(2020年2月11日追記)グランセゾンの下屋及び大屋根については積算ルールが不明です。下屋は有料だが大屋根は無料だという話があります。詳しくは一条工務店の営業さんにご確認ください。
i-smart、i-cubeで諦めたこと
私はこれまで四軒の注文住宅を建てていますが、二軒目は軸組工法(在来)+設計事務所+地場工務店での施工で、内装は当然ながら柱や断熱材まで自由に選択できるフルオーダーの家でした。
フルオーダーの家作りで経験値を上げた私は、枠組工法(ツーバイ)となる、三軒目のi-cube、四軒目のi-smartⅡにおいても、一条ルールを掻いくぐって結構自由な家作りができました。
四軒目の家は予算を抑えるために当初はブリアールで検討していましたが、建設地が寒冷地であったことと、i-cubeは建てた事があるため、最終的にはi-smartにしました。
一条工務店の家はi-smartやi-cubeといった枠組工法の商品については、ツーバイフォー工法の制約、パーツの工場生産の比率が高さ、総二階の積算ルールがしばしば問題となります。
ただ、一条工務店で打ち合わせをしている時にセゾンならできる、軸組ならできるという言葉を何回も聞いていて一部に実現を諦めたものがあり、それが今も心残りなのです。
グランセゾンでどこまで実現可能なのかは分かりませんが、同じ軸組工法の商品なので以下のような建築実例01~04のような施工は可能なのではないかと思います。
本日は私がi-smart、i-cubeで諦めたこと特集です。
化粧梁(けしょうばり)
吹抜けや天井勾配に梁をわざと出して見せることを梁現し(はりあらわし)と言います。化粧梁は構造用の梁でなく中身が空洞になっていて照明の配線を中に通せるため外観がスッキリします。
i-smartなどの枠組工法はこんな梁は構造上ないので、化粧梁なんておかしいとも言えますが、ぜひやりたかったのですがNGとなりました。
これが一条工務店の家なの?と感じると思いますが、フローリングやドアを見るとセゾンだとわかると思います。この階段は初期のオープンステアでしょうか?
たしか、一条では化粧梁は一本5万円だったとおもいますが、詳しくは営業さんにご確認ください。またセゾンやブリアールの施主はドアを社外品で施主支給したり結構自由にやってます。
これまでi-smartばかりが注目されてきた一条ハウスではセゾンなどの軸組工法ではかなり自由に家づくりが行われていたことは余り知られていなかったのかも知れません。
大屋根(おおやね)
大屋根とは二階から一階につながっている屋根のことです。i-smartなどの枠組工法は総二階のルールがありますから、大屋根が作れません。
ブリアールの場合、標準のテラコッタの瓦屋根が素敵なので太陽光パネルを乗せるか躊躇されると思いますが、グランセゾンなら太陽光パネルを乗せても違和感がなさそうですね。
下屋(げや)収納
下屋とは一階の屋根のことです。総二階がルールのi-smartの場合、下屋を作った場合は坪単価の半額になるため、通常は同じ坪単価半額のバルコニーか吹抜けを設けると思います。
一条工務店の軸組工法は下屋を作っても坪単価の半額が必要ないため施工面積を減らせる事がメリットで未確認ですがこれはグランセゾンも同じだと思います。
そして、下屋を設けた場合には下屋の中は気密エリア外となりますが、天井勾配にしたり収納として利用することができます。
下屋収納は二階の壁から出入りできるため小屋裏収納より使いやすく、オプションになると思いますが、下屋収納用の気密点検口から出入りする形になります。
なお、i-smartで下屋収納が出来なかった私は小屋裏収納とロフトを接続して蔵を作るという暴挙にでました。
アール垂れ壁
ブリアールの特徴であるアーチ垂れ壁ともR施工とも言われる垂れ壁ですが、実はi-smartでもやっている方がいます。
これは稟議であり構造用のS垂れ壁(structure)の場合はNGとなるケースもあります。ただ、これは難しい施工というよりは一条工務店側が商品ブランドを守るための判断だと思います。
