならないように配慮していると思いますから、私からみると非常に物足りない内容です。

エアコンの容量は過大になっているということについては、高気密高断熱住宅のことに詳しければ驚くような話ではありませんが、世間の99%の人は驚くと思います。

エアコンを量販店に購入しに行けば、家や部屋の広さを言った瞬間に量販店はクレームを恐れて、これまでの畳数表示に則ったエアコンしか販売できなくなるでしょう。

それだけ、世間はハウスメーカーやエアコンメーカーなどが流す情報にコントロールされているということであり、それに気が付かない人は松尾さんの発信する情報を飲み込めないと思います。

映画などで自分たちは実は情報操作された空間に知らずに生活していたなんて話があると思いますが、世の中は本当にそうなんです。仮想現実でも自分の生活に愛着を持つのだと思います。

これまで、テレビや新聞といった広告料を出すスポンサー企業に忖度するメディアに我々はコントロールされていて、このコントロールからは開放されている人はごくごく一部だと思います。

Youtubeという広告スポンサーが直接紐付かない情報発信ができるようになった現在であるからこそ、このような当たり前の家作りの情報が発信ができるようになったと感じます。

そういっている私も家作り以外のことに関しては、恐らく既存のメディアなどが流す情報にコントロールされていて、本当のことが分かっていない仮想現実に住む人間なのだと思います。

施主のポジショントーク

施主の気持ちはデリケートです。既に入居済みの人や住宅依頼先と契約してしまった人から見れば、松尾さんのYoutubeをみて不安になったり傷つく人もいると思います。

こんなことを言っては無責任ですが、施主は自分の信じる道を進めば良いと思います。家作りは性能だけでなく土地や人との出会いで成り立つものです。

そして、初めて家を建てる人が発信する情報は話半分で見るべきで、家作りは建てた後になって気が付くことが多く失敗に気が付いても自分からは認められないという人も多いでしょう。

私の一軒目の家は今振り返れば、夏は暑くて冬は寒い低気密低断熱住宅でした。間取り作りは上手にできましたし、家作りに関わる方たちも精一杯の対応をしてくれたと今でも思っています。

ただ、冬はめちゃくちゃ寒くて、夏は二階の階段を登ると途中から温度差があって二階がすごく暑い家であったため、いま振り返ると有り得ないほど住み心地の良くない家でした。

実は20年前でもコストを掛けずにある程度の高気密高断熱住宅を建てることはできたのですが、当時の私にはそのような知識もなく、一般的な家作りをしてしまいました。

私は引っ越しをする必要があったため二軒目の家作りができたからこそ、客観的にこんなことを言えるのであって、最初は死ぬまでそこに住むつもりで家を建てました。

25歳で家を建てたので、老後はローンも終わって楽な生活ができると思っていました。その時は自分は賢い選択をしたと思っていましたが、家の性能なんてことはまったく知りませんでした。

私の若い頃のような状況の現在の人に、いま松尾さんのYoutubeを見せたら不安や絶望でしかないと思います。自分の家作りは間違いであったと思うでしょうね。

そして、自分の精神を保つために家作りの価値観は多様であり自分の選択は間違えでなかったと理論武装をしてポジショントークをするしかないと思います。

これから家を建てる人へ

一生に一度の家作りと言われますが、既に家を建ててしまった人の意見はその立場に基づいたポジショントークになってしまうのはやむを得ないことです。

家作りの目的をどこに置くかということについて、注文住宅は自分の思ったことを実現するという定義では足りないということは年齢を重ねれば気が付くかも知れません。

初めての家作りでは色々なことを考えられるわけもなく、住宅会社の社員を含めて全員が精一杯の家を作っての結果であるのなら、それはそれで良いと思います。

ただ、松尾設計室のYoutubeの内容は私からみて普通に正しい内容です。世間が思う家作りのプロというものは特定分野のプロでしかないという指摘についても正しいと思います。

ガス乾燥機の乾太くんの推奨については悪くはありませんが、私の推奨はオールハンガー収納であるため、干しっぱなしで畳まないという発想の方が家事が楽になると思っています。

太陽光パネルについては一条工務店の屋根一体型は火災の発生はないと思いますし、現在では鋼板がついてます。また、パネル価格は異次元で蓄電池付きで13.75kWの場合、16.8万円/kWです。

これから家を建てる方は、住宅業者・入居済みの施主の発信する情報に関して、どの程度の力量なのか、ポジショントークではないかと確認しながら情報を見てください。

私だって、一軒目の家にずっと住んでいたら高気密高断熱住宅なんて良くないと言っていたかもしれませんし、視野を広げて数値よりも心の豊かさを探そうなんて言っていたことでしょう。

松尾さんはハウスメーカーをおとしめているのか?

松尾さんは業者のセールストークに引っかかる人やヒートショックや熱中症などを起こす家をこれ以上増やしたくないということをただ真面目に語っているだけだと思います。

つまり、松尾さんはハウスメーカーを否定している訳でも、工務店が良いと言っているわけでもなく、良い住宅依頼先以外は淘汰されても仕方がないという信念で仕事をされていると思います。

以下のように分類すれば、松尾さんは3と4と言った性能が低い家は淘汰されても仕方がないが、しっかり勉強して性能を満たしている1と2の家は良いと認識していると思います。

性能が高い 性能が低い
ハウスメーカー 1 3
設計事務所・工務店 2 4

ただ、松尾さんは無責任に性能が悪い会社は潰れてしまえということを言っているわけではなくて、自分の出来る範囲で住宅業者への技術指導を行い改善をするように促していると思います。

松尾さんはどこの住宅会社で家を建てるかなんて小さなことを言っているのではなく、日本のあまりにもひどい家作りの現状を何とかしたいと言っているだけでしょう。

そして、ハウスメーカーへの批評については、ハウスメーカーと地場ビルダーの両方で建てた私には、その違いが良く分かります。

そもそも、ハウスメーカーは施主の意向に寄り添うことが仕事であり、設計事務所や工務店の様に家作りの方針を強く示さないことから施主の気持ちを汲み取ることを重視していると思います。

ハウスメーカーでの家作りは自由度は低いです。型式の認定を取っているため、柱や断熱材を好きなものに変更したいとは言えませんし、工場生産率が高いことから室内造作もあまりできません。

私が二軒目に建てた家では、構造に関わらない範囲では材料を現場に持っていって監督や大工さんと相談しながら自由に取り付けてもらえましたがハウスメーカーではこれは無理です。

ただ、私の一条工務店での家作りは設計ルールや積算ルールを逆手に取って、意外と自由にやらせてもらいましたが、これは初めて家を建てる人には無理なことだと思います。

そして、一条工務店でもパッシブ設計は可能ですし、エアコン1台で全館冷房も可能です。ハウスメーカーだからといってパッシブ設計ができないという訳ではありません。

設計事務所で家作りをしたことがある私には一条工務店での家作りであっても、かなり自由にできました。私には世間が一条ルールは不自由と嘆く理由が良く分かりません。

構造上のルールがあるなら、それをかわせば良いだけであり、私のi-smartなどは一条ハウスでありながらミサワホームの蔵を真似たり、かなり自由に設計しています。

内覧会♯08 蔵
本日の内覧会はミサワホームで有名な「蔵」を一条工務店で実現できるかについてです。 一条工務店の課題は収納力 上記は一条工務店のリーズナブルな小屋裏収納オプションです。一条の小屋裏収納はミサワの「蔵」に匹敵する収納力がありますが、小屋...

そして、何より私のこれまでの家作りは人に恵まれました。地場のハウスメーカー、設計事務所+工務店、そして一条工務店と私の家作りに関わった全員の方が家作りに熱心でした。

ハウスメーカーの設計士さんはピンキリなのかも知れませんが、我が家の一条工務店の設計士さんはかなり知識があって仕事熱心な方でしたので三軒目に続いて四軒目の家もお願いしました。

さて、私はInstagramで一条工務店版の「通風なしパッシブ設計」の普及を行っています。これから、どんどん一条工務店の家にパッシブ設計が広がっていくと思いますよ。

#全館冷房 hashtag on Instagram • Photos and Videos
340 Posts - See Instagram photos and videos from ‘全館冷房’ hashtag

私自身はどこで家を建てるかよりも、しっかり家作りを学んで家を建てるべきであると思っていますから、一条工務店の施主となった今も家作りを学びたい一条工務店以外の方も応援しています。

そして、ハウスメーカーで建てる利点は倒産リスクが低いことです。いかに工務店で自由な家作りができたとしても倒産リスクが高い工務店で建てることはためらいがあることも事実です。

カリスマ社長が死ねば地場工務店は倒産する
はじめに私が二軒目の家を設計事務所と地場工務店でローコストに建築したのは2010年頃です。ローコストな高気密高断熱住宅でありながら住み心地が良い自慢の家でした。今でも関係者を含めて素晴らしい家作りであったと思いますし、当時は防火トリプ...

最後に

私は家を何軒も建てていることから、家を一軒建てたという注文住宅の施主とは意見が異なっているかも知れませんが、結論として家は好きなところで建てたら良いと思います。

私の中では何軒か家を建てないと家作りは分からないと思うので、その過程として失敗も成功もあって、すべてが自分たちが選んだ道であるということだと思います。

私の一軒目の家は今思えば冬に寒くて夏に暑い家でしたが、それでも思い出は深くて大切な家でした。手放した現在でも近くに行ったときはそっと通りかかったりします。

また、家作りはUA値やC値などの数値に踊らされてはいけません。数値の意味や計算過程を知らないと間違った判断をしてしまうため数値を語るなら自分で計算できるように努力をしましょう。

恐らく、最初の家作りでハウスメーカーに依頼した人は次に家を建てるのであれば、地場の設計事務所や工務店に依頼してみようと思うのではないでしょうか。

私は最初に建てた中堅ハウスメーカーから二軒目は設計事務所+工務店となりましたが、人生最後の家作りと思って建てた家は一条工務店というハウスメーカーでした。

これは年齢を重ねて年収が増えたことが影響していると思いますが、一周回って考えると今後に家を建てるとしても、一条工務店かスウェーデンハウス以外には頼まないと思います。

自分の力量が上がったためハウスメーカーでも自由な設計がある程度できてしまうことから住宅依頼先は性能の良さと共にメンテナンスを継続できる財務体質の良さを重視するようになりました。

冒頭にも書きましたが私のブログは一条工務店の社員の方も見ていると思いますから、一条ハウスの高性能な家の性能に胡坐をかかずにパッシブ設計を当たり前に行って欲しいと思います。

さて、家作りは年収や自分の力量を含めた自分の置かれているポジションによって考え方が変わると思います。ただ、その置かれた状況でベストを尽くせたと思えればそれで良いと思います。

最初の家作りはやり残したことや後悔が残るかもしれません。もしやり残したことがあれば、将来小さな家でも良いので私のようにもう一軒家を建てましょう!

 

本日は以上でございます。

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