ブリアールの妻飾りをi-smartでもつけれるようですが、商品ブランドがごちゃごちゃになってしまうため、あまり好ましくない行為と捉えられていないのでしょう。
キャットウォーク
キャットウォークとは猫があるくための吹抜け等に設置する簡単な渡り廊下のようなものです。
私の場合は階段ホールにエアコンを設置するため、そのメンテナンス用の足場として設置したいと、i-cubeを設計する時に依頼したのですが、あえなくNGでした。
その際にセゾンなら出来るかもと言われたことを覚えていますが、実際にできるかどうかは設計士さんにご確認ください。
また、i-smartの場合は階段ホールが完全に吹抜けていないといけないのですが、軸組工法の場合は階段の登り口の天井には床が張れます。
つまり、4マスの面積の階段ホールがあった場合、二階部分に1マスの床が張れるため坪単価の4分の1がお得になるのです。
スノコ床
私の二軒目の家には小さな吹抜けがあり人が乗れるスノコ床になっていて、洗濯物を干す場所になっていました。ただ、スノコ床についてはi-cubeではキャットウォーク以上にNGでした。
吹抜けを設けるほど間取りにゆとりがない方についても、スノコ床を作って洗濯物を干す場所にすれば、採光ができてお客様からも洗濯物があまり見えないので一石二鳥だと思います。
ちなみに、スノコ床が床面積に入るのかどうか自治体によると思いますが、キャットウォークは床面積に入らないと思いますが、スノコ床は床面積に入ると思います。
スノコ床についてはグランセゾンにおいても実現できるか不明です。
太陽熱温水器
(出典:長府製作所)
興味がある方は少ないかもしれませんが、私が屋根の上に太陽熱温水器(朝日ソーラーが有名)を設置したいと申し出たところ、i-smartでは保証の絡みからあえなくNGでした。
太陽熱温水器は要するにお湯を沸かすものです。ソーラーパネルは太陽光のエネルギーの20%しか利用できないのに対して、太陽熱温水器は50%のエネルギーを利用できます。
昔からある非常にローテクな装置ですが強引な販売が仇となってあまり定着しませんでした。ただ、太陽光パネルよりも投資効率が高く、一条工務店でも設定品に入れて欲しい設備です。
太陽熱温水器の設置についてはセゾンでは実績があると聞きましたので、その言葉はよーく覚えています。
本当は通年水温の安定している井戸水を利用して太陽熱温水器を利用したかったのですが、自治体から新規の井戸の掘削はダメだとのことで、あえなく両方とも断念しました。
最後に
私がi-smartで諦めたことはいかがでしたでしょうか?
私のi-cubeとi-smartは建設地の県は異なりますが、設計の打ち合わせは私の地元の展示場で行っていて同じ設計士さんが担当してくれています。
設計士さんに最初はできないと言われことも多かったですが、フルオーダーで家作りをしてきた私には到底納得できず、図面や技術的な資料をお見せしてどうすれば出来るのか相談しました。
一条工務店では設定外の施工をする際は稟議となりますが、枠組工法については特にハードルが高く、「稟議は断られてからがスタート」と言われていましたので粘り強くお願いしました。
その内に設計士さんも諦めた(?)のか本社に熱心に掛け合ってくれるようになって、お陰様でいい家作りができたと思います。ご迷惑をお掛けしました。
本日、私がご紹介したようなことも、要望が多ければ設定品になっていくと思いますので、それまでは諦めずに稟議を申請してみてください。
もはや、i-smartとグランセゾンを見れば他のハウスメーカーを検討する必要はないと思えるほどにグランセゾンは魅力的ですよね。
ただ、グランセゾンはさらぽか空調が付けられないため、洗濯物の部屋干しを検討されている方は、エアコン1台全館冷房をご検討ください。
エアパスファンがオプションに設定されたという情報がありますが、本当かどうかわかりませんので詳しくは営業さんにご確認ください。
本日は以上でございます